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「プチ社会貢献」が購買動機に!? ビールを飲んで地元に寄付を

投稿日時:2010/07/16(金) 10:35rss

今年もビールの美味しい季節になりましたが、アサヒビールが昨年(2009年)春から取り組みを始めた「うまい!を明日へ!」というプロジェクトをご存じでしょうか?

同社ビールの一部商品を対象に、「1本飲むと1円が地元に寄付できる」という取り組みで、第3回にあたる今年春のキャンペーンの成果としては、4億1570万円を超える金額を、47都道府県の自然や環境保護、文化財の保全などに役立てるのだそうです。


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1回あたり2~3ヶ月の期間限定キャンペーンを行なうようですが、その間の都道府県ごとの販売数に応じて、寄付額を算出するしくみになっていて、これまでも、「新潟県トキ保護募金」を通じてトキの野生復帰のための活動に寄付したり、「おきなわアジェンダ21県民会議」に寄付して、危機に瀕しているサンゴ礁の保護活動に役立ててもらったり…といった活動をしています。

このような「寄付付き商品」の先駆けとなったのは、ミネラルウォーター「ボルヴィック」の『1L for 10L(ワンリッター フォー テンリッター)』プログラムですが、このキャンペーンからは、これまでに約1億5000万円をユニセフに寄付し、そのお金はアフリカ・マリ共和国での井戸の開発に使われたそうです。

もちろん、こうした「世界視野」の取り組みも重要ですが、寄付したからには、そのお金が「どう使われたか」を知りたいものですから、結果を上手に「見せる」姿勢も、企業に問われていると思います。

その点、47都道府県の売上げ別に寄付額を決めるというアサヒビールの発想は、日本の消費者の「良心」と、ちょうどよい距離感を見つけ出したように思います。

日頃、わざわざ寄付をしようとは思わなくとも、飲んだビールの代金が少しでも地元に貢献するなら、なんとなくうれしいですからね(*^_^*)

消費不況が叫ばれて長いですが、今どきの消費者としては、「せっかく自分が使うお金にプラスアルファの価値が生まれるなら」と、こうした「寄付付き商品」を歓迎している向きがあります。

われわれ中小企業も、上手に「しくみ」を作り、“一石二鳥方式”で社会に貢献する道を探せないものでしょうか…。たとえば、「町内」など、思いっきり小さいところに目を向けて、そこから始めてみるのもいいかもしれません。

「規模感」さえ間違わなければ、結構うまくいくんじゃないかと思います。この事例を参考に、ぜひ、あれこれとアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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