石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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『ぴあ』首都圏版の休刊とマーケットの変化
先日、ちょっとさみしいニュースを目にしました。あの『ぴあ』の首都圏版が、ついにこの7月(2011年7月21日発売号)で休刊するというのです(――;)
すでに昨年6月には中部版が、同10月には関西版が休刊しており、首都圏版が休刊すれば、39年の歴史を持つ情報誌『ぴあ』すべてが休刊することになります。
ちなみに上の画像は、1972年の『ぴあ』創刊号の表紙です。『ぴあ』は、当時まだ学生だった矢内廣社長らが創った、画期的なエンタメ情報誌でした。
インターネットなどまだない時代には、この『ぴあ』を頼りに、見たいライブや劇団のチケット発売日には、徹夜をしてプレイガイドへ並んだり、何度もリダイヤルしながら必死で電話予約をしたり・・・チケットをゲットするにも、たいそうな“努力”が必要だったのです。
また、『ぴあ』がオススメするマニアックな劇団などを、だまされたつもりで観てみたら結構面白かった、なんて経験をした人も多かったと思います。アングラ劇団などは、ある意味『ぴあ』が育てたと言えるかもしれません。
当時の学生にとって、『ぴあ』はデートのためのバイブルであり、若者文化の象徴であり、単なる雑誌を超えた“特別な”存在だったのです。その結果、『ぴあ』は就職したい企業ランキングに名を連ねる人気企業にもなりました。
月刊誌として誕生した『ぴあ』は、まもなくあの独特の表紙イラストを及川正通氏が描くようになってからますます人気が高まり、発行サイクルも隔週刊へ。一時は53万部まで部数を伸ばし、やがて首都圏版は週刊誌となります。
しかし、インターネットの登場で時代が変わったのです。ネットで情報が得られ、しかもチケット予約も簡単にできるようになったことから、最近の発行部数は、約6万部まで落ち込んでいたようですね。
もちろん同社も「@ぴあ」というネット事業も展開していますが、一時代を築いたある種のプライドのようなものが、媒体の移行に歯止めをかけたように見えます。
よく「世代間ギャップ」などと言いますが、私たち世代にとってはこれだけ思い入れの深い『ぴあ』でも、若い世代に「ぴあ、読んでる?」なんて聞こうものなら、「はっ?何のことですか??」なんて言われるのがオチです。
マーケットにおいては、たとえどんなに人気があるモノでも、ある年代で“ブツッ”と切れる、という現象はよく起こります。
そう考えると、企業は売れている商品があるうちから、第二・第三の選択肢を持って、対策を立てておかないとならないことがよくわかります。しかし、一世を風靡するような人気商品を持ってしまった企業は、得てして「次の一手」が遅れてしまうものなのです。
『ぴあ』休刊のニュースを見て、そんなことを考えてしまいました。「人の振り見て・・・」じゃないですが、経営者として肝に銘じたいものです(@^^)/~~~
すでに昨年6月には中部版が、同10月には関西版が休刊しており、首都圏版が休刊すれば、39年の歴史を持つ情報誌『ぴあ』すべてが休刊することになります。
ちなみに上の画像は、1972年の『ぴあ』創刊号の表紙です。『ぴあ』は、当時まだ学生だった矢内廣社長らが創った、画期的なエンタメ情報誌でした。
インターネットなどまだない時代には、この『ぴあ』を頼りに、見たいライブや劇団のチケット発売日には、徹夜をしてプレイガイドへ並んだり、何度もリダイヤルしながら必死で電話予約をしたり・・・チケットをゲットするにも、たいそうな“努力”が必要だったのです。
また、『ぴあ』がオススメするマニアックな劇団などを、だまされたつもりで観てみたら結構面白かった、なんて経験をした人も多かったと思います。アングラ劇団などは、ある意味『ぴあ』が育てたと言えるかもしれません。
当時の学生にとって、『ぴあ』はデートのためのバイブルであり、若者文化の象徴であり、単なる雑誌を超えた“特別な”存在だったのです。その結果、『ぴあ』は就職したい企業ランキングに名を連ねる人気企業にもなりました。
月刊誌として誕生した『ぴあ』は、まもなくあの独特の表紙イラストを及川正通氏が描くようになってからますます人気が高まり、発行サイクルも隔週刊へ。一時は53万部まで部数を伸ばし、やがて首都圏版は週刊誌となります。
しかし、インターネットの登場で時代が変わったのです。ネットで情報が得られ、しかもチケット予約も簡単にできるようになったことから、最近の発行部数は、約6万部まで落ち込んでいたようですね。
もちろん同社も「@ぴあ」というネット事業も展開していますが、一時代を築いたある種のプライドのようなものが、媒体の移行に歯止めをかけたように見えます。
よく「世代間ギャップ」などと言いますが、私たち世代にとってはこれだけ思い入れの深い『ぴあ』でも、若い世代に「ぴあ、読んでる?」なんて聞こうものなら、「はっ?何のことですか??」なんて言われるのがオチです。
マーケットにおいては、たとえどんなに人気があるモノでも、ある年代で“ブツッ”と切れる、という現象はよく起こります。
そう考えると、企業は売れている商品があるうちから、第二・第三の選択肢を持って、対策を立てておかないとならないことがよくわかります。しかし、一世を風靡するような人気商品を持ってしまった企業は、得てして「次の一手」が遅れてしまうものなのです。
『ぴあ』休刊のニュースを見て、そんなことを考えてしまいました。「人の振り見て・・・」じゃないですが、経営者として肝に銘じたいものです(@^^)/~~~
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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