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果たしてモノやサービスを高く売ることは罪か

投稿日時:2010/07/09(金) 14:28rss

今年も下半期がスタートしました。今回は「Q&A」なので、ちょっとおもしろい質問を取り上げてみました。あまり真っ向から聞かれることのない疑問ですが、若い方に限らず、こんなふうに考えている人は結構多いのかもしれません。

もしかしたら自社の営業マンが、こういう思考を持っているがために、営業を「とても辛い仕事」と感じている可能性もありますから、経営者としては見逃せない問題です。参考にしてください。

== 質 問 ==

特に若い世代の社員(20代)に多いのですが、変な正義感があり、モノやサービスを高く売ることが罪だと思っている人がいます。

「うちの会社は儲けすぎでお客様に申し訳がない」と思っているようなのですが、経営者として、どう説明すべきでしょうか?

== 回 答 ==

おもしろい質問なんで思わず笑ってしまいましたが、確かにこういう思考をする社員さんは結構多いでしょうね(>_<)

そんなに意識していませんでしたが、顧問先などでも、コレ結構ありそうです(ーー;)

== 解 説 ==

こういう場合に大切なのは、まずは商品原価や設備投資なども含めた会計や財務の知識をしっかり教えているか、ということです。

それから、その人の持っている価値観が変わる可能性があるかということも大切なので、まずこのあたりを確認することをおすすめします。

原価などについては、経営の方針もありますので、どこまで社員さんに教えるかは結構難しい問題があり、ディスクローズの範囲はお任せしますが、社員さんは単純に商品やサービスの原価っぽい数字から高いとか、安いとかを考えてしまいます。

なので、「あなたの給与はもちろん、会社の維持費や在庫管理費、それから設備投資の金額や、新商品・新規事業の開発費なども含めると、表面に出ていない、かなりの金額が会社の経営には必要になる」ということを教えてください。

そういった金額を加味して商品やサービスの基本的な最低金額(値段)が決まっているので、そこに疑問は持たないで欲しいということですね(ーー;)

それから、商品やサービスの値段には、これにマーケティング的な要素が加わって決まるので、出来たらこれも教えていくことが大切です。

マーケティング的な要素というのは、商品やサービスの値段はさっきの原価計算等の数字から簡単に自社で割り出せるものではなく、他社の商品やサービスとの関係、それから、顧客から見てどれくらいの価値があるかどうかなどという値も加味して付けていくということ、また、こういうシビアな環境から設定されているので、もし、高い値段で売れる可能性があったら出来る限り高い値段で販売しないと、長期的に見て安定的な経営は出来ないということなどを教えてください。

実はこういうことを感覚的にすでに分かっている方がいたら、その人は将来経営陣に加えても良いかもしれない逸材ですね(*^_^*) でも、多くの方はなかなか最初から分かっていないので、教えることが必要だということです。

さて、知識を教えて、なるほど~って分かってくれた方は、まあ、問題ないのですが、今回のQ&Aの質問の対象者が、こういった教育や回答にそれでも疑問を持つ方だとしたら、結構根深い問題があると思います。問題の1つは、会社や経営者に疑問を持っている可能性があることです。

経営者であるあなたに対して疑問を持っていて、疑いの目で見ていると、こういった説明をしてもその説明自体が言い訳と捉えられてしまうので、理解や説得はかなり難しいと思います。

こういった背景には、その人にそういった考えを持たせている人がいますので、その人を見つけることなども必要になってきます。

その人が、社外の人間であればまだいいのですが、社内にこういった価値観を植えつける人がいると将来的には大量離反、独立騒動・・・など絶対に組織上の問題が出てきます。

問題の2つ目は、経営者という存在そのものにすでに疑問と疑いを持っているということです。これは重症度がさらに高く、先ほどの、あなたに対しての問題ならば、まだ解決の可能性がありますが、経営者という存在そのものに対してこういう感情を持っているとなると、その価値観はほぼ変わらないと思います。

こういう場合は、時間をかけてでも何か良い形で大切な仕事からは外してあげた方が良いと思いますし、組織そのものになじめませんので、本人の望む形で退社してもらう方向へ持って行った方が良いのではと思います。

こういう方は、面接時にはしっかり話しますし、自己を主張したりするので優秀な人と感じてしまい(というかある意味優秀なので)採用するケースが多いのですが、組織に入るとかなり問題を起こす可能性がありますね。採用時には注意してください。

・・・と、今回は回答がかなり長くなっちゃいましたが、参考になりましたでしょうか? この内容は、もっといろいろなパターンがあるので、機会があればポッドキャスト番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』でも取り上げたいと思います。


いかがでしょうか? あなたはどうお考えになりますか(^^♪ 私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。

これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明 氏

経営コンサルタント。日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社代表取締役。

現在、「成功哲学」「売れるしくみづくり」「成長のための組織づくり」「プロ経営者の育成」などをテーマに中小企業から大手企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する『高収益トップ3%倶楽部』には全国延べ3,500社が参加。

2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』や独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は年間ダウンロード回数が650万回を超えている。主な著書に『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)や『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(サンマーク出版)、『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、<三人称>で考える。』(アスペクト)、 『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』(中経出版)などがある。

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