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ある社員の悩み…「社長が一担当となって動き回っていることに不安を感じます」

投稿日時:2013/04/05(金) 11:00rss

新年度を迎え、社内外に新しい風が吹いてきた会社も多いと思います。そんな中、とある企業の優秀な社員の方から、相談を受けました。「一担当となり、動き回る社長が心配だ」と言うのです(―_―)!!
 
あなたなら、この質問にどうお答えになるでしょうか? ・・・ぜひ一緒に考えてみてください(*^^)v
 
== 質 問 ==
 
以前石原先生がお話されていた「事業責任者と経営者を分ける」ということに関連するのですが、弊社はまだまだ社長の経験と人脈に依るところが大きいため、社長が一担当となって動き回り、引き継ぐ者がほとんど育っていないことが先の不安となっています。
 
一人一人が抱える仕事量から、厳しいと思いますが、将来に向けた取り組みも必要かと・・・何か案はございますか?
 
== 回 答 ==
 
これ以上の新規の顧客をとらないで・・・あるいは減らして、教育や採用に注力し、引き継ぎの方法を考えるべきです。それが不可能だと判断したら最小単位で経営する形に会社をシフトするか、別の仕事を選択するのが良いと思います。
 
== 解 説 ==
 
経営者としては、現状売り上げが上がっているのでなかなか将来の経営状況に思考が回らないのだと思いますが、経営的に考えて今の状況はかなり危険な状態だと早く理解することが必要です。
 
理由は、目先の顧客に目を奪われてしまって、将来に対してまったく対処出来ていないからです。こんな状況にも関わらず「そこそこ売上げが上がっているので我が社は結構安泰だ!」などと、もし経営者の方が考えているとしたら、非常に危険だと思います。
 
この状況で何をしないといけないかというと、新規の仕事をとらないで、人を採用、教育し、今の仕事を組織化していくことが可能なのかということを早く検証することです。状況によっては、売り上げを落としてでも、教育等に時間を割かないといけない場合もあると思います。
 
中小企業の場合、経営者が仕事が出来てもその仕事を部下に引き継ごうと思った時にスキルや人材レベルの問題で難しいということはよく起こります。引き継ぎ可能な人材レベルを考えると給与とのバランスで難しいなどという問題がでてきてしまうからです。
 
また、仕事そのものがとても属人的な場合には、そもそも組織化は不可能という場合もあるのです。で、あるなら社長の仕事レベルを求めないで、普通の人でも出来るレベルに仕事の質を落として値段を下げた場合に顧客が納得するかなども、考えないといけないわけです。
 
もっというと、引き継ぎが不可能と分かった時には、会社を大きくしないで経営するか、組織化が可能な別の仕事を創造するということも必要になってくるからです。
 
企業経営で大切なのは、現状よりも将来のあるべき姿です。目先の利益に動かされないで、早く将来のための一歩を踏み出すようにしてください。
 
 
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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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