石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
会社が「組織化」に向う過程で起こること
11月がスタートしました。みなさん、今年の年頭に掲げた目標には近づいていますか? 来年を視野に入れつつ、今年の仕上げに入りたいところです。
年が明けても、われわれを取り巻く環境は、しばらく厳しさが続くと思いますが、じつは、こうした時期は、社内の『組織化』を進めるのに最適とも言えます。というわけで、今回は、先週回答しきれなかった続きをお届けします。
== 質 問 ==
企業が伸びていくと、後から「優秀な人間」が入ると言われていましたが、それにより初期の人材が辞める時は企業にとってどうなんですか?
経営者からすると当然かもしれませんが、働く人は恐怖を感じるのでは? そこがいわゆる「愛情」でしょうか?
== 回 答 ==
こういう現象は必ず起きますが、企業が組織化に向う過程でどんな変化が起きるかということを経営者がしっかり勉強していれば、いろいろな方法でゼロにすることは出来ないまでも緩和することが出来ると思います。
そのために、経営者が知っておかないといけないことは、優秀な人材のレベルを知っておくこと、組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来る様に鍛えておくこと・・・などです。
== 解 説 ==
今回は、前回の回答の続きです。
前回、組織の発展に伴って優秀な人間が入ってきて、それまでにいた人との間に問題が生じ、結果辞めていくという問題が起こるがどうなのかという質問でしたが、まず、これに対して、当社だけの問題と考えないで、通常どこの会社(組織)にも起こる問題として考え経営者が対処することが大切、では何を知っておくことが重要かということで、最初に優秀な人材のレベルを知ることと解説しました(ここまでOKですよね)。
ということで、今回はその続きを解説するわけですが・・・経営者が「本当に優秀な人とはこういう人なのか!」ということが分かると、ゆくゆくは当社にもこういう人材が入ってこないと他社に勝てないことが分かりますから、安易に役職を付けてしまわない方が良いということが、組織拡大の前にわかるということです(会社がスタートした段階では、安易に役職は付けない方が良いと前回解説しましたよね)。
ただ、ここで問題になるのがスタッフの方のモチベーションというかやる気の問題です。がんばっているからには評価が必要で、その評価の中には給与と共に、必ず役職も関係してくるわけです。
また、中途採用に際して、ある程度の年齢の方を採用するとなると、それなりの役職には就けないと、という問題が起こってきます。
さらに、これは業務上の問題で、他社との取引関係上、何らかの形で役職を定めないと業務的に難しいということも起きてしまうので、結果役職を割り振るなどということも現実には起きてしまうのです。
なので、優秀な人材が入って来る前に必要に応じて役職が決まってしまい、優秀な人材とのぶつかり合いが起きて、結果質問のような不幸な状況・・・(?)が起きてしまうのです。
そこで、経営者が考えないといけないことは、会社はそもそもだれのモノかということや、自社が提供する価値を最大限に発揮するためにどういう形が望ましいのかということなども踏まえた、組織運営の考え方だと思います。
では、どういう考えが組織運営上大切かですが、まず、どんな場合でも組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来るように鍛えておくこと等が大事だと思います。
実はこの項目は、人間が基本的に持っている本性から考えると非常に難しいというか、真逆のことなので、経営者の方は自分が経営者となったことで、かなり通常の人間的思考から外れないといけない、考えないといけないわけでもありますが・・・・。
でも、深く考えていただけると、こういうスタンスで組織運営することが、結果として前からいる人と、後から入ってきた方のギャップによって人が去っていくという問題を一番解決する方法だということが分かると思います。
参加する一人一人を満足させるということと、企業を組織として健全に発展させ、持てる機能を最大限に発揮させるという、矛盾する問題を解決するために、経営者はこういった問題や経営上起こるであろう課題も事前に視野に入れて解決する方法を決めておかないといけないということですね。
今回はちょっと難しい質問でしたが、参考になりましたでしょうか。私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
年が明けても、われわれを取り巻く環境は、しばらく厳しさが続くと思いますが、じつは、こうした時期は、社内の『組織化』を進めるのに最適とも言えます。というわけで、今回は、先週回答しきれなかった続きをお届けします。
== 質 問 ==
企業が伸びていくと、後から「優秀な人間」が入ると言われていましたが、それにより初期の人材が辞める時は企業にとってどうなんですか?
