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社長は「24時間年中無休」で戦うべきか

投稿日時:2011/07/01(金) 13:06rss

ここ数日、関東甲信越地方でも記録的な猛暑となっていますが、今年の夏は節電対策から長めの夏休みを取る会社もあるようです。そもそも日本人はまじめな国民なので、経営者ともなると「24時間体制」の方も少なくないですよね(――;)
 
私も最近、社長の勤務時間について聞かれることが多いので、「明大生との毎週一問百答」でも、過去に同じような質問があったことを思い出し、今回あらためてこの質問に答えてみました。あなたのスタイルはいかがですか?
 
== 質 問 ==

社長業は「365日24時間年中無休」という考え方がありますが、率直に言って、どのようにお考えになられますか?

== 回 答 ==

経営者にはそれぞれ考えがありますので、働き方のスタイルは好みの問題ですが、「365日24時間年中無休」で働いて大きな成功を収めている経営者の方はそんなに多くないのではないかと思います。感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです(*^_^*)

== 解 説 ==

今回の質問はとってもおもしろい質問なので、回答するのも楽しかったのですが、最後に付け足した「感覚的な印象では、休みの多さに比例して会社は大きくなるのではないか・・・そんな感じです」は、多くの経営者に会っている私の体験からすると本当で「まさにそうだ!」と思っています。
 
これには、いろいろな理由がありますが、まず一番の要素が組織化をしっかり完成させているので、経営者が毎日現場で行われている実務や作業に関わらなくてもよくなっているということが一番大きな理由だと思います。
 
私が主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会でもよく会員の方に話すのですが、経営は二層構造、現場(=実務であり作業)と経営(=企業の向かう方向の決定・決断やアイディアを考えること)で、経営者はなるべく早く現場を離れて経営を仕事とすることが大切ですが、それに気づいて経営者という役割を果たしているということです。
 
もし、経営者が「365日24時間年中無休」で、現場の作業をしていたら、経営的な判断や将来の方向を考えるための情報収集や思考の時間がなくなってしまいます。
 
次の理由が、本当の情報は深い信頼関係を持った人間関係の中からしか掴めない、伝わってこないので、そういった関係を作るためには、経営者にかなり時間的な余裕がないと築けないという現実があるからです。
 
今は、情報化社会でネットからいろんな情報が集められると思っている方も多いのですが、ネットに流れる情報は、ある意味モノゴトが終わった後、完成された後に流れるのであって、何かを作り上げていく情報ではないのです。
 
経営者が掴まないといけない情報はまだこの世の中に公になっていない「コアな情報」ですから、それは、リアルな人間関係を通してでないと伝わってこない、ということです。
 
ですから経営者は長年にわたるリアルな人間関係を大切にするわけですが、「365日24時間年中無休」で働いていたら、絶対にそういう関係は築けないので、大きく成功することは難しいと思います。
 
最後にしくみ化の問題からの観点ですが、経営者が自ら実務を行う場合(1人で会社をやっているとか、自営業の場合などですね)でも、成功している人はなるべく仕事を他社(もしくは他者)とかに割り振ったりして自分は仕事をしない方向で成果をあげている場合が多いです。
 
極端に言うと、自分は何もしないで収益を上げる仕組みを作っているような方までいますので、「365日24時間年中無休」とは違う観点で仕事をしていると思います。
 
もちろん、これまで話したようになるまでには「365日24時間年中無休」でがんばったからこうなったという方も多いと思いますので、過程としてはある意味正しいと思いますが、経営のゴールはそこにはないと考えた方がいいと思います。
 
「休みの多さ=企業の経営の大きさ」・・・しっかり経営していけば、こんな方程式が完成するということです。参考にしてみてください。
 
いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。 

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~


ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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