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農家を継がなかった「セガレ」に出来ること

投稿日時:2009/02/06(金) 16:27rss

ちょっとユニークな活動をしているグループを知りました。その名も「セガレ(倅)」。農家を継がなかった子どもたちが「継げなくてごめん」という気持ちをエネルギーに、自分たちにも何かできることはないかと模索しているプロジェクトだそうです。

たとえば、都心で「産地直売会」を開いたり、イベントに参加して「いも煮」をしたり、「倅新聞」を発行して情報発信をしたり…とにかく農家を継がずに東京で働くセガレ(息子)やセガール(娘)たちが、楽しみながら農家の広報活動をしているのです。


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この会の発起人たちはみんな、農業を継げとは言わずに黙って東京に送り出してくれた父や、仕事に行き詰ってふらっと帰ったときには、何も聞かずに受け入れてくれる母のやさしさに対して、「いつか恩返ししたい」と思い続けていたんだそうです。
そのきっかけを作ろうと、農業をテーマにしたビジネススクールを受講したところ、そこで農家を継がなかった同世代の3人が知り合いになり、飲みながら実家の話をするうちに「今、できることがあるんじゃないか」と、立ち上げたのがこの「セガレ(倅)」。2007年9月のことでした。

こんな話を聞くと、つい「応援したい」って気持ちになりませんか? 私がおもしろいなぁ~と感じるのは、情報化社会が進んだことで、誰しもの心のなかにあるそんな“良心”をカタチにすることが、とても簡単になったということです。

ネット社会が生まれた頃は、「誹謗中傷」のような、どちらかといえばダークな情報が独り歩きしていたものですが、社会が成熟すると、今度はそれに勝るスピードで「良い話」が走り抜けていくようになる…ということでしょうか。

今年の初め、私のブログにも『世界が注目!? 間寛平のアースマラソン』という話題を取り上げ、「進化した情報社会とは、世界が個人の夢や純粋さを応援しやすい時代」だと書いたのですが、この「セガレ」も純粋に活動していけば、応援してくれる人がどんどん増えるのではないでしょうか。

私は企業もまったく同じだと思っています。多くの人の心のなかに眠っている「そうそう、こういうことしたかったんだよね」とか「ずっと気になってたんだけど…」みたいな部分を引き出し、それを解決してあげる商品やサービスを提供することができたなら、たいした宣伝などしなくても、世の中にあっと言う間に拡がっていくものなのです。

こう考えていくと、どうやらこの時代、経営者の発想や考え方がますます重要であることは間違いなさそうですから、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」では、『世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている』を合言葉に、ビジネスの発想力や時代の読み方のトレーニングをしてもらっています。

このブログにも、そんな視点から質の高い情報をどんどん提供していきますので、ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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