経営者からすると当然かもしれませんが、働く人は恐怖を感じるのでは? そこがいわゆる「愛情」でしょうか?
== 回 答 ==
こういう現象は必ず起きますが、企業が組織化に向う過程でどんな変化が起きるかということを経営者がしっかり勉強していれば、いろいろな方法でゼロにすることは出来ないまでも緩和することが出来ると思います。
そのために、経営者が知っておかないといけないことは、優秀な人材のレベルを知っておくこと、組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来る様に鍛えておくこと・・・などです。
== 解 説 ==
今回は、前回の回答の続きです。
前回、組織の発展に伴って優秀な人間が入ってきて、それまでにいた人との間に問題が生じ、結果辞めていくという問題が起こるがどうなのかという質問でしたが、まず、これに対して、当社だけの問題と考えないで、通常どこの会社(組織)にも起こる問題として考え経営者が対処することが大切、では何を知っておくことが重要かということで、最初に優秀な人材のレベルを知ることと解説しました(ここまでOKですよね)。
ということで、今回はその続きを解説するわけですが・・・経営者が「本当に優秀な人とはこういう人なのか!」ということが分かると、ゆくゆくは当社にもこういう人材が入ってこないと他社に勝てないことが分かりますから、安易に役職を付けてしまわない方が良いということが、組織拡大の前にわかるということです(会社がスタートした段階では、安易に役職は付けない方が良いと前回解説しましたよね)。
ただ、ここで問題になるのがスタッフの方のモチベーションというかやる気の問題です。がんばっているからには評価が必要で、その評価の中には給与と共に、必ず役職も関係してくるわけです。
また、中途採用に際して、ある程度の年齢の方を採用するとなると、それなりの役職には就けないと、という問題が起こってきます。
さらに、これは業務上の問題で、他社との取引関係上、何らかの形で役職を定めないと業務的に難しいということも起きてしまうので、結果役職を割り振るなどということも現実には起きてしまうのです。
なので、優秀な人材が入って来る前に必要に応じて役職が決まってしまい、優秀な人材とのぶつかり合いが起きて、結果質問のような不幸な状況・・・(?)が起きてしまうのです。
そこで、経営者が考えないといけないことは、会社はそもそもだれのモノかということや、自社が提供する価値を最大限に発揮するためにどういう形が望ましいのかということなども踏まえた、組織運営の考え方だと思います。
では、どういう考えが組織運営上大切かですが、まず、どんな場合でも組織を固定しないこと、聖域を作らないこと、組織を常に変化に対応出来るように鍛えておくこと等が大事だと思います。
実はこの項目は、人間が基本的に持っている本性から考えると非常に難しいというか、真逆のことなので、経営者の方は自分が経営者となったことで、かなり通常の人間的思考から外れないといけない、考えないといけないわけでもありますが・・・・。
でも、深く考えていただけると、こういうスタンスで組織運営することが、結果として前からいる人と、後から入ってきた方のギャップによって人が去っていくという問題を一番解決する方法だということが分かると思います。
参加する一人一人を満足させるということと、企業を組織として健全に発展させ、持てる機能を最大限に発揮させるという、矛盾する問題を解決するために、経営者はこういった問題や経営上起こるであろう課題も事前に視野に入れて解決する方法を決めておかないといけないということですね。
今回はちょっと難しい質問でしたが、参考になりましたでしょうか。私の発行する週刊メールマガジン、『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(購読無料)では、毎週メルマガ読者のみなさんからの質問にこんな感じでお答えしています。
これまでのQ&Aもバックナンバーにたくさんあるので、興味があればぜひ覗いてみてください。もちろん、質問も随時受付中です(*^^)/~~~
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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