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2015年07月24日(金)更新

経営判断に「好き嫌い」の要素を入れるべきか

関東地方は梅雨明け以降、連日の猛暑で、早くも「暑さ疲れ」を覚えている方も多いと思います。この季節はなかなか思考が深まらないかもしれませんが、今回はちょっと面白い質問を用意しましたので、ぜひ一緒に深~く考えてみてください(*^^)v
 
== 質 問 ==
 
唐突な質問ですが、「好き嫌い」の要素を経営判断の中にどれくらい加味すればよいのか悩む場面の多い私です。商材の選択(好きじゃないけど儲かりそうとか)、付き合う人の選択(嫌なヤツだけど優秀だとか)の基準に「好き嫌い」は入れるべきか、入れないべきか・・・石原先生のお考えを教えてください。
 
== 回 答 ==
 
規模感や経営状態によって“経営に好き嫌いを入れるか入れないかの判断”は違いますが、成長を考えるのであれば“嫌い”なことや人も許容できるようになるのが良いと思います。
 
 
== 解 説 ==
 
これは、コンサルティングをしている時に良くされる質問ですから、最初に“経営に好き嫌いを入れて良いかどうか?”についてから回答したいと思いますが、これに関しては“厳密には正しい答えは無い”というのが私の回答であり見解です。
 
企業の目的は顧客の利益を考えることはもちろんですが、株主や投資家に最大の価値を返すために、また社員のためにも、投資対効果を追求するものなので、たとえ嫌いな商材や人についても儲かるモノやコトは扱ったりやった方が良いわけですが、私は会社がかなり儲かっていれば嫌いな仕事を敢えてしなくても許されるというのも十分ありだと思います(p_-)
 
また、企業によっては嫌いなことをしなかったからこそ、それがブランドになったり、またそれがビジネスモデルになったりして成功している場合もあるので、そういう会社にとっては“好き嫌いこそが経営の要”というケースもありますよね。
 
ちなみに、こういう“嫌いなことはしない系”の会社やビジネスモデルは話題になったり中小企業の理想や見本と言われたりすることもありますが、それも言い過ぎという感じがします(─_─)!!
 
“経営に好き嫌いを入れて良いかどうか”という判断は、企業の規模によってもかなり変わってきて、規模の小さい中小企業の場合だと、嫌いなことはやらないと決めてしまった方が、社内が団結して良い結果を残すことが多いですが、規模が大きくなり顧客の数も多くなってくると、好き嫌いを実行に移すと社会問題とかにもなりかねません(-_-;)
 
と、ざっと書いただけでも答えはまちまちになってしまいますので“経営に好き嫌いを入れて良いかについても答えは無い”というのが私の回答ですが、私的な意見を言わせてもらうと、好き嫌いを言っても大丈夫なほど経営状況を良くすれば、誰にも文句を言われなくなるので、経営をスタートさせたら、まず目指すべきはそんな会社と考えた方が良いと思っています。
 
それにしても、この質問、かなり面白い質問ですよね(#^^#) というか、かなり経営センスのある方の質問と思いますので、楽しく回答したいと思います。
 
もちろん、好きなことや簡単なことだけで成功すればそれに越したことはありませんが、ピンチがチャンス、チャンスがピンチという言葉がある通り、あまり良いことが続くと実力が付かないとか、いざという時や切羽詰まった時に“何も出来ない人や会社”になってしまう可能性があるので、簡単なことや好きなことばかりで経営することはあまりお勧めしません。
 
一年中暖かな赤道あたりの地域と違って、夏の暑さや冬の寒さ、四季折々の季節の変化が綺麗な日本の風景を作るように、人も会社も、たまには苦労する相手と対峙して身も心も擦り減ったり、どんなに頭を使っても解決できないくらいの問題に直面する方が良いと思います。
 
なので、儲かるけれど扱いたくない商材も稀には扱った方が良いし、優秀だけど性格的に合わない相手ともガチンコでビジネスをする機会を持った方が会社も人も良いと思います。
 
では、どれくらいの比率かというと(すごく私的な感覚ですが)全体の10%~20%くらいの比率で、人も会社も不自由な状況を作るのが成長のためには良いのではないかと思います。
 
私が企業のコンサルをする場合でもこの辺は意識していて、新規売上げがマーケティングで完全に回ってしまう会社の場合でも、わざと営業チームを残しておくとか、外注すれば簡単に済んでしまう仕事を外注しないで新人にさせるなどの指導をしています。
 
人も会社も、不自由を感じることが返って成長のチャンスになるということなので、比率を考えて取り入れれば、好き嫌いのキライが成長の糧になると考えてみてください(@^^)/~~~
 
 
私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
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2015年07月10日(金)更新

クラウドファンディングの活用法を考える

今年の梅雨は本当によく降りますが、今日の東京は久しぶりの晴天! なんだか気持ちも晴れやかになりますね。そんな中、ちょっとおもしろい質問が届いたので、お答えしてみました。あなたなら、どうお考えになりますか?
 
