石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
若手社員が辞めないために・・・
4月も半ばとなりましたが、新年度の滑り出しは順調でしょうか? 新入社員を迎えた会社も多いと思いますが、そんな中、「若手社員が毎年多く辞めてしまう」というお悩みをかかえた経営者から質問が届きました。
あなたの会社では、どんな工夫をされているでしょうか? よかったら、一緒に考えてみてください(#^^#)
== 質 問 ==
私の会社では、若い社員が毎年多く辞めています。特に仕事がきついわけでもないのに…ワンマン経営、経営者のビジョンが伝わりにくい…など原因は多くあると思いますが、何かいいアイデアはありますか?
== 回 答 ==
辞めて行った社員さんの本当の理由を確認しないと、改善は難しいと思います。こういう場合は、いろいろな方法で調査した方が良いと思います。
== 解 説 ==
前回の質問は“採用”今回は“退社”と人の問題が続きますが、会社経営をしていると絶対にこの“人”の問題は付いて回るモノなので、経営者としてはなんとか自社に合った良い方法を見つけたり、編み出さないといけないわけですね。
この質問の回答に入る前に“退社についての基礎知識”を少しお話しておきますが、それは“入社した人間の大半は辞める”という経営者としてはなんとも分かりたくない事実というか現実があり、それを理解しておかないと“経営者は精神が持たない”ということです。
これを裏付けするような事実を上げると、会社ってなかなか社員が100名を超えないんですよね・・・という話です。
会社が成長するにつれ、仕事が増えるのでどんどん社員を増やすのですが、入れた端からいろいろな理由で入った新人はもちろんですが既存社員も辞めたりするので、なかなか社員数100人を超えるのって難しく、私の顧問先で調査したら、累計入社員数が350人を超えてやっと社員数が100人となった会社がありました。
この会社の場合は350-100=250ですから、100人になるまでになんと250人が辞めているという計算になるわけですね(-_-;)
そしてこの数字はかなり良い方で、私の感覚だと、500人でやっと100人を超える位が標準なのではないかと思います(p_-)
こう書いていくと、質問された方も“なんだ自分だけが悪いわけじゃないじゃん”と感じられたと思いますが、人が退社することは“経営者からすると、自分が否定されたような感じになる”ために、かなりな精神的ダメージとなるので、入社して会社に残る人数よりも、辞める人数の方が圧倒的に多いのが会社というものだということが分かるということは、経営者にとって、とても重要な理解だということです。
では、どういう対策を講じないとならないかですが、こういった場合に最初に取る行動は、辞めて行った社員さんがどうして辞めたのかという理由を聞いたり、原因を調査することだと思います。
経営者であるあなたが直接聞いても、辞めた社員がなかなか本当の事を教えてくれないかもしれませんが、辞めて少し時間が経っている元社員さんに連絡して会ってもらって退社の理由を聞いてみることも一つの良い方法だと思います。
あなたが会うのが難しい元社員さんなら、採用や人材系あるいは調査系の会社にお願いして、会社を良くしたいのでという理由等で退職者にコンタクトして聞き出してもらうなども良い方法だと思います。
また、組織が大きい場合ならば、どの役職者の下に付いた社員が辞めているかなども実際に調査すると意外な事実が見えてくる場合も多いです。
以前、私の顧問先で、ある優秀な部長の下に付いた社員が厳しすぎるという理由で総勢30人も辞めていたという事実が判明したことがありました。
サンプルとして面白いと思ったので、その30人を下記のとおり分類したのですが、それぞれ数字が・・・
〇辞めた方が良かった社員・・・8人
〇辞めても辞めなくても良かった社員・・・12人
〇やめて欲しくなかった社員・・・6人
〇絶対にやめて欲しくなかった社員・・・4人
ということになりました。
優秀なのでたくさんの部下を彼に持たせたわけですが、その結果、やめて欲しくなかった社員が6人と絶対に辞めてほしくなかった社員4名が、彼の下に付けたばかりに退社してしまっていたわけです。
彼はその後(個人としては優秀だったこともあり) 大手とのジョイントベンチャー企業に部下無しで出向してもらうことになりました。
また、これは医療機関での話ですが、オリエンテーションしたばかりのスタッフが辞めるケースが多々あったのでおかしいと思って何人かの辞めた元スタッフさんに聞いてみたら、オリエンテーションの担当スタッフが医院のことをかなり悪く話していたようで、それが原因でいろいろなことが否定的に感じられ辞めているということが分かりました。
このオリエンテーションを担当していたスタッフには、結果として辞めてもらうことになりました。
というように、会社を経営していれば人が辞めることは多いのですが、退社の理由を聞いたり調べたりすれば、原因が分かり対処することもできるので、若い人が辞めてしまうのが目立つようなら、何が理由なのか調べてみることが一番の取るべき対処法となると思います。
これ、ビックリすることが分かったりするかもですね(─_─)!!
