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「ここで買いたい」を追及!? たった1冊だけの本を売る森岡書店

投稿日時:2015/10/13(火) 13:03rss

読書の秋・・・今日はちょっと変わった本屋さんのお話をしたいと思います(#^^#)
 
銀座一丁目に建つ、東京都選定歴史的建造物にも指定されている昭和4年竣工のビルの1階で、今年(2015年)5月にオープンした「森岡書店」は、1週間に1冊だけを紹介するというスタイルで運営されている異色の本屋さんなんです。
 




その週に何を売るかは、同社のFacebookと、著者のホームページやTwitterなどで告知されるようですが、扱っている本はネットや他の書店でも買える本ばかり。
 
場合によれば、ネット書店のほうが少し安かったりもするようですが、「ここで買いたい」というお客さんが訪れるので「収支はとんとん状態」だそうですよ。
 
失礼ながら赤字の書店さんが多いなか、こんなやり方で「トントン」は大したものだと思いませんか?
 
オーナーの森岡氏は「本の中身をできるだけ外に出すこと。平面な本の世界を立体で見せること」にこだわっているそうですが、作品と共に展示した刺しゅうアーティストの作品集は170冊、店中がブーケであふれ、ハーブ良い香りに包まれたフラワースタイリストの著書は150冊以上も売れたみたいですよ。
 
本も音楽もそうですが、今は世界中の作品が容易に手に入る時代。だからこそ「選びきれない」という状況が起こっているわけで、消費者の間には「信頼できる人に選んでもらいたい」という【キュレーションニーズ】が高まるばかりです。
 
また、私はかねてから「世の中と真逆に舵を切る」ことを教えていますが、モノや情報が氾濫するこの時代に、「たった1冊」と向き合う時間を提供するという同店のスタイルには、学べる点が多いと思います。
 
たとえば、ネットショップの勝因は「他で買えない」か「他より安い」かしかありませんが、「わざわざここで買いたい」というお客さんにアプローチできれば、高くてもネットに負けないリアル店舗が作れるわけです。
 
情報をそぎ落とすなら徹底的に!・・・同店の姿勢には、そんな美学すら感じてしまいます。秋の夜長、この事例を参考に、楽しみながらアイデアを拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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