石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2010年03月26日(金)更新
ネット販売・進化系・・・「プチギフト」&「おねだり機能」
おもしろいのが、「相手のメールアドレスさえわかればOK」というところ。運営するのは、株式会社メールdeギフトという会社です。
サイトに相手のメールアドレスを入力すれば、相手に「◎◎さんからこんなギフトがきました」といったメールが届き、受け取りたい場合には、そこで自分の住所を入力するとその品物が届く・・・というしくみです。このしくみなら、相手の携帯アドレスやニックネームしか知らない場合でも、相手にプレゼントが贈れるというわけです(*^^)v
これって、今の人間関係を、みごとにマーケティングに活かしてますよね。特に若い世代では、個人情報保護のために、学校でも住所録が配られなくなりましたから、友達と言っても、相手のアドレスしか知らない・・・なんてことがふつうにあるみたいです。
また、わざわざ住所を調べたり、いちいち入力したりするのも手間がかかりますから、相手のアドレスだけで、思い立ったらプレゼントが贈れるという手軽さもいいですね。「当日」でも間に合うそうですから、このあたりも、時代のスピード感覚にマッチしていると思います。
もうひとつおもしろいと思ったのが、「おねだり機能」を付けた下着メーカー「トリンプ」の通販サイトです。女性が自分で選んだ商品を、彼におねだりできるしくみなんです(*^_^*)
こちらも、彼のアドレスをサイトに入力すると、トリンプから「◎◎さんからおねだりされています」みたいなメールが届き、いやなら「却下」もできるしくみなんですが、なんと!79%の男性が「おねだり」を聞き入れているそうです。驚異的なコンバージョン率ですよね(@_@;)
たとえば、ホワイトデーのお返しや、クリスマスプレゼントなんかにも、このしくみはかなり有効だと思います。男性としても、ヘタなプレゼントをして自分の評価を落とすなら、相手から「おねだり」されたほうが、よっぽど楽かもしれませんね(笑)。
消費不況と言われる中でも、こうしたネットならではの“しかけ”で、着実に売上げを伸ばしている会社もあります。人間のちょっとした心理がわかれば、ネット販売をも進化させることができるのです。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
2010年03月19日(金)更新
ある「振り回し型」の社長の場合・・・
というわけで今回は、私の著書の読者さんからの質問を取り上げてみました。みなさんの中にも、思い当たるフシがある方もいらっしゃるかもしれません。ぜひ、参考にしてください。
== 質 問 ==
先生の著書『うちの社長はなぜ「ああ」なのか?』を読みました。大変参考になりました(*^_^*)診断の結果、自分は「振り回し型」でした。
だからでしょうか、将来的に大切な仕組み作りなどが苦手なので、ついつい後回しになってしまいます。直すのに何かいい方法はありますか?それから先生にもそういうことはあるのですか? 教えてください。
== 回答 ==
目の前の事に振り回されないで、仕組み作りなど、将来に関わる大切なことをしっかりやるためには、目線を先にのばすのが一番良いのではないかと思います。
経営においてはいろいろなことが大切なのですが、その物事がどれ位大切かどうかは立っているスタンスの違いに拠ると思います。なので、目線を先にすれば将来のウエイトが増し意識が変わりますので、ぜひ経営の目線を先にのばしてみてください。
== 解 説 ==
本、読んでいただいてありがとうございます。私の本にはそれぞれ書いた意図や理由があるのですが、経営者の最後(というかもっとも大事な)の課題は自分の性格や考え方の問題点に気付いてそれを変えることなので、今そういうご自身の問題に気付かれたとしたらとっても良かったと思います。
「振り回し型」の経営者を変えていくヒントは本の中に詳しく書いていますので、今回は質問の内容の仕組みつくりなどが後回しにされないようにするにはどうすれば良いか?という問いに答えたいと思います。
そこで冒頭の回答になるわけですが、こういう場合の解決策は“経営の目線を先にのばす”ということが一番良いのではないかと思います。
目線をのばすというのはどういうことかというと、経営者が経営を考える時の思考のスタンスを今月や来月あるいは今年いっぱいといった目先に合わせるのではなく、最低2年~3年先、できれば3年~5年先に合わせて考えるというスタンスになることです。
冒頭の説明のように目線をのばすと考え方の視点が変わりますので、結果、物事に対する思考のウエイトが変わりますから、目先のことよりも先のことの方が大切に見えてきますよね。だから、この方法が良いということです。
もちろん、経営の状況などもありますので、一概にスタンスを先にはのばせない場合もありますが、経営的に問題がないのであれば、ぜひ視点を先にのばすことをお勧めします。そうすれば、結果として仕組み作りなど将来大切なことに経営のウエイトが変わってくると思います。
最後に私の場合ですが(ーー;)
私もアイディアがどんどん先行するタイプなので、ともすると目線が、超・至近距離になる場合があるので、経営は出口を考えて行う!なんてことをしっかり思い出すようにしています。逸る自分を抑えるのにはこれが一番良いと思っています。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
