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リストラのタイミングを見極める

投稿日時:2011/12/02(金) 14:36rss

師走に入り、さすがに冷え込んできました。寒さが厳しくなると、人間なかなか発展的な思考がしづらくなるものです。今回、かなりシビアな質問が届きましたので、それにお答えしました。
 
リストラが、単なる人員削減に終わるか、それとも“発展への一手”となるかは、経営者の決断ひとつにかかっています。よかったら参考にしてください。
 
== 質 問 ==

売上げが落ちてきていますが、リストラのタイミングがわかりません。経営者として知らないといけない、基本的な考え方を教えてください。また、社員に対して、どのようなことを話したら良いのでしょうか?

== 回 答 ==

ほとんどの場合にリストラの基準となるのは、単月で赤字になってしまってそれが、すぐに改善できないという状況になった時です。優秀な経営者は、赤字になる前にそれを察知して、経営の改善を図ると思います。

== 解 説 ==

リストラに対する基本的な考え方は、単月で赤字になると想定された時に行うのが基本です。これまでの蓄えが充分ある場合などは稀ですが、経済社会におけるお金の意味は「精神や性格を支える要素」ということが多いので、赤字では健全な判断が出来なくなり、顧客満足や経営理念を全うすることができなくなります。
 
その結果もっと経営状態が悪くなり、最悪倒産や廃業という結果になってしまいます。なので、どこかでこのマイナスのサイクルをプラスのサイクルに変えないと、経営がもっと悪い方向に進んでしまうので、単月の収支が赤字化したタイミングで行うのが良いと思います。
 
借り入れなどをしている場合には、返済が健全に出来なくなるといった状況が起こるということは、単月で赤字化しているということなので、借り入れで返済している(生き延びている)ということではダメだということです。
 
経営者がリストラをするタイミングを逸すると、経営はいっきにマイナスに傾きます。そうすると、もっと多くの社員に影響が及ぶわけですから、大変ですが、決断は早くしたほうが良いということです。
 
また、この状況であれば、リストラも退職の勧告をするということではなく、全体の給与を減らすという提案などもできるので、とにかく早く単月黒字を目指したリストラの動きを始めた方が良いと思います。
 
この方法を薦めるのは、通常だとこういう提案をすると会社に対して愛着をそんなに持っていない方や、もともと不満のある方、経営者と合わないと感じている方が辞めるということも多いからです。
 
いずれにせよ、社員さんが会社を辞めるというのは苦しいことですが、会社そのものが無くなれば、今いる社員さんにも影響が及びます。決断は早めにすること、それが一番の経営判断です。
 

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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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