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2019年09月27日(金)更新

中小企業が事業を多角化する際の注意点 ~ その4 ~

早いもので、来週から10月のスタート。そろそろ、来年の計画を具体化する時期ですが、そんな中、今回も前回の続きをお届けします。会社の未来に、一緒に考えていきましょう(*^^)v


== 質 問 ==

とある中小企業経営者です。今更ですが、事業の多角化を真剣に考えています。新しいビジネスモデルを作る時の基本的な考え方や注意する点について、ご指南いただければ幸いです。ぜひ、よろしくお願いいたします!

== 回 答 ==

今回は、中小企業の多角化について、その中でもビジネスモデルについての質問ですが、中小企業が多角化をする際には、ビジネスモデルに加えてもう少し多面的に考えた方が良いと思うので、その辺りも含めて回答したいと思います。

== 解 説 ==

今回で“中小企業の多角化”についての最後の回答になりますが、リーダーの採用や育成方法について、解説したいと思います。これまでは中小企業の組織化についての解説をしてきましたが、最後はある意味一番重要なリーダーの採用や育成の方法についての解説となります。

いくら素晴らしいビジネスモデルがあっても、また組織に透明性を持たせても、中心となりビジネスを動かす人材がいなければ、何も動かないわけですから、ビジネスを動かすリーダーの採用や育成についての仕組み作りは、とても重要と言えるわけです。

では、その仕組みをどう作るのかですが、採用に際してはストレートに「自社のリーダー、できれば部門のトップや経営陣、GR会社の社長候補を採用している」と明確に告げて採用することです。

いろいろな企業で採用のアドバイスをし、優秀な人材の獲得を目指して数々の取り組みをした結果、一番優秀な人材の獲得に成功した投げ掛けは万国共通で「うちに来れば将来社長になれる!」でした(p_-)

※もちろんこれは、社長が口だけで言ってもダメで、前回解説した組織や評価の透明性に裏付けされたモノでなければかえって不信感を買うだけなので、発言には組織の透明性という根拠を付けるのは必須です。必ず実行するようにしてくださいね。

続いて、そうやって採用したリーダー候補の育成の方法ですが、こちらも数々の取り組みから行き着いた答えは“任せて・失敗させて・経験を通して成長させる”ということで、これ以外に経営者(あなた)と信頼関係を気づきながら優れたリーダーを育成する良い方法は、無いのではないかと考えています。

任せて、結果が悪くても、それを良しとして成長の機会とする・・・ということは、言葉で言うのは簡単ですが、なかなかできるコトではありません。理由は失敗=何らかの損失ですから、企業が業績を求める組織であるという建前からすると正反対の行為となるわけで、経営的になかなかできない育成の仕組みということになります。

また、失敗の中には部下の育成法などでの失敗で優秀な部下が辞めてしまう・・・などというもっと重たい内容も含まれている訳なので、本当に“言うは易し行うは難し”というやり方です。

ところが、実際にリーダーの育成には、この失敗を通しての成長が不可欠で、また、その重大な失敗をした自分を、なお信じて登用してくれるという経営者(あなた)の姿勢が、経営者(あなた)とリーダーとの本当の絆や信頼関係を構築する上でも不可欠な要因となるわけです。

もちろん失敗させる・・・育成の糧とする、ということは、相当業績の良い会社でないとできない方法なので、リーダーの教育には業績も重要ということなりますね。よかったら、参考にしてください(@^^)/~~~


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2019年09月20日(金)更新

中小企業が事業を多角化する際の注意点 ~ その3 ~

「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、今年も秋の彼岸に入り、すっかり秋めいてまいりました。そんな中、今回も前回の続きをお届けします。秋は集中力の高まる季節なので、会社の未来について、じっくり考えていきましょう(*^^)v


== 質 問 ==

とある中小企業経営者です。今更ですが、事業の多角化を真剣に考えています。新しいビジネスモデルを作る時の基本的な考え方や注意する点について、ご指南いただければ幸いです。ぜひ、よろしくお願いいたします!

== 回 答 ==

今回は、中小企業の多角化について、その中でもビジネスモデルについての質問ですが、中小企業が多角化をする際には、ビジネスモデルに加えてもう少し多面的に考えた方が良いと思うので、その辺りも含めて回答したいと思います。

== 解 説 ==

前回は、中小企業が多角化を行う場合の組織構築について解説をしましたが、最も重要なのは“経営の透明性”だと解説しました。

ちなみに、ここで言う“経営の透明性”とは、評価制度の構築やそれに伴う給与制度を経営者自らの給与も含めて全て開示するということです。コレ(=開示)無くして、“経営の多角化”はできません。

この開示については、開示した途端に経営者の資質や経営手腕が求められることになりますので、自らの経営手腕に自信の無い経営者には、かなりキツイ現状が迫ってきます。

中でも「経営者自らの給与も含めて全て開示する」というのは、経営者にとってかなり心のハードルが高く、「え~じゃあ多角化は辞める!」とか「無理!」と思った社長さんも結構いるのではないでしょうか?

実は、そこが“多角化”の分岐点でもあるわけですが、私のシンガポールのビジネスパートナーに、M&Aも繰り返し行い、事業というか企業そのものを急拡大させている経営者がいます。

その彼が一番大切にしているのが、この“経営の透明性”で、M&Aした会社の社員がほぼ辞めず、みんな生き生きして働くのは、M&Aされる以前よりも“経営の透明性”が高い(評価の仕組みや連動する給与制度が理にかなっている)からだと言っています。

彼は、戦略的に“経営の透明性”を使っているわけですが、これくらい威力があるということです!

このように、中小企業の多角化については、ビジネスモデルも大切ですが、経営の透明性や評価制度、リーダーの採用や育成、裏付けとなる資金政策・・・といった経営者が気づいていない大切な項目がありますので、数回に分けて解説してみたいと思います。

次回は、リーダーの採用や育成方法です。楽しみにしていてくださいね(@^^)/~~~


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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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