2010年03月12日(金)更新
増える「自転車通勤」をターゲットにした仕掛け人は・・・
その名も「ファンライドステーション プラス ランステ」。自転車1台分の駐輪スペースとロッカーの使用料で、月額2万3千円。シャワーや着替えのためのスペースも用意されています。
私の事務所は、皇居から近いところにあるのですが、今、皇居の周りには「ランナー」たち向けのこうした施設がたくさんあります。ですが、まだ「自転車通勤者」向けの施設は、目新しい感じがします。ちなみに、「自転車通勤者」のことを「ジテツウ」と呼ぶらしいですよ。
満員電車には乗らず自転車で通勤して、この施設でシャワーでも浴びて、スーツに着替えていざ会社へ・・・などというライフスタイルが、これから増えてくる予感がしますよね。
通勤のストレスからも解放され、運動不足も解消され、なんたって「エコ」だし、そのうえちょっとカッコイイし・・・そう考えると、なんだかイイコトずくめです(*^_^*)
「どこが仕掛けたのかな」と調べてみると、なんと!その仕掛け人は出版社でした。
「アールビズ」が同社で出版する自転車雑誌「ファンライド」と連携してつくった施設で、今後は自転車通勤に関するセミナーや新モデル試乗会などのイベントとも連携していく計画だそうです。
つまり、出版社が読者に対して「リアルなサービスとコミュニティ」を提供した、ということです(*^^)v
今週、当社の会議でも話題になったのですが、デジタルブックの進化が著しい時代に、「本」はどうなっていくんだろう…と。本を印刷しなくなると、大量の木を伐採しなくてもいいわけで、そのうえ、倉庫もいらず、物流もしなくていい・・・「これって究極のエコ?」なんて会話まで飛び出しました。
ご存じのように、今、出版各社は、デジタルコンテンツに対抗すべく「おまけ」を付ける作戦に出たり、昔懐かしい「パラパラマンガ」を本にしたりと懸命です。
結局、デジタルに対抗できるのは「リアル感」しかないわけです。実際に「手」に取り、触れることのできる「おまけ」を付けるのはもっともわかりやすいパターンですし、「パラパラマンガ」復活にしても、「手」でページを繰るという「身体性」に着目してのことです。
本好きの私としては、出版業界の今後がかなり心配ですが(-_-;)、当面は、この事例のように「アレもコレも」の精神を持ち、雑誌もウェブもリアル店舗もイベントも…というふうに、「自社内メディアミックス」のような感覚でチャレンジしていくことから、活路が見出せるのかもしれません。
そうした意味では、この「経営者会報ブログ」も、「自社内メディアミックス」ですね。これからも応援しますので、ぜひ出版社の成功モデルを築くべく、頑張ってください(@^^)/~~~
2010年03月05日(金)更新
既存顧客の「値下げ要求」にはどの位応じるべきか
社内のしくみはもちろん、顧客との取引条件なども、定期的に見直してみることをおすすめします。というわけで、今回は「既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきか」という質問を取上げてみました。「発想」という点において、ぜひ参考にしてください。
== 質 問 ==
大阪で製造業を営んでいます。既存顧客の値下げ要求にはどの位応じるべきでしょうか? 価格競争には陥りたくないし、今のご時勢を考えると少しは協力しないといけないかな? とも思いますし・・・悩むところです。
== 回 答 ==
今回は、価格競争に関する質問ですが、当社が主に製造業など必ず価格交渉に陥る業界や企業体質の会社のお世話をする時には、予め準備して価格競争でどんどん有利になる様なビジネスモデルを作るように指導します。発想を変えて、そういった準備を始めてみてはどうでしょうか?
== 解 説 ==
経営の秘訣はいろいろありますが、その中でも重要な項目に出口を理解して経営に当たるというのがあると思います。これはどういうことかと言うと、最後はどの方向に向かっていくかを理解してそこに早く向かった方が経営は楽になり他社に勝てるというものです。
例えば、数年後に法律が変わり今の仕事のやり方が出来なくなるとなった時に、まだ出来るということでそのままの仕事を続けるか、いち早く方向転換して新しい方法を考えようとするかの違いですが、結果は必ず、早く対処したところに軍配が上がります。
そういう意味で今回は、単に相手が値段交渉を言ってきたというより、仕事をしていれば必ず起こるということに対してどうすればいいかということでの回答にした方が良いと思って、この回答を書いていますが、経営のやり方を思い切ってドラスティックに変えて、顧客に言われなくても自社努力で毎年々々商品原価を何%か下げていく努力をする方が良いと思います。
相手に言われて対応しようとすると絶対に後手になり主導権を取れませんが、絶対に起きることなら先手を取って対応、それが勝てる経営の肝になると思います。
年間行事として、原価の見直しや在庫管理、作業の棚卸し工程チェックを戦略として繰り返してください。
他社はこういった感覚ではなかなか経営しないと思うので、御社の一人勝ちになると思います。がんばってくださいね。
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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