== 質 問 ==
 
最近、新しく協会を立ち上げ、資金調達の方法としてクラウドファンディングを利用しています。ぜひ、効果的なCFの活用方法を教えてください。よろしくお願いいたします。
 
== 回 答 ==
 
クラウドファンディングという手法は新しいですが、マーケティングのセオリーなどは何ら変わらないので、起こっていることをしっかり観察すれば、成果につながると思います。
 
== 解 説 ==
 
クラウドファンディングに関する質問は今回が初めてですね(^.^)
 
時代がまたまた変わってきたということですが、ツールや手法が変わったからといって、人間の思考や行動が変わるわけではないので“そんなに焦ることはないですよ!”というのが今回の回答の肝ですね(*^^)v
 
確かにCF(って言うんですね(#^.^#))という手法は資金集めの方法としては新しいモノですが、マーケティング的に考えると商品提供者と顧客という関係は、資金を集める側とお金を提供する側という関係で成り立つわけですから、ビジネス的には何ら新しいわけではありませんよね。
 
なおかつ、他にもたくさんのCFがありかなりの効果で成立したり、あまり効果を上げていないという現実がたくさんあるわけですから、顧客の動向を探ることもかなり容易にできる環境がすでにあるということです。
 
マーケティングを行う上での鉄則は現状のリサーチなわけですから、こんなに分かり易く調べやすい(・・・CFのスタンドがあり、調査してくれと言わんばかりにいろいろなケースが並んでいるわけですからね)状況もあるので、まずはじっくりCF上の顧客の動向をリサーチするのが良いと思います。
 
というのも、おそらくCFに投資(出資)する方は一か所だけでは無く、複数にお金を出すケースが多いと思うので、たくさん出資を集めている事業体の出資者に対する投げ掛けや資料の作り方、情報の見せ方などをリサーチすれば、そこに集まる顧客の思考や行動の理由、方向性が見えてくるはずです。
 
なおかつ、CFのスタンドには毎日一定数の閲覧者があるわけですから、週一で告知の方法を変えるなどしてトライ&エラーを繰り返せる土壌もすでにあるわけですよね。
 
これってまさにマーケティングしてくれって感じで環境が整っているということです。
 
ということで、手法は新しくても、マーケティングの法則などは変わりませんから、冷静になって取り組んでいただければいいと思います。よかったら、参考にしてください(@^^)/~~~
 
 
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2015年07月06日(月)更新

「ニパ子」がけん引するプラモデル専用ニッパー市場

最近、こんなキャラクターが人気だって聞いて、ちょっとびっくりしたんですが・・・
 



 
↑コレ、「ニパ子」というキャラクターなんですが、ゴッドハンドという会社が販売するプラモデル専用ニッパー「アルティメットニッパー」の公式応援キャラクターなんです。
 
ちなみに、アルティメットは「究極」という意味で、今や100円ショップでもニッパーが買える時代に3,000円前後もする高級ニッパーなんですが・・・“モデラー” や“プロモデラー”の間では、知らない人はいないみたいですよ(*^^)v
 
ちなみに、“モデラー”とはプラモデルなどの模型製作を趣味とする人のことで、趣味が高じて“プロ”となり、有名になっていく人たちも少なくないんです。
 
話を戻しますが、この「アルティメットニッパー」は、株式会社ツノダという新潟県燕市の作業工具メーカーのご子息が5年前に立ち上げた「ゴッドハンド株式会社」が販売している製品。会社設立にあたり、製品を広く告知するためには、どうしても「強烈なキャラクター」が必要だったのでしょう。
 
なんと! 新生ニパ子には、あの「ケロロ軍曹」など、数々の作画監督を手がけられたアニメーター小池智史氏を起用しているというのです(@_@) このあたりに、会社の本気度が伺えますよね。
 
プロダクトアウトの発想だと、どうしても「ニッパーの市場価格がこうだから…」という値決めをしてしまいがちですが、顧客ニーズを十分満たし、他で手に入らないものであれば、喜んでお金を出してくれるお客さんは必ずいるのです! 日本にいなければ、海外で探すのもアリですしね。
 
何も「キャラクターを作れ」という話ではありませんが、これぞ、中小企業の目指す道だと思いませんか? この事例を参考に、楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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