石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
「テーマパークマンション」で勝負 高い家賃でも入居率9割超え!?
消費低迷が叫ばれるなか、どのマーケットに向けてビジネスを展開するかは、常に経営者の頭を悩ませるところですが、『10人中9人に嫌われる物件』をポリシーに、他より1割高い家賃でも入居率9割5分を誇る不動産管理会社があるのをご存じでしょうか?
下記の写真・・・一体なんだと思います? これが、『テーマパークマンション』と呼ばれる賃貸マンションです。こんなふうに、一見“ぎょっ”とするようなマンションを扱っているのは「明来(あき)」という会社なんですが、独自のアイディアをもって、真っ向から勝負しているのです。
たとえば、漫画家の楳図かずおさんが自宅の紅白ストライプの外装で近隣と訴訟問題を起こしたときには、楳図さんを応援しようという気持ちから、「楳図かずおの紅白部屋」を作ったそうですが、募集してまもなく借り手が付いたみたいですよ。
その室内といえば、インパクトある紅白ストライプの壁に、キッチンの入り口は「とぐろ虫」の形、ベッドルームのくす玉を割ると直筆の「まことちゃん」の垂れ幕が飛び出す…という懲りようで、ちなみにこの部屋、延べ床面積約110平米で、家賃は24万円だとか。
同社は、大阪近郊で約4百棟、8千戸のマンションを管理しているそうですが、そのなかでこうした『テーマペパークマンション』は現在約20棟。部屋単位で改装したものから、一棟新築で作ったものまであるようです。
同業者には酷評されることもあるそうですが、同社の社長は「万人受けする物件は万人受けする家賃しか取れない。10人中9人に嫌われても、絶対住みたい1人がいれば家賃が高くても借りてくれる」と自信を見せています。
じつは、彼自身もなかなかの苦労人みたいで、結婚式のプロデュース会社やエステ機器のレンタル販売などのビジネスを経て不動産業界へ入ったそうです。当初は、銀行の債権処理に終始していたようですが、そうするうちに金融機関の信用が高まり、2003年に株式会社化しました。
その後、ファンドの資金流入でマンション建設が急増し、借り手や買い手が付かない物件が増えてことに目を付け、ここ4年のあいだにそうした物件を買い取って改装したり、新規に作った物件をファンドに売ることで急成長したのです。
ご存じのように、今やマンションは供給過剰気味になっていますが、家賃を高く設定できる『テーマパークマンション』は買い手が付きやすいようで、売った物件の管理や入居者募集は、そのまま同社が請負うそうです。
なかなか頭のいいやり方ですよね。あとは、どれだけおもしろい企画を立てられるかの勝負になってくると思いますが、あくまでも「一般受けしない」という価値観を守るため、社内の会議で「全員が賛成」した案件は、すべてボツにしているそうですよ(*^^)v
もちろん、あまりニッチなマーケットだけを狙っていては、会社はなかなか大きくなりませんが、自社の商品やサービスのなかに「尖がった部分」を持っておくというのは、これからますます進化する情報化社会においては、欠かせない戦略になってくると思います。
どうやら、経営者の発想の転換がカギになりそうですね。参考にしてください(@^^)/~~~
下記の写真・・・一体なんだと思います? これが、『テーマパークマンション』と呼ばれる賃貸マンションです。こんなふうに、一見“ぎょっ”とするようなマンションを扱っているのは「明来(あき)」という会社なんですが、独自のアイディアをもって、真っ向から勝負しているのです。
たとえば、漫画家の楳図かずおさんが自宅の紅白ストライプの外装で近隣と訴訟問題を起こしたときには、楳図さんを応援しようという気持ちから、「楳図かずおの紅白部屋」を作ったそうですが、募集してまもなく借り手が付いたみたいですよ。
その室内といえば、インパクトある紅白ストライプの壁に、キッチンの入り口は「とぐろ虫」の形、ベッドルームのくす玉を割ると直筆の「まことちゃん」の垂れ幕が飛び出す…という懲りようで、ちなみにこの部屋、延べ床面積約110平米で、家賃は24万円だとか。
同社は、大阪近郊で約4百棟、8千戸のマンションを管理しているそうですが、そのなかでこうした『テーマペパークマンション』は現在約20棟。部屋単位で改装したものから、一棟新築で作ったものまであるようです。
同業者には酷評されることもあるそうですが、同社の社長は「万人受けする物件は万人受けする家賃しか取れない。10人中9人に嫌われても、絶対住みたい1人がいれば家賃が高くても借りてくれる」と自信を見せています。
じつは、彼自身もなかなかの苦労人みたいで、結婚式のプロデュース会社やエステ機器のレンタル販売などのビジネスを経て不動産業界へ入ったそうです。当初は、銀行の債権処理に終始していたようですが、そうするうちに金融機関の信用が高まり、2003年に株式会社化しました。
その後、ファンドの資金流入でマンション建設が急増し、借り手や買い手が付かない物件が増えてことに目を付け、ここ4年のあいだにそうした物件を買い取って改装したり、新規に作った物件をファンドに売ることで急成長したのです。
ご存じのように、今やマンションは供給過剰気味になっていますが、家賃を高く設定できる『テーマパークマンション』は買い手が付きやすいようで、売った物件の管理や入居者募集は、そのまま同社が請負うそうです。
なかなか頭のいいやり方ですよね。あとは、どれだけおもしろい企画を立てられるかの勝負になってくると思いますが、あくまでも「一般受けしない」という価値観を守るため、社内の会議で「全員が賛成」した案件は、すべてボツにしているそうですよ(*^^)v
もちろん、あまりニッチなマーケットだけを狙っていては、会社はなかなか大きくなりませんが、自社の商品やサービスのなかに「尖がった部分」を持っておくというのは、これからますます進化する情報化社会においては、欠かせない戦略になってくると思います。
どうやら、経営者の発想の転換がカギになりそうですね。参考にしてください(@^^)/~~~
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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