石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2009年02月27日(金)更新
三河のサムライ結集!? 地域ブランドを世界に発信
この「サムライ日本プロジェクト」とは、2年前に愛知県東部の三河地域の商品を集めて、世界に売り込むために発足したプロジェクトなのですが、現在4地域24社が“結集”し、『サムロック』ブランドの商品を作っているのです。

上の写真は、創業明治三十五年の太田油脂株(岡崎市)の商品ですが、ご当地三河で栽培された菜種の圧搾油を使った「「和灯(わあかり)」です。こんなふうに参加企業の商品は、中身はそのままに、みな『サムロック』という統一のロゴを付けて“武装”しているのです。
地元の「五万石サイダー」は「三河国サムロックサイダー」に、特産品の味噌やきしめんも『サムロック』ブランドに、さらにはキャラクターグッズなども含め、いよいよ今春(2009年)から本格的に世界進出を始めるようです。
『サムロック』ブランドの情報発信は、インターネット上の仮想国「三河国」を通じて行うようですが、技術力はあってもうまく情報発信できない老舗企業を巻き込む方法としてはかなり秀逸ですよね(*^^)v
三河国では「老舗一店舗ではできないことも、数十社集まればブランドができる」とし、「地域を元気にする!地域を世界に発信する!」とかなりの意気込みを見せています。
三河国のサイトを作るにあたっては、「消費者が企業や商品を記憶するメッセージを明文化せよ」というお達しのもと、参加した各企業には、会社説明100文字、商品説明は短い3つのポイントを75文字以内にまとめるようにと指導したそうです。
制作サイドの都合って気もしますが(笑)、「明文化するポイントは、この文章を読んだ人が、家族や友人にそっくりそのまま伝えられること」という指導は、じつに的を得ています。
ブランドを訴求させるには、自社のウリをきちんと文章にまとめるというプロセスが、とても大切なんです。・・・これ、意外ときちんと出来ている会社って少ないんですよ(――;)
もちろん、みなさん口では上手にしゃべれるんですが、発信が世界規模となると、いちいち説明して歩くわけにはいきませんから、これからはますます、社内の情報はすべて文章化するという企業風土のある会社が勝ち残ることになると思います。
「高収益トップ3%倶楽部」では、「話して人に伝わることは、それを文章にして届けても、相手が読んでくれさえすれば、同じ効果を発揮する」と教えているんですが、ぜひ自社のサイトもそんな目でチェックし直してみてください(@^^)/~~~
・・・それにしても、企業が集まって「統一ブランドで世界に発信する」っていいアイディアですよね。この経営者会報ブログからもそんなムーブメントが生まれたら、かなり楽しいと思います♪
2009年02月23日(月)更新
毎日気になるクセになる!? 「超一品.com」

今日(2009年2月23日)の「一品」は、「ハンディコードレスクリーナー」…車のお掃除などにも便利に使えそうですよね。こんなふうに毎日0時を過ぎると商品が入れ替わり、たった「一品」を24時間だけの“特価”で販売するのです。
特に家電製品やパソコン周辺機器などは、店舗価格の3~4割引きで買えるようです。安さの秘密は、メーカーとの直接取引と、1シーズン前の在庫を扱うことみたいですよ。
このサイトを運営するのは、「AOSテクノロジーズ」というソフト開発会社ですが、他の通販サイトが「豊富な品揃え」に懸命になる中、みごとなまでに真逆に舵を切ったわけです。
また、サイトの文章にもかなりこだわっていて、同社では専門のライター社員を雇い、この商品を使うと日常にどんな“変化”が訪れるのかを、絶妙なタッチで紹介しています。
単なる「スペック」の比較に留まらず、その商品に「ストーリー」を持たせているところも人気の理由かもしれません。バックナンバーは「ブログ」から読めますので、サイトやメルマガの文章にお悩みの方は、参考にされるといいかもしれませんね。
それはともかく、昨年秋にオープンしたこの「超一品.com」には、在庫の商品を扱ってもらおうと、メーカーさんからのアプローチが絶えないみたいです。
つまり、仕入れの心配はほとんどしなくても大丈夫な状態で、毎日サイトの更新に専念していれば、一定の売上が上がるしくみが出来上がっているのです。
今や大企業から個人商店まで、数えきれないほどのネットショップが乱立し、「今さらネットショップなんて…」とお感じの方も多いと思いますが、まだまだ知恵を絞れば、後発でも十分勝てるということです(*^^)v
ネットはすでに「情報の大洪水」と化していますから、『探さなくてもいい便利さ』をお客さんに上手に提供することは、とても大事な視点だと思います。
欲しい商品を探して、数件のネットショップを行き来しているうちに、あっと言う間に30~40分経っていた…なんて経験、みなさんお持ちではありませんか?
ですから、忙しい現代人は妙な自制心が働いて、すでに買う商品が決まっているか、よほど時間があるときでないと、ネットショップを訪れなくなっているのかもしれません。
それに対して、この「超一品.com」は、ページを開いたら、興味があるかないかを“1秒”で判断できますよね。だからこそ、リピーターが増えるのです。
現に私も、このサイトの存在を知ってから、不思議と毎日気になって、ついついチェックしてしまいます(――;) もし、自分が見なかった日に、超お買い得品があったらどうしよう…なんて心理が働くのかもしれません。
ネットが人々の生活に深く入り込んだ今では、消費者の心理や行動も、「ネット初心者」の頃とは大幅に変わってきています。経営者は、その“変化”を常に感覚としてつかみ、自社のマーケティングに活かす必要がありそうですね(@^^)/~~~
2009年02月13日(金)更新
造園業界の救世主!? 「モザイカルチャー」に注目

