石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2013年04月26日(金)更新
メイドインジャパンのスウェットに海外から熱い視線が!?
いつのまにか、新緑が美しい季節になりました。陽気がよくなると、無性にからだを動かしたくなるものですが、このところ、メイドインジャパンの高級スウェット「ループウィラー」が、海外からの熱い視線を集めているのをご存じでしょうか?

仕掛人は、もともと大手アパレルの下請け業だった「ミスズ」の鈴木諭社長。取引のあった和歌山県の工場に「つり編み機」が世界で唯一現存することに着目し、「いいチームを組めば世界No.1の製品ができる」と1999年より同じく下請け3社に声をかけて“世界一のスウェット”の生産に乗り出したのです。
ご存じのように、アパレル業界を取り巻く環境には厳しいものがあり、中国などへの生産シフトが進むなか、転廃業する協力会社も少なくありません。そんな悲しい状況を見るにつけ、「国内繊維産業の火を消してはならない」と勇気をもって立ち上がったわけです(^o^)/
もともと日本のメーカーには技術がありますから、高い志のもとにその技術力を結集すれば、従来の製品とは一線を画したものができ上がるはず。そんな努力の甲斐あって、2008年にはナイキとのコラボ商品も誕生しています。なんでも、ナイキ米本社のデザイナーが、ものづくりの姿勢に共感してのことだそうですよ。
ところで、先の「つり編み機」1台が1時間に生産できるのはわずか1m。高速のシンカー編み機だと1時間に24m以上生産できるそうですから、生産効率だけみれば“非効率極まりない”わけですが、円錐の糸のかたまりから負荷をかけずに給糸し、ゆっくりと空気を取り込んで編み上げたスウェット生地は、何度洗ってもふんわりした肌触りを保てるんだそうです。
今年(2013年)ブランド設立80周年を迎えるラコステは、そのスウェット素材を使ったドレスの記念発売を決めました。仏ラコステ本社が定めるコラボのハードルをクリアした日本のメーカーは、過去にコムデギャルソンしかないと聞くと、ちょっと感動的ですよね(*^_^*)
東京・千駄ヶ谷にある「ループウィラー直営店」で、外国人旅行客の姿を見かけることは珍しくないようですし、そればかりかこの製品に魅了され、同社で働き始めた外国人もいると聞きます。
低価格商品が増えるなか、ジッパー付パーカが15,750円~という価格帯ですから、製品の良さを「どう伝えるか」がキーになってくるはずですが、海外での評価が高まれば、それに刺激されて国内消費も増える可能性があります。
いずれにしても、日本の技術力を守るモデルとして、同社の姿勢は高く評価すべきだと思います。よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2013年04月19日(金)更新
メディアに踊らされない経営者の判断力
== 質 問 ==
世の中を賑わせている消費税の増税について、先生はどう思われていますか?
== 回 答 ==
消費税の件もそうですが、世の中やメディアの情報はかなり偏っているので、物事を考えたり判断する場合は、必ずその背景を知ってから・・・という習慣を持った方がいいと思います。
== 解 説 ==
消費税増税については、今かなりホットな話題ですよね。不動産や住宅関連など、業界によっては駆け込み需要の動きが相当あるので、関心は今後もっと高まると思います。
こういう話題やメディアで気になった情報について考えるときには、まず何をすべきかというと、その話題を取り巻く背景等も含めてしっかり情報を集めてから考えることだと思っています。
たとえば、消費税ってそもそもどんな税制か? 狙いは何か? いつどこで出来たのか? 成功例は?・・・などを一人の偏った意見ではなく、できれば専門家も含めて複数意見をニュートラルに聞いてみる、探してみる、あたってみる、という姿勢が重要だと思います。
これが、あなたが経営者であればなおさらで、経営判断を伴う項目で「○○について考える」時に、簡単に知人の考えを聞いて決めるというのでは、かなり問題だということです(ーー;)
また、ネットやメディアの情報をそのまま受け取るのも結構危険です。メディアはある項目について取り上げるときに「この案件をどう取り上げたら視聴率が上がるか? 雑誌の購買が伸びるか? そうなるように大衆を煽れるか?」・・・などを意識的・無意識的に考えてしまうという性質を常に持っています。
・・・大物タレントなどが離婚するときに、しょうがない状況と擁護するか? これはひどい、人間じゃないと中傷するかは、大衆がどっちを望んでいるかなどで微妙に変わってしまうということです(ーー;)
理由は、メディアは公的なものであると同時に、広告宣伝をたくさん取って収益を上げないと成り立たないという立場でもあるからです。
消費税の話に戻ると、消費税の発祥はフランスで、フランスといえば、凱旋門、ルーブル美術館・・・などというように、世界一の観光大国で、フランスの人口6,544万人に対して年間7,680万人(2010年時データより)とすごい数の観光客が訪れるのです。
国民から税金を取るよりも、この世界中から集まる観光客に税金を払わせようと考えたのが最初のようです。(・・・・頭いいですよね~フランス人、恐るべしです(*^_^*))
なので、大衆向けのスーパーなどでは、食品に消費税がかからないなど調整しているようです。
日本も今後は観光に向かっていかざるを得ない状況なので、もし国が政策としてこういう方向に向かうのであればとってもいいと思いますが、消費税ひとつとっても、そもそもこういう情報がメディアにぜんぜん載っていない、TVでも話さないで、「消費税、消費税」って叫んでいる現状をよく見るべきですよね。
