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「いつ買うか? 今でしょ!」・・・神出鬼没の「ハッピークレープ」が好調

投稿日時:2013/05/17(金) 14:30rss

今週末、東京浅草は「三社祭」で相当な賑わいをみせると思いますが、お祭りの出店(でみせ)って、大人になっても惹かれるものがありますよね(笑)。そんな“出店”作戦で、話題を呼んでいるクレープ屋さんがあるのをご存じでしょうか?
 
その名も『ハッピークレープ』。100円(税別)という買いやすい値段で、JR東日本や私鉄の駅構内に、1~2週間ごとに売り場を変えながら展開しているのですが、運営会社は、福岡で化粧品販売業を営む「Boo cosmetics Japan(ブー コスメティックス ジャパン)」という会社。本業の業績が伸び悩む中、「副業として思いついた」のだそうです(*^_^*)
 



 
地元福岡以外には常設店を持たず、「エキナカ」の催事スペースへ出店しているわけですが、常に3~5店舗がどこかでオープンしているみたいです。その場所はホームページやブログ、twitterなどで告知されるので、お客さんとしても「出会ったら、今買わなきゃ!」と思うわけですね。
 
また、接客にも独自の工夫をしているようで、劇団員や芝居経験のある人を多く採用しているんです。通常2人配置する販売員のうち、どちらか一人が劇団経験者になるようローテーションを組んでいて、劇団仕込みのよく通る声でお客さんを呼び込んだり、積極的に話しかけたりするみたいです(*^_^*)
 
とくに「クレープを買おう」と思っていない人でも、通りがかりに話しかけられて、ついつい買ってしまった…なんてことも多いんじゃないでしょうか? 今や「何を買うか」より「誰から買うか」が重要な時代になっているとも言えます。お客さんはみな、買い物を通して“楽しい体験”がしたいのです。
 
この事業スタイルは、福岡時代の経験に基づくもので、常設店と催事からスタートした同社が、移動販売スタイル」を始めたのが2012年6月。1日あたりの売上高は、催事や移動販売が常設店の4倍近くになることもあり、その中でも劇団員の活躍が目覚ましかったのだそうです。
 
こうした「事実」に裏打ちされたビジネスは強いですよね。「いつもある」より「今しかない」に弱い・・・経営者に人間心理を読み解く力さえあれば、売るものを変えても成功するという、よい事例ではないでしょうか(@^^)/~~~


ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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