上の写真は、昨年(2008年)9月に、はままつフラワーパークに登場した赤塚不二夫さんのキャラクター「ウナギイヌ」のモザイカルチャーです。「うなぎに驚くウナギイヌ」という題名まで付いていて、ウナギイヌがツボから顔を出すうなぎにびっくりしている様を表現したものですが、なかなかよく出来てますよね(*^_^*)
このモザイクアート、どんなふうに作るのかと思えば、まずは金属で骨組みを作り、それに網をかけ、土を詰め込んで土台を作るのだそうです。そこに花や緑を植え込んで、立体作品に仕上げていくようですが、今、浜松市では、20社近い造園会社が集まり実践講習会なども開いているみたいです。
以前、私のブログにも、「田んぼアート」を取り上げたことがあるのですが、日本人の元来の器用さを持ってすれば、この「モザイカルチャー」も、日本でさらに発展する可能性があります。
近年、環境問題や都市の緑化に関心も高まっていますから、もしかしたら、「モザイカルチャー」は造園業界の救世主になるかもしれません。
なにより「生きた」植物を使っているところがいいですよね。銅像と違い、置いただけってわけにはいきませんから、必ずメンテナンスが必要になります。そう考えると、これを立派な「ストック型ビジネス」に育てることも可能です(*^^)v
さらにいいのが、公園などに置くとかなり目立ちますから、それがランドマーク的な存在になってしまったら、やめるにやめられない…状態にもなるわけです。そういえば、名古屋駅のJRセントラルタワーズのクリスマスイルミネーションは、あまりに有名になってしまって、もうやめられないみたいですよ(――;)
名古屋だけでなくクリスマスイルミネーションも年々大掛かりになっていますが、かなり費用がかかるのもこれまた事実。しかし、たとえ赤字になったとしても、お客さんのニーズが高ければ、簡単に打ち切るわけにもいかなくなるのです。
企業も自治体も「消費者」の声には弱いですからね。造園業界もそんな心理を上手に利用して、この世界博をきっかけに、商業施設や公共空間に「モザイカルチャーを造りませんか?」と、どんどん提案してみたらいいと思います。
翌年からは、そのメンテナンス料であなたの会社が潤う…ことになるかもしれません。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2009年02月06日(金)更新
農家を継がなかった「セガレ」に出来ること
たとえば、都心で「産地直売会」を開いたり、イベントに参加して「いも煮」をしたり、「倅新聞」を発行して情報発信をしたり…とにかく農家を継がずに東京で働くセガレ(息子)やセガール(娘)たちが、楽しみながら農家の広報活動をしているのです。

この会の発起人たちはみんな、農業を継げとは言わずに黙って東京に送り出してくれた父や、仕事に行き詰ってふらっと帰ったときには、何も聞かずに受け入れてくれる母のやさしさに対して、「いつか恩返ししたい」と思い続けていたんだそうです。
そのきっかけを作ろうと、農業をテーマにしたビジネススクールを受講したところ、そこで農家を継がなかった同世代の3人が知り合いになり、飲みながら実家の話をするうちに「今、できることがあるんじゃないか」と、立ち上げたのがこの「セガレ(倅)」。2007年9月のことでした。
こんな話を聞くと、つい「応援したい」って気持ちになりませんか? 私がおもしろいなぁ~と感じるのは、情報化社会が進んだことで、誰しもの心のなかにあるそんな“良心”をカタチにすることが、とても簡単になったということです。
ネット社会が生まれた頃は、「誹謗中傷」のような、どちらかといえばダークな情報が独り歩きしていたものですが、社会が成熟すると、今度はそれに勝るスピードで「良い話」が走り抜けていくようになる…ということでしょうか。
今年の初め、私のブログにも『世界が注目!? 間寛平のアースマラソン』という話題を取り上げ、「進化した情報社会とは、世界が個人の夢や純粋さを応援しやすい時代」だと書いたのですが、この「セガレ」も純粋に活動していけば、応援してくれる人がどんどん増えるのではないでしょうか。
私は企業もまったく同じだと思っています。多くの人の心のなかに眠っている「そうそう、こういうことしたかったんだよね」とか「ずっと気になってたんだけど…」みたいな部分を引き出し、それを解決してあげる商品やサービスを提供することができたなら、たいした宣伝などしなくても、世の中にあっと言う間に拡がっていくものなのです。
こう考えていくと、どうやらこの時代、経営者の発想や考え方がますます重要であることは間違いなさそうですから、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」では、『世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている』を合言葉に、ビジネスの発想力や時代の読み方のトレーニングをしてもらっています。
このブログにも、そんな視点から質の高い情報をどんどん提供していきますので、ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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