「何かについて考える時には、背景をよく理解する」ぜひ、こうした習慣を持つようにしてみてください(@^^)/~~~
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
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2013年04月12日(金)更新
商品は「大きく」すると人が集まり、「小さく」すると話題が集まる

正解は! スマホやタブレット画面の“お掃除ロボット”。先月(2013年3月27日)タカラトミーから発売された商品で、電源を入れるとタブレットなどの液晶画面上を自動で動きながら、内蔵された不織布(取り替え可能)が指紋などの汚れを拭き取ってくれるという、直径7cmの小型ロボットなんです。
気になる価格は1,575円。単三電池1本を入れると連続で約3時間使用でき、スマホなら約4分、タブレット端末なら約8分かけて自動でお掃除してくれるんです。説明では「スマホなどから落下しないよう、画面の端まで移動すると自動的に方向転換できる機能付き」となっていますが、うちのスタッフが使ってみたら、たまにコテンと落下したりもするそうで、そこがまたカワイイなんて言ってました(笑)。
多くの方がもうお気づきでしょうが、これって人気の「ルンバ」など、自動床掃除用ロボットの小型版ですよね(*^_^*) じつは「サイズを変える」は、人気商品をつくる上でのテッパン手法なのですが、大きくするか、小さくするか・・・それを思い切ったスケールで実現するのがポイントです。
大きくした例でわかりやすいのが、お台場のガンダム。まぁ実際には「原寸大」なわけですが、日頃「ガンプラ」を見慣れていると、18メートルは衝撃の大きさで、ガンダムファンならずとも、そばに行くとそのカッコよさにすっかり魅了されてしまいます。こんなふうに「大きくする」と、人を集める効果はバツグンなわけですね(*^^)v
反対にこのお掃除ロボットのように、「小さく」すると、とたんにカワイイ!商品になります。今や「カワイイ」は世界中で通じる日本語ですが、とくに若い女性の場合「カワイイ」ものを見つけたら友達に教えずにはいられませんから、「小さくする⇒かわいくなる⇒みんなが話題にする⇒ヒットする!」という好循環が生まれやすくなるのです。
ものづくりにおいて、「小型化」は日本がもっとも得意とする分野ですが、ここにデフォルメの手法なども駆使してかわいさが加われば、もはや海外マーケットにおいても“向かうところ敵なし”ではないでしょうか?
以前私のブログでも「分ける」という発想について触れたことがありますが、これから1週間、「大きくする」「小さくする」をテーマに、できるだけたくさんのアイデアを出してみてはいかがでしょうか? 楽しく訓練を続けることで、“アイデアを出す力”が、どんどん磨かれていくはずです(@^^)/~~~
2013年04月05日(金)更新
ある社員の悩み…「社長が一担当となって動き回っていることに不安を感じます」
あなたなら、この質問にどうお答えになるでしょうか? ・・・ぜひ一緒に考えてみてください(*^^)v
== 質 問 ==
以前石原先生がお話されていた「事業責任者と経営者を分ける」ということに関連するのですが、弊社はまだまだ社長の経験と人脈に依るところが大きいため、社長が一担当となって動き回り、引き継ぐ者がほとんど育っていないことが先の不安となっています。
一人一人が抱える仕事量から、厳しいと思いますが、将来に向けた取り組みも必要かと・・・何か案はございますか?
== 回 答 ==
これ以上の新規の顧客をとらないで・・・あるいは減らして、教育や採用に注力し、引き継ぎの方法を考えるべきです。それが不可能だと判断したら最小単位で経営する形に会社をシフトするか、別の仕事を選択するのが良いと思います。
== 解 説 ==
経営者としては、現状売り上げが上がっているのでなかなか将来の経営状況に思考が回らないのだと思いますが、経営的に考えて今の状況はかなり危険な状態だと早く理解することが必要です。
理由は、目先の顧客に目を奪われてしまって、将来に対してまったく対処出来ていないからです。こんな状況にも関わらず「そこそこ売上げが上がっているので我が社は結構安泰だ!」などと、もし経営者の方が考えているとしたら、非常に危険だと思います。
この状況で何をしないといけないかというと、新規の仕事をとらないで、人を採用、教育し、今の仕事を組織化していくことが可能なのかということを早く検証することです。状況によっては、売り上げを落としてでも、教育等に時間を割かないといけない場合もあると思います。
中小企業の場合、経営者が仕事が出来てもその仕事を部下に引き継ごうと思った時にスキルや人材レベルの問題で難しいということはよく起こります。引き継ぎ可能な人材レベルを考えると給与とのバランスで難しいなどという問題がでてきてしまうからです。
また、仕事そのものがとても属人的な場合には、そもそも組織化は不可能という場合もあるのです。で、あるなら社長の仕事レベルを求めないで、普通の人でも出来るレベルに仕事の質を落として値段を下げた場合に顧客が納得するかなども、考えないといけないわけです。
もっというと、引き継ぎが不可能と分かった時には、会社を大きくしないで経営するか、組織化が可能な別の仕事を創造するということも必要になってくるからです。
企業経営で大切なのは、現状よりも将来のあるべき姿です。目先の利益に動かされないで、早く将来のための一歩を踏み出すようにしてください。
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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