石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2012年12月28日(金)更新
リクナビやマイナビを使わなくても、新卒は採用できる!?
== 質 問 ==
新卒採用をするには(できれば優秀な人材)、リクナビ、マイナビなどを利用しなくては採用できないのでしょうか? リクナビ、マイナビなどのなかった時代は、どうやって新卒採用していたのでしょうね。よきアドバイスをお願いします。
== 回 答 ==
リクナビやマイナビを利用しなくても、優秀な人材を採用することはできると思います。ただその場合は、リクナビやマイナビにお金をかける以外の、何か別の投資が必要になってきます。どちらが良いかは、御社の状況によりますね。
== 解 説 ==
企業経営において全ての判断の基準は、「費用対効果」ということになります。新卒や中途など人材の採用も、基準はこれと同じで投資と効果のバランスで、どちらが効果があるかと考えて、手段の選択をすべきです。
ご質問のように、リクナビやマイナビを利用しなくても、何らかの他の方法で優秀な人材は採用できると思いますし、実はそうやっている会社さんも結構あるのではないかと思いますが、そういった会社は、別の何かに時間やお金、行動という投資をした結果、採用を成功させていると思います。
その別の何かへの投資と、リクナビやマイナビへの投資・・・どちらが費用対効果が良いかという比較をした結果、こちらの方が良いと判断し、独自の方法を選んでいるのだと思います。
例えば、何か学生向けにコンテストを主催してその応募者の中から優秀な人材にアプローチする。ある程度長期に渡って学生イベントのスポンサーになり、関係する学生とのパイプを太くしていって、そこから採用へつなげていく。
あるいはもっとコアに、自分の出身大学のクラブやサークルのOB会の会長やスポンサーになり、学生を支援したり、アルバイトに雇って自社に興味を持ってもらう(実際にこれを進めてかなりの学生を集めている会社を私は知っています)。
社長自身が本を書いたり、講演やセミナー等を行ってブランド化すれば、ほおっておいても御社に興味を持った学生から問い合わせが、採用サイトに寄せられると思います。
・・・etc・・・と、いろいろなアイディアは出てくると思いますが、先ほども書いたように、こういう活動にも結構な労力や費用が要りますよね。ですので、ある程度長期に採用を考えている会社であれば、費用等を考えて、こういった別の方法を考えてみるのも良いと思います(^_-)-☆
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2012年12月21日(金)更新
叱る指導はもう限界!? 賢い会社は「褒めて育てる」社風をつくる
そんな中、社内に「褒め合うしくみ」を、とても上手につくっている企業が目立ち始めてきました。飲食店等のお試し予約サイトを運営する株式会社シンクスマイルには、『CIMOS(シーモス)』の存在を知って、入社してくる若者もいるみたいですよ。
『CIMOS(シーモス)』とは、同社が開発した“褒め合いゲーム”のようなもの。一般社員は月に20枚、経営陣は40枚のバッジを持っていて、感謝の気持ちを伝える「サンクスバッジ」、笑顔が素敵な人に贈る「スマイルバッジ」、動きがいい人に贈る「ナイスアクションバッジ」などを、毎日互いに贈り合うのです。
さらに、Facebookとも連動しているので、取引先からバッジが贈られることもあり、社員約70名は、顔出しでサイトに登場し、どのバッチを何枚送られたかが、レーダーチャートで表示されています。
つまり、この“褒め合いゲーム”が、社内外を含めた公平な評価制度の役割も果たしているわけですが、ここまでオープンになっているのは、なんとも今っぽいですよね(*^^)v
しかし、一見ただのゲームにも見えるこの制度、じつはとてもよく考えられていて、同社独自の『10の行動指針(バリュー)』をバッジで表現したものなのです。
10の行動指針とは「1.顧客に驚きと衝撃を」「2.先に与える 常に与える」といったものですが、とかく絵に描いた餅になりがちな経営理念や行動指針などにも、ほんのちょっと遊び心を加えてやれば、ゲーム感覚で社内外に普及させていけることがよくわかります。
さらに、社員自身も自分のレーダーチャートを冷静に見ることで、自分の強みを実感したり、逆に足りない部分に気づくこともできるでしょう。
また、福利厚生代行の株式会社ベネフィット・ワンでも『ホメテ委員会』を開設。相手の名前とメールアドレスを入力し、「段取りがいい」などの24項目の中から褒めたいポイントを選択して、褒め言葉とともに匿名で相手に送れるしくみをつくりました。
同社はこのしくみをオープンにし、会員登録すれば誰でも利用可能にしていますが、社員同士の褒め合いに特化すべく、同じドメインのアドレスにだけ送れるようになっていて、お互いに褒め合うと、初めて相手の名前がわかるしくみになっているみたいです。
こうした“褒め合いゲーム”を、社員だけでなくパートも含めた約14万人という大規模な組織で活用しているのが、あのヤマト運輸です。「仕事は見て覚えろと、叱って育てる指導法に限界を感じた」として、会社や同僚への愛情を育てるべく『満足ポイント制度』を立ち上げたのです。
社内のイントラネットを利用し、同僚を褒めるコメントを投稿すると、褒められた相手に10ポイント、褒めた自分に3ポイントが入るしくみになっていて、累計200ポイントで銅、500で銀、1,000で金、2,000でダイヤバッジが授与され、すでに9万人を超えるダイヤバッジホルダーが誕生しているのだとか。
どうやら、賢い会社はすでに、昇給や昇進に代わる『承認(相手の存在価値を認める)制度』を上手に機能させているようですね(^_-)-☆
