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「変なホテル」はサービス業の未来を変える!?

投稿日時:2015/08/24(月) 17:38rss

暑かった夏もそろそろ終わりを告げようとしていますが、来月にはまたシルバーウィークがあるので、旅行業界はなかなか好調のようです。
 
そんななか、私が最近気になっているのが、長崎のハウステンボスに今年(2015年)7月にオープンした「変なホテル」、 “究極の生産性”を追い求めて「変り続けることを約束する」ホテルです。
 
開園以来18年間赤字続きだったこのテーマパークを、エイチ・アイ・エスが買収するや否や、翌期に経常黒字を計上するという奇跡的な再生劇を見せてくれた沢田社長いわく「変なホテルの『変』は、変化の『変』だ」そうですが、カタカナのホテル名が多い時代に、妙に心にひっかかる、このネーミングセンスはさすがだなぁと思います(*^^)v
 
で、このホテルのどこが『変』かと言えば、これまでホテル業の要であった「人」の姿が見当たらないところです。まず、フロントで出迎えるのは、こんな受付ロボット。
 



 
この人型ロボットのほかにあるもう1台は、テーマパークならではの「恐竜型」で、ガイダンスに従ってチェックインを済ませると、ロビーにあるロボットアームが、部屋まで荷物を運びながら案内してくれます。会話の代わりに、ロボットアームに組み込まれたモニターには、ハウステンボスの見どころなど、ガイド映像が流れるそうですよ。
 
また、各部屋は「顔認証システム」になっているためキーはなく、部屋に入るとベッドサイドにはハウステンボスのキャラクター「ちゅーりーちゃん」型のロボットがちょこんとすわっていて、話しかけると、照明を調節したり、モーニングコールをセットしたり、明日の天気を答えたりしてくれるのだとか(@_@)
 
こうしたロボットを活用することで、人件費を3分の1~4分の1に抑えられるそうですが、ロボットであればソフトの追加で多言語対応もすぐさま可能ですから、教育費をかけずに国際化を図れるメリットもありますよね。
 
さらに、こんなホテルに泊まったら、必ず写真を撮ってSNSなどに投稿したくなりますから、多額の広告宣伝費をかけずとも、話題性は加速度的に高まっていくのではいでしょうか?
 
しかし、そうは言っても、ホテルをはじめとしたサービス業が、すべてロボットに取って変わられるとは思えません。人間はかなり複雑な生き物ですから、価格の安さや、もの珍しさだけで満足することはないからです。
 
生産性の追求に対抗するには、「人ならではのサービス」を追及する必要があると思いますが、あなたなら「変なホテル」に対抗して、どんなホテルを建てますか? この事例を参考に、あれこれと楽しいアイデアを巡らせてみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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