よかったら、参考にしてください。
私の発行する週刊メールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があれば覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
また、オフィシャルマガジン『石原明の不定期情報通信』をご希望の方はコチラから読者登録ができますので、ぜひこの機会にご登録ください。様々な切り口から“経営脳”に刺激を与える内容を配信しています(*^^)v
あなたの会社では、どんな工夫をされているでしょうか? よかったら、一緒に考えてみてください(#^^#)
== 質 問 ==
私の会社では、若い社員が毎年多く辞めています。特に仕事がきついわけでもないのに…ワンマン経営、経営者のビジョンが伝わりにくい…など原因は多くあると思いますが、何かいいアイデアはありますか?
== 回 答 ==
辞めて行った社員さんの本当の理由を確認しないと、改善は難しいと思います。こういう場合は、いろいろな方法で調査した方が良いと思います。
== 解 説 ==
前回の質問は“採用”今回は“退社”と人の問題が続きますが、会社経営をしていると絶対にこの“人”の問題は付いて回るモノなので、経営者としてはなんとか自社に合った良い方法を見つけたり、編み出さないといけないわけですね。
この質問の回答に入る前に“退社についての基礎知識”を少しお話しておきますが、それは“入社した人間の大半は辞める”という経営者としてはなんとも分かりたくない事実というか現実があり、それを理解しておかないと“経営者は精神が持たない”ということです。
これを裏付けするような事実を上げると、会社ってなかなか社員が100名を超えないんですよね・・・という話です。
会社が成長するにつれ、仕事が増えるのでどんどん社員を増やすのですが、入れた端からいろいろな理由で入った新人はもちろんですが既存社員も辞めたりするので、なかなか社員数100人を超えるのって難しく、私の顧問先で調査したら、累計入社員数が350人を超えてやっと社員数が100人となった会社がありました。
この会社の場合は350-100=250ですから、100人になるまでになんと250人が辞めているという計算になるわけですね(-_-;)
そしてこの数字はかなり良い方で、私の感覚だと、500人でやっと100人を超える位が標準なのではないかと思います(p_-)
こう書いていくと、質問された方も“なんだ自分だけが悪いわけじゃないじゃん”と感じられたと思いますが、人が退社することは“経営者からすると、自分が否定されたような感じになる”ために、かなりな精神的ダメージとなるので、入社して会社に残る人数よりも、辞める人数の方が圧倒的に多いのが会社というものだということが分かるということは、経営者にとって、とても重要な理解だということです。
では、どういう対策を講じないとならないかですが、こういった場合に最初に取る行動は、辞めて行った社員さんがどうして辞めたのかという理由を聞いたり、原因を調査することだと思います。
経営者であるあなたが直接聞いても、辞めた社員がなかなか本当の事を教えてくれないかもしれませんが、辞めて少し時間が経っている元社員さんに連絡して会ってもらって退社の理由を聞いてみることも一つの良い方法だと思います。
あなたが会うのが難しい元社員さんなら、採用や人材系あるいは調査系の会社にお願いして、会社を良くしたいのでという理由等で退職者にコンタクトして聞き出してもらうなども良い方法だと思います。
また、組織が大きい場合ならば、どの役職者の下に付いた社員が辞めているかなども実際に調査すると意外な事実が見えてくる場合も多いです。
以前、私の顧問先で、ある優秀な部長の下に付いた社員が厳しすぎるという理由で総勢30人も辞めていたという事実が判明したことがありました。
サンプルとして面白いと思ったので、その30人を下記のとおり分類したのですが、それぞれ数字が・・・
〇辞めた方が良かった社員・・・8人
〇辞めても辞めなくても良かった社員・・・12人
〇やめて欲しくなかった社員・・・6人
〇絶対にやめて欲しくなかった社員・・・4人
ということになりました。
優秀なのでたくさんの部下を彼に持たせたわけですが、その結果、やめて欲しくなかった社員が6人と絶対に辞めてほしくなかった社員4名が、彼の下に付けたばかりに退社してしまっていたわけです。
彼はその後(個人としては優秀だったこともあり) 大手とのジョイントベンチャー企業に部下無しで出向してもらうことになりました。
また、これは医療機関での話ですが、オリエンテーションしたばかりのスタッフが辞めるケースが多々あったのでおかしいと思って何人かの辞めた元スタッフさんに聞いてみたら、オリエンテーションの担当スタッフが医院のことをかなり悪く話していたようで、それが原因でいろいろなことが否定的に感じられ辞めているということが分かりました。
このオリエンテーションを担当していたスタッフには、結果として辞めてもらうことになりました。
というように、会社を経営していれば人が辞めることは多いのですが、退社の理由を聞いたり調べたりすれば、原因が分かり対処することもできるので、若い人が辞めてしまうのが目立つようなら、何が理由なのか調べてみることが一番の取るべき対処法となると思います。
これ、ビックリすることが分かったりするかもですね(─_─)!!
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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