こうした制度は、多少の手間こそかかりますが、導入に当たりたいしたお金もかからないので、一度試してみる価値があると思います。これらの事例を参考に、自社にも“褒め合う”社風があるか・・・今一度見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2012年12月14日(金)更新
メディアを活用したブランド化や集客のポイント
== 質 問 ==
テレビ・ラジオ・雑誌などメディア露出を活用して、ブランド化や集客につなげていくポイントとなることを教えてください。よろしくお願いします。
== 回 答 ==
メディアの特性を利用して、地方の小さな媒体から仕掛け、だんだんメジャーな媒体へと展開していくのが良いと思います。また自社で発行する紙媒体やネット媒体があれば、それをフォローしていくとより効果的だと思います。
== 解 説 ==
メディアの特性を考えると、いきなり全国ネットのTV局など、メジャー媒体にアプローチするより、地元の新聞やラジオなど、マイナーな媒体でリリースして、少しずつ露出を拡大させた方が広がりは大きいと思います。
メディアの特性というのは、トーナメント制の試合みたいに、地方からのニュースが反響によって評価され、だんだんメジャーな媒体で取り上げられるようになり、最後は全国紙の紙面を飾ったり、全国ネットのTVで取り上げられるようになるという流れのことです。
この流れに沿ってメディア戦略を進めていった方が、全体としての露出時間が長くなるので、方法としてはおススメです(*^^)v
また、2つ目の特性は、メディアに取り上げられるのは宣伝ではなく、ニュース性のあるコンテンツだということです。
こちらはプレスリリースのような形で商品やサービスまたは企業の紹介をしたいと思うわけですが、メディア側からすると、それが一般大衆にとって有益であるか? 話題性があるか? 視聴率などが上がるか? などが問題になるということです。
3つ目の特性は、一度露出した内容はニ度三度と取り上げることは滅多に無い・・・というか、一度露出した内容は(メジャー媒体の場合は特にですが)二度と扱わないので、露出に失敗した場合にはチャンスは二度と訪れないということです。
以上を踏まえると、企業側ではどんな内容でメディアの関心を集めるかという戦略がとても大切になってくると思います。
なので、できればメディアに詳しい人も交えて、この内容で勝てるのか、どのタイミングで露出をすれば長い時間取り上げてもらえるのか・・・なども含めたプラン設計を真剣に立てることが必要だと思います。
また、露出後の反響も重要なので(一回の露出ではなかなか大きな波は起こせないと思いますので)、メディアに露出したことを、自社で発行する紙媒体や自社サイトなどでタイミングよく再告知することも重要です。
メディア戦略を練る場合は、その辺のことも考えて進めるといいと思います。ぜひ、計画的にチャレンジしてみてください(@^^)/~~~
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2012年12月07日(金)更新
「動ガール」が化粧品業界を席捲!?
なかでも、自分のメイクの技を撮影した動画は人気が高く、YouTubeなどで100万回近く再生される動画もあるそうですが、ここに目を付けて『みんなのメイク』という、メイク動画の投稿に特化したサイトをオープンする会社まで現れました。
今年(2012年)3月1日にオープンしたこのサイトの運営会社を調べてみたら、「スタイリングライフ・ホールディングス」という、輸入生活雑貨小売、化粧品、医薬部外品等の開発・製造・販売、マキシムド・パリなどの飲食店経営等を手掛ける会社でした。
今、このサイトには全国の動ガールたちが集まってきているようですが、そうなると化粧品メーカーも黙ってはいられません。レブロンをはじめとした有名化粧品メーカーが、動ガールとのタイアップを始めているのです。そのおかげで、動画の投稿だけで食べていけるようになった動ガールも出現するほどです(@_@。
いかにも“今っぽい”展開ですよねぇ~!! 歌やダンスはもちろん、ペーパークラフトやパラパラ漫画などなど…才能や技術を持った個人が、企業あるいは社会から簡単に発掘されやすい世の中になったということです。
これまで化粧品メーカーの広告戦略といえば、多額の広告宣伝費を投じて、一流のモデルさんや女優さんを起用してきたわけですが、それはそれとして、まったくの素人さんとも繋がりはじめ、そこから実利を生んでいる点は、とってもおもしろい現象に見えます(*^_^*)
今後は、他の業界でも同じような現象が起きてくるんじゃないかと思いますが、それにしても賢いのは「みんなのメイク」という秀逸なコミュニティをつくった会社ですよね。
これからの時代、宣伝はもちろん、マーケティングに「動画」を使わない手はありません。この事例を参考に、自社にも打てる手はないか、楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
・・・それにしても、昔の女の子は、「人前でメイクするなんてハシタナイ!」と親に怒られていたものですが(笑)、自分がすっぴんから美女に変身していく姿を、堂々と世界へ向けて発信するなんて、なんともすごい時代になったもんです。
今の時代、「メイクの技術の高さ」は、友達から尊敬されるひとつのファクターみたいで、すっぴんとの落差が大きければ大きいほど、その尊敬度合も高いのだそうです(-“-) こうした女性たちのメンタリティの変化も、経営者としては、ぜひおさえておきたいものですね(*^^)v
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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