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賃貸なのに好きな壁紙が選べる!? 技術の進歩と発想の転換

投稿日時:2012/09/14(金) 09:30rss

テレビCMも放映されているので、すでにお気づきの方も多いと思いますが、このところ契約者が自分の好みにカスタマイズできる賃貸物件が増えているようです。
 
レオパレス21の『マイコレプラン』もそのひとつですが、契約時に全60種類の壁紙から自分の好みのものを貼ってもらえる上に、この壁に限っては、棚を取り付けたり、画鋲やテープはもとより、ステッカーや落書きも自由自在だというのです(@_@。
 


 
 
最近の若者たちは特に「自分だけの空間」に価値を感じることから、このプランはことのほか好調で、以前は空室が目立っていた中古物件が、今や40人待ちといった物件まで出てきているようですよ。
 
また、自分好みにカスタマイズした部屋には愛着が湧きますから、更新率の伸びも期待できるのだとか。その上、退去時に原状復帰の義務はなく、そのまま出られるというのも、ウケている理由のひとつです。
 
しかし、カスタマイズにかかる費用分、物件オーナーの利益が減るのでは…とちょっと心配になってしまいますが、それを助けてくれるのが、壁紙の進化なのです。近年、特殊な接着剤が開発されていて、貼ってある間はしっかりと粘着性が保たれているのに、剥がず時には跡を残さずキレイに剥がれる壁紙もあるんだそうです。
 
また、実状から言えば、ワンルームの壁紙のリフォーム代だったら、2年契約で家賃を1割程度アップすれば、十分回収できるのだとか。「壁紙カスタマイズ」の物件だったら、少し割高にしても入居希望者は集まりそうですよね(*^^)v
 
しかも、よくよく考えれば、前の契約者が出ていったら、どっちみち壁紙は取り替えるのでしょうから、そのタイミングを少しずらしただけとも言えます。
 
どのみちやらなくてはいけないことに対して、「カスタマイズ」という付加価値を持たせたことで、契約者が喜び、物件の価値も上がり、結果、物件オーナーも喜ぶことになるわけです。このプランなら、中古物件が新築に負けずとも劣らぬ価値を持つ可能性もあります。
 
これはほんの一例ですが、世の中にはこれに似た現象がたくさんあるように思います。様々な分野での技術進歩は目覚ましいですから、以前は高かったものが、今や意外なほど安い値段になっている場合もありますよね。
 
経営者の情報感度さえ高ければ、いち早くそんな技術や商品を探し出し、自社のお客さんに「付加価値サービス」として提供できるかもしれません。競争が激化する昨今、他社との差別化を図るためには、経営者にこうした視点こそが必要なのです。
 
さらに、「退去時の原状復帰は当たり前」といった業界の常識や慣習を捨て去ることで、新たなマーケットを開拓できる可能性もあるわけです。この事例を参考に、自社にももっと打つべき手はないか、楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~


ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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