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増える「自転車通勤」をターゲットにした仕掛け人は・・・

投稿日時:2010/03/12(金) 17:42rss

最近都心では、自転車でさっそうと街を走る姿を目にすることが多くなりましたが、今月(2010年3月)の1日、東京・青山に自転車通勤者向けの施設がオープンしました。

その名も「ファンライドステーション プラス ランステ」。自転車1台分の駐輪スペースとロッカーの使用料で、月額2万3千円。シャワーや着替えのためのスペースも用意されています。


funsta


私の事務所は、皇居から近いところにあるのですが、今、皇居の周りには「ランナー」たち向けのこうした施設がたくさんあります。ですが、まだ「自転車通勤者」向けの施設は、目新しい感じがします。ちなみに、「自転車通勤者」のことを「ジテツウ」と呼ぶらしいですよ。

満員電車には乗らず自転車で通勤して、この施設でシャワーでも浴びて、スーツに着替えていざ会社へ・・・などというライフスタイルが、これから増えてくる予感がしますよね。

通勤のストレスからも解放され、運動不足も解消され、なんたって「エコ」だし、そのうえちょっとカッコイイし・・・そう考えると、なんだかイイコトずくめです(*^_^*)

「どこが仕掛けたのかな」と調べてみると、なんと!その仕掛け人は出版社でした。

「アールビズ」が同社で出版する自転車雑誌「ファンライド」と連携してつくった施設で、今後は自転車通勤に関するセミナーや新モデル試乗会などのイベントとも連携していく計画だそうです。

つまり、出版社が読者に対して「リアルなサービスとコミュニティ」を提供した、ということです(*^^)v

今週、当社の会議でも話題になったのですが、デジタルブックの進化が著しい時代に、「本」はどうなっていくんだろう…と。本を印刷しなくなると、大量の木を伐採しなくてもいいわけで、そのうえ、倉庫もいらず、物流もしなくていい・・・「これって究極のエコ?」なんて会話まで飛び出しました。

ご存じのように、今、出版各社は、デジタルコンテンツに対抗すべく「おまけ」を付ける作戦に出たり、昔懐かしい「パラパラマンガ」を本にしたりと懸命です。

結局、デジタルに対抗できるのは「リアル感」しかないわけです。実際に「手」に取り、触れることのできる「おまけ」を付けるのはもっともわかりやすいパターンですし、「パラパラマンガ」復活にしても、「手」でページを繰るという「身体性」に着目してのことです。

本好きの私としては、出版業界の今後がかなり心配ですが(-_-;)、当面は、この事例のように「アレもコレも」の精神を持ち、雑誌もウェブもリアル店舗もイベントも…というふうに、「自社内メディアミックス」のような感覚でチャレンジしていくことから、活路が見出せるのかもしれません。

そうした意味では、この「経営者会報ブログ」も、「自社内メディアミックス」ですね。これからも応援しますので、ぜひ出版社の成功モデルを築くべく、頑張ってください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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