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低価格路線のアパレル企業は「O2O(オンラインtoオフライン)」で勝負せよ!~その3~

投稿日時:2018/05/17(木) 18:27rss

このところ2週にわたって、私の無料版ポッドキャスト『経営のヒント+(プラス)』に寄せられた質問にお答えしてきましたが、今回はいよいよ最終回です。
 
この「O2O(オンラインtoオフライン)」は、これからの時代のキーワードのひとつだと思っているので、ぜひ何度も読み返し、しっかりと理解してくださいね(*^^)v
 
== 質 問 ==
 
私はとあるアパレル企業におりますが、低価格戦略をとっている弊社のようなアパレル企業の今後の行く末は? また低価格戦略で、ユニクロやGUなどと勝負できる方法はあるか? について教えてください。
 
過去のポッドキャスト番組でも、ユニクロは一人勝ちで、他の同業者は悲惨な状態になるとおっしゃっていたことを記憶しています。
 
弊社社長の方針は「打倒ユニクロ、GU!」で、店の面構え、商品、価格と、かなりニアになってきています。しかし、企業規模が大人と赤ちゃんほどの差があり、現実的には全く勝負になっていないことを実感しています。石原先生がおっしゃるように低価格は1位の企業のみが勝ち、それ以外は悲惨な状態になるというお話に共感します。
 
富裕層ビジネスの企業へ転職しちゃったほうが良いよ!というシンプルな回答が一番適切だと思いますが、今、好きなように商売をやれている状況(売上実績もかなり上げています)に甘え、リスクを冒してまでも、、、という意識があるのも事実です。
 
しかし、今後のアパレル業界の未来は明るくないということも痛感しています。人の行動と心を動かすことに長けている石原先生の見解をぜひともご教示いただきたく、よろしくお願いいたします。
 
== 回 答 ==
 
リアル店舗の経営改善への解決策はあります。それは「O2O(オンラインtoオフライン)」の活用です。これが私の思う回答ですが、思考をしっかり入れ替えないと、なかなか分からないと思います。
 
== 解 説 ==
 
もし、今回からお読みになる方がいらしたら、まずは前々回前回を振り返るところから始めてくださいね。
(@^^)/~~~
 
洋服の業界は1強と言われる位にユニクロ、GUが強いわけで、他のリアル店舗が勝てる方法があるのか? という質問に対する私の答えは、「O2O(オンラインtoオフライン)」の活用がカギというものでした。
 
また、これまでの復習の意味で、「リアルの弱点とネットの弱点」を整理しておきたいと思います。リアルの弱点は“集客”でしたが、ネットの弱点は何かというと、それはズバリ“固定客ができない!”ことです(そして私はこの弱点は致命的なモノだと考えています!)。
 
なので、ネットでの顧客の囲い込み=顧客化・固定客化には、ポイントが使われています・・・が、他社もポイントを使うので、ポイントの乱発状態に陥り、結果ネット全体で利益がどんどん減ってしまっている状況が発生しているわけです。
 
ですから、アリババのジャック・マーさんが数年前に「ネットのみのショップは無くなる運命にある」と言いましたが、まったくその通りのことが起きると思います。
 
リアル店舗の弱点、ネットの弱点、それぞれ分かりましたか?
 
これ、ちょっと考えてみてください。ネットとリアル、それぞれの弱点を補完したら上手くいくと思いませんか?
 
私が「O2O(オンラインtoオフライン)」を活用すれば、一般の店舗でも、ユニクロ、GUに勝てると言っている理由はじつはここにあるわけなんですね(^_^)/
 
先日銀座で興味があったのでユニクロさんを覗いてみたんですが、「やっぱり!」という勝てる理由を再確認してきました。
ネットとリアル、それぞれの弱点を補完するというか、もっと分かりやすく言うと“強みを共有する”・・・ネットの強みである“集客”とリアルの強みである“顧客化”をリアル店舗が活用すれば、普通の店舗でもユニクロ、GUに勝てる・・・というか、収益を上げ利益を上げることができるということです。
 
ユニクロだけでなく、あの「無印良品」にも学べる点が多く、同社は既に、ネットで集客、店舗で接客して、大幅な売上げと利益増を達成しているんです。
 
いわゆる“無印パスポート”がそのサービスで、顧客は欲しい商品をネットから店舗での取り置き指定の依頼ができるようになっていて、無印側もその取り置きを奨励しているわけです。
 
理由は、顧客が来店した場合には、ネットで購入する金額の1.75倍購入する、その上、固定客化される確率が飛躍的に伸びるという結果が出ているからです。
 
なぜ、1.75倍売れるかというと、取り置きの商品を見に来たお客様が他のモノも“ついで買い”してくれるからだそうです。
 
そして、一度でもリアル店舗で接客して顏見知りになったお客様は、 お店のスタッフさんといろいろ話しながら買い物をする楽しみを思い出してくれるそうで、その後の来店数や購買回数や金額が確実に伸びていくそうです。
 
ということで、この事例を参考に、ぜひあなたも「O2O(オンラインtoオフライン)」を研究してみてください。
 
質問の方が店舗での売上げを上げているのは、リアル接客に強いからだと思いますが、その長所を更に強化するように、ネットからの集客や、一歩進んでネットでの接客からの店舗誘導なども取り入れる(それが「O2O」です)と、もっと業績が上がると思います。
 
ちなみに、銀座のユニクロに行ったらレジが自動化され始めていて、勝手に会計するシステムが始まっていました。これでは、顧客は接客を受けられない!・・・まさにチャンスだと思いませんか?! 長い回答でしたが、ぜひ、参考にしてくださいね(@^^)/~~~
 
 
私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 
 
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
 
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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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