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新規ビジネス優先すべきは「箱モノ」?それとも「人材」!?

投稿日時:2012/08/24(金) 13:30rss

お盆を過ぎてもまだまだ暑い日が続いていますが、この暑さの中で集中力を維持するのは、かなりの鍛錬がいりますよね(笑)。そんな中、今回はちょっとおもしろい質問が届いたので、取り上げてみることにしました。

 

質問を読んで、みなさんならどう回答するか・・・私の答えを読む前にご自分の回答をつくってみてはいかがでしょうか(^_-)-☆

 

== 質 問 ==
 
質問します。例えばコンサルティングのように人に帰属する新規ビジネスを始めるにあたって、コンサルタントがいない状態で箱モノだけつくり開業することについてどう考えますか? 上司からはとりあえず仕組みだけ作り、人材は後から探せば十分と言われており、困っています。もし開業して依頼が来た場合、何もできずに悪い評判が広がるだけのような気がしています。

 

人材を探すなり、育成するなりするほうが先だと思うのですが…。上司の考え方は経営者として一般的で、私の考え方が慎重すぎるのでしょうか。石原先生のお考えをお聞かせください。よろしくお願いします。

 

== 回 答 ==
 
経営的に考えて、上司の方の言うことは一概に間違ってはいません。また、あなたの考えも正しいのですが、どちらの言い分を重視したら良いかというと、この場合は上司の考え方に軍配が上がると思います。理由は、顧客と雇用ではどちらが動かしやすいか、変化させやすいかということですね。


== 解 説 ==
 
今回私が書いた「三人称」本のまさに見本となるような質問ですが、上司とあなたの問題解決にあたっての人称の高さ(=見ている広さ×時間軸)が違うということですね。

 

回答に書いたように、意見としてはどちらも正しい(あなたの考えも正しい)のですが、経営のリスクを考えた時に、人を雇用してしまうとその時点から費用が発生してしまうというリスクがあります。・・・これは、売れそうだからと営業を雇ったら、契約そのものがキャンセルになってしまう・・・などということも含みます。

 

また、進めているプロジェクトそのものを止めるということも、可能性としては無くは無いので、焦って人の手配をするということにはかなりリスクがあると思います。

 

なので、上司は売上げが確定してから人の手配をした方が良いと思っていると思いますが、その背景には、もちろん、人の手配も大事とは思っているが、顧客の方は最悪雇用が間に合わなかったら待ってもらえるとか、顧客を探すよりも、人を採用する方が楽だろうという算段があって判断しているということです。

 

これは、現状で、どちらが簡単に動くか、あるいは決めてしまったら動かせないかで考えて判断していると思います。そういう意味では、あなたの上司の判断は、良く分かる判断と言えると思います。

 

そんなことを言って「人の育成はどうするのか?」とか「信用の問題は?」と、いろいろ疑問を持つと思いますが、その辺の対応も「今回は半額で対応します」とか「タダでやります」というように、結構“動かせる”と考えていると思います。

 

もちろん、これは今のように雇用が簡単に決まりやすい時代背景の元での判断ですから、動かしやすいのが雇用ということで、こんな判断をしていると思います。

 

時代が雇用がほとんど激戦となってる状況であれば、この上司の方はきっと雇用を重視して良い人がいたら即採用となると思いますので、それも参考にしておいてくださいね。 
 


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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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