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「クラブツーリズム」が家事代行事業へ!?

投稿日時:2015/05/11(月) 09:21rss

今年のゴールデンウィークも、多くの方が観光に出かけたと思いますが、あの「クラブツーリズム」が家事代行事業に参入しているというので、ちょっと驚きました(@_@)
 
私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』では、このところ「企業の未来をつくる多角化・多事業化のススメ」といった勉強会を開催していたのですが、多角化・多事業化のよいヒントになりそうなので、ちょっと解説してみたいと思います。
 




ご存じのとおり、同社の顧客の中核はシニア層です。まず「既存の顧客に自社が何を提供できるか?」を考えたのだと思いますが、今年(2015年)6月からは、家事代行など生活支援サービスを、さらに、健康関連用品などを扱うECサイトを立ち上げる計画だそうです。
 
生活支援サービスとしては、キッチンやトイレ、部屋の掃除のほか、電球の交換などといった軽作業にも対応し、加えて一人暮らしの高齢者の話し相手や散歩や通院の付き添いといったニーズにも対応するそうです。
 
利用料金は1回8,400円からで、当初は都内のいくつかのエリアに限ってサービスを提供するようですが、おもしろいのが、働くスタッフも同社の会員から募集を募る、という点です。これって、意外と浮かんでこない発想ですよね?
 
新規事業の場合、限られたスタッフで立ち上げる場合がほとんどですから、スタッフの採用に、ものすごく手間や時間がかかるようだと、長期にわたって利益を生めない体質になってしまいます(-_-;)
 
その点、自社の既存顧客から採用するというやり方だと、たとえ採用できなくても、顧客とのコミュニケーションを深めることにもなりますし、さらに面接時の会話から、本業の旅行業に活かせる声を拾える可能性もあります。
 
同社の2014年3月期の売上高は、前年比9%増の1692億円だったようですが、本業の業績が好調なうちに、次の一手を打つという同社の姿勢には、学べる点が多いと思います。「主力顧客である50~60代の方たちが、今後年齢を重ねると頻繁に旅行に出かけるのが難しくなってくる」と判断したようですが、経営者にはこうした先を見通す力こそが重要ですよね。
 
中小企業経営者の場合はとくに、日々の仕事に追われてしまいがちですが、社長の最も重要な仕事は「会社の未来を創ること」です。この事例を参考に、自社の顧客リストを冷静に眺め、楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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