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老舗の新戦略「あめや えいたろう」に学ぶ

投稿日時:2010/08/13(金) 12:41rss

突然ですが、コレ、何だと思います?


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どう見ても「リップグロス」か何かに見えますが・・・じつはコレ、「あめ」なんです(@_@;) 
しかも、あの榮太樓總本鋪の商品。同社は安政4年(1857年)の創業だそうですから、もう150年以上も続く企業なんですね。

みなさんも子どもの頃に、赤や黄色の缶に入った「榮太樓飴」を食べた思い出があると思いますが、榮太樓飴には「有平糖(あるへいとう)」という材料を使っています。

有平糖が日本に入ってきたのは江戸時代のこと。南蛮菓子のひとつとして伝わってきたもので、当時は非常に高価なものだったそうですよ。

その「有平糖」をつかった飴を現代風にアレンジしたのが、この「スイートリップ」という商品です。なんでも江戸の男性たちは、その頃めずらしかった「飴」をお目当ての女性へのプレゼントとして贈ることが多かったそうです。

で、もらった女性たちは、飴をなめた後にそっと唇にグロス代わりにつける・・・そんな、ちょっと色っぽいストーリーを、この「スイートリップ」という商品に込めたかったそうです。

とは言うものの、有平糖をベースとした「みつあめ」を、チューブに入れてちょうどいい具合に練り上げるのにはかなり苦労したようです。しかし、そこは150年の歴史を持つ企業。職人さんたちは嬉々として、試作品を何度も作ってくれたみたいです。

そして、老舗の技を現代にマッチするカタチで披露すべく、榮太樓總本鋪は「あめや えいたろう」というブランドを立ち上げ、この「スイートリップ」をはじめとしたオシャレな商品を展開しているのです。

この「スイートリップ」は、ただの「あめ」に留まらず、紅茶に入れたり、ヨーグルトにかけたり、パンケーキやクッキーのアクセントにしたり・・・と「あめ」の世界を見事に広げています(*^^)v

1本525円という手頃な値段なので、バッグに入れて持ち歩き、友達に見せて驚かせたり、ちょっとしたプレゼントとしても最適ですよね。

店舗展開としては、新宿の伊勢丹店のみですが、最近テレビなどにも取り上げられ、売り切れになる日も多いみたいなので、今後は多店舗展開していくんじゃないでしょうか。

時代の流れがますます速くなるなかで、100年以上も企業を存続させるのは至難の業だと思います。やはり経営者が「変わるものと変わらないもの」をしっかり見極め、時代に合った舵取りをしていく必要があるのです。

世間はお盆休みですが、この事例を参考に、自社の未来をじっくり考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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