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「グランドピアニスト」の新たな展開

投稿日時:2008/04/18(金) 11:39rss

玩具メーカーのセガトイズが昨年発売した「グランドピアニスト」という商品をご存知でしょうか?

以前、私のブログでも取り上げたのですが、価格も49,350円と“玩具”の域を超えたものであるにもかかわらず、日経MJのヒット商品番付にランクインするなど、今や同社の主力商品のひとつになっていることは間違いありません。


グランドピアニスト

その「グランドピアニスト」が、ここへ来て“新展開”を見せているようなので、ちょっと注目しているのですが、まず、販路を「CD・音楽ショップ」にまで拡げ、その上で「専用カートリッジ」の販売に乗り出したのです(^^♪
「グランドピアニスト」は、従来の玩具ルートの販売実績でも、50歳代以上の購入が目立っていたようで、同世代の来店が見込めるCD・音楽ショップを新たに開拓することで、売り上げアップ狙った戦略です。

また、専用の音楽ソフトの発売にあたっては、カートリッジのパッケージをCDに似せるなどの工夫をし、各ショップでグランドピアニスト本体と、CD、専用カートリッジを1カ所に集めて売り場を作り込めるように配慮したと言います。

さらに、店舗に対して、展示用の本体を貸し出すなど、積極的に売り場作りを支援していくことで、取扱店を、年内には現在の5倍の100店舗にまで増やすと意気込んでいるようですよ。

この販路拡大に併せて、同商品に内蔵されている100曲のほかにも、追加で「専用カートリッジ」を買えば、自分の好みの曲が楽しめる…という展開を始めわけですが、第一弾として発売した「~彩~ いろどりシリーズ」は、石原裕次郎、松任谷由美、山口百恵、ザ・ビートルズの4種類で、それぞれ10~12曲収録されていて、価格は3,990円です。

このアーティストの選び方だけを見ても、完全に「50歳以上」をメインターゲットに据えたことがわかります。今後の少子化傾向を考えると、いつまでも玩具メーカーが「子ども」ばかりを追いかけていて、先行きが明るいわけがありません。

しかし、企業にとっては、そのメイン顧客層を変えたり、ましてや販路まで変えるとなれば、それ相当の覚悟が必要なはずです。

同社の場合、この勇気ある決断の影には、発売当初に欠品を起こしたことが響き、当初掲げていた「年間10万台」の目標に対し、結局昨年末時点で3万6千台の実績にとどまってしまった…なんて事情もあるみたいですが、それはともかく、この経営戦略にはわれわれも見習うべきことが多いように思います。

商品を売るべき場所は決してひとつではありません。業界の常識にとらわれることなく、ぜひ柔軟な発想で、自社の流通ルートをシビアに見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明 氏

経営コンサルタント。日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社代表取締役。

現在、「成功哲学」「売れるしくみづくり」「成長のための組織づくり」「プロ経営者の育成」などをテーマに中小企業から大手企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する『高収益トップ3%倶楽部』には全国延べ3,500社が参加。

2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』や独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は年間ダウンロード回数が650万回を超えている。主な著書に『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)や『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(サンマーク出版)、『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、<三人称>で考える。』(アスペクト)、 『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』(中経出版)などがある。

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