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スポーツウェアを農作業着に!? ミズノの新戦略

投稿日時:2015/03/06(金) 15:27rss

3月に入り、だいぶ春めいてきましたね(*^_^*) 陽気が良くなると、自然と体を動かしたくなったりするものですが、スポーツ用品のミズノ(美津濃株式会社)は、スポーツ以外の販路拡大に懸命なようです。
 
まずは、アウトドア用雨具を、消防や農業に従事する人向けに売り込む戦略だそうですが、スポーツ以外での市場での売上げを、2016年には2013年の約3倍に当たる1万着という計画を立てているみたいです。
 




考えてみれば、スポーツウェアの世界は、かなり過酷な競争状態にあります。多数の人気ブランドに加え、ファストファッションメーカーのスポーツウェアもなかなかのグレードですから、その中で勝ち抜いていくには、多額の広告宣伝費も必要になってくるでしょう。
 
しかし、視点をちょっとズラして「作業着」となれば、一気にライバルが少なくなります。同社が地道に培った機能性を丁寧にアピールすれば、かなりの優位性があるように思えませんか?
 
もちろん、そこに気づいているのはミズノだけでなく、アウトドア用品大手のモンベルが、農機メーカーのクボタとの連携を決め、クボタは農機販売会社を通じてウェアの販売を始めました。
 
同じくヤンマーも、あの佐藤可士和さんをクリエイティブディレクターに迎え、有名デザイナーが手掛けたウェアを販売していますが、ミズノのウェアの機能性と価格競争力を強みにすれば、まだまだ勝ち目があるように思えます。
 
同社はこれまでも、スポーツ以外の販路を強化してきた経緯があり、スポーツ用のアンダーウェアに採用していた独自の吸湿発熱材を使った寝具や、野球用をもとに、伸び縮みしやすい紳士用ベルトを開発したりしてきました。
 
それに続いて、今度は「作業着」としての需要を掘り起こそうと、消防関係には地方自治体を通じて、農業関係には農協との連携を強めながら、販路を拡大しているというわけです。
 
もはやどの業界でも、単一マーケットでは生き伸びていくのが難しい時代です。この事例を参考に、自社製品にも、まだまだ違った需要はないか・・・楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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