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就活動の次は“婚活”!? 言葉がマーケットを創る

投稿日時:2008/11/10(月) 11:30rss

最近、ちょっとびっくりしたことがあります。うちのスタッフから聞いた話ですが、今や「婚活(コンカツ)」が必要な時代なのだそうです。この「婚活」という言葉、みなさんご存じでしたか?

今どきの学生たちは、就職活動を略して「就活(シュウカツ)」と言いますが、その結婚バージョンというわけで、つまり、就職するために就職活動が必要なように、結婚するためには「結婚活動」を積極的に行う必要がある、とされているのです。


こんかつ


こんな言葉、いつできたのかと気になって調べてみると、どうやらこれは、家族社会学者の山田昌弘さんと少子化ジャーナリストの白河桃子さんの共著、『「婚活」時代』からブレイクしたもののようです。この本では、結婚と就職がよく似たものであることが説明されています。
そもそも昔の学生たちは、卒業が近づくと、高校の就職指導の先生が世話を焼いてれたり、大学なら研究室やゼミの先輩が紹介してくれたりして、たいした就職活動をしなくても、みなそれなりに就職先が決まっていったものなのです。

結婚にしても、近所には「世話焼きおばちゃん」みたいな存在が必ずいて、お年頃になると、どこからともなくお見合い話が舞い込んだりしたものです。

しかし、今ではすっかり状況も変わり、就職先も結婚相手も「自己責任」で見つけないといけない時代になったということです。

そんななか、「婚活アドバイザー」なる職業まで誕生しているみたいですが、「婚活」という言葉が生まれたことで、そこに確固たるマーケットが出来上がっていくのがおもしろいと思いませんか?

まず、この「婚活マーケット」に飛びついているのが、結婚情報サービス(いわゆる結婚相談所のようなものです)業界です。試しにネットで検索してみてください。上位にはずらーっとスポンサーリンクが並びます。

今後もこの「婚活」という言葉をキーワードにして、さまざまなビジネスが誕生していくのではないかと予想がつきます。こんなふうに、人の心にひっかかる「言葉」には、マーケットを創り出すパワーがあるということです(*^^)v

ということは、われわれ中小企業でも、「言葉」を生み出すことで、マーケットのトップに立てる可能性があるということですから、経営者は、そのあたりを真剣に研究すべきだと思います。

しかしながら、この「婚活」というキーワードに強く反応しているのは、もっぱら女性たちのようです。男性たちは、「いつかはできると思うが必然性を感じない」とか「女性と一緒に過ごすよりも楽しいことがある」などと考える人が多く、なかには、「生きてる女はめんどくさい」などという声まであるみたいです(――;)

満50歳になるまで一度も結婚したとことのない人の割合を示す数字を「生涯未婚率」(この言葉もかなりインパクトがありますね……笑)と言うそうですが、2005年の国勢調査では、女性の生涯未婚率が6.8%なのに対し、男性は15.4%と2倍以上の開きを見せているのです。

どうやら、「婚活」という言葉が、男性たちの心をつかむためには、もうひと工夫必要なようですね。あなたなら、どんなアイディアがありますか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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