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「カワセミブルー」の新車が好調!? 商品コンセプトを「色」で伝える

投稿日時:2010/04/23(金) 13:08rss

今年は、春といっても肌寒い日が続きますが、いよいよ行楽シーズン本番を迎え、人々の気持ちも内から外へ向く時期です。この季節には、「色味」のキレイな商品に、自然と目が留まります。

そんななか、今年(2010年)登場した新車には、これまでと一風変わったカラーが採用されているのをご存じでしょうか?


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三菱自動車では、新型「RVR」のテーマカラーを「カワセミブルー」にしました。カラーのモチーフは、清流に住むカワセミの青い羽の色。

「RVR」は、低燃費でエコカー減税の対象車であることから、「環境の時代らしいクリーンなイメージから名付けた」そうですよ。

トヨタ自動車でも、6年ぶりにモデルチェンジした「パッソ」で、「ウグイスメタリック」や「キナコメタリック」といった新色を採用しています。

これまで自動車業界では、「腐る」という理由から食べ物の名前を使った色はタブー視してきたそうですが、先に日産自動車が「マーチ」でパプリカなどの食材をモチーフにした色を出して成功した例もあり、「食べ物は最も身近な自然と受け止める向きが強まっている」として、採用を決めたようです。

いずれにしても、「日本語」を使った色の名前が採用されているのがおもしろいですよね(*^_^*)
四季折々をめでる感性を持った日本人は、山吹色、群青色など、日本ならではの色の名前を無数に生み出してきました。

そうした感性が、「エコ」の時代とマッチしたのかもしれません。もしかしたら、これまで「ワインレッド」「ロイヤルブルー」などと呼んでいたカラーを、「日本語」で表現することで、海外にも広く受け入れられる商品名が誕生するかもしれませんね(*^^)v
また、三菱自動車が「環境の時代」を意識したように、色の名前ひとつで、会社や商品のイメージやコンセプトを上手に伝えることができるのです。

「RVR」の「カワセミブルー」は、一番人気のチタングレーに続く第2位の人気だそうで、同社で上位に来ると予想していた「白」や「黒」をあっさり抜き、会社側もちょっと驚いているみたいです。

こうした流れは、自動車業界以外にも広がっていくことでしょう。ぜひ、この事例を参考に、自社の商品カラーの付け方を、見直してみてはいかがでしょうか?

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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