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「高尾山」が三ツ星!? 女ゴコロをくすぐる集客の妙技

投稿日時:2008/09/19(金) 13:36rss

行楽の秋です。今、関東圏の身近な観光スポットとして、「高尾山」の人気が高まっているのをご存じでしょうか? なんと、フランスのミシュラン社が出した2007年の観光ガイドでは、「富士山」「京都」と並んで最高位の「三ツ星」に輝いたのだそうです(@_@;)


高尾山


私は、高尾山と言えば、子どもたちの遠足か中高年のハイキングスポットくらいにしか認識していなかったので、ちょっとびっくりしてしまったのですが、気になって調べてみると、そこには私たちにも参考になる、さまざまな“しかけ”がありました。
まず、高尾山の「客層」を広げることに大いに貢献しているのが、大胆にも「1000万ドルの夜景」を売り物にした「高尾山ビアマウント」の存在です。

7月から9月の期間限定で開かれるこのビアガーデンは、食べ放題・飲み放題で男性3300円、女性3000円という値ごろ感のある価格に設定されているうえ、東京都心から横浜に広がる夜景を一望しつつ、山の清々しい空気のなかでビールが飲めるとあって、週末はケーブルカーが2時間半待ちになるのもめずらしくない光景なのだとか。

実はここ、1954年に開業した歴史のあるビアガーデンなのですが、3~4年前にあることに気づき、PRの仕方をがらっと変えたことから、人気が高まっていったみたいです。

そのあることとは、徹底的に「女性」を意識した戦略です。最近では、家族のお出かけや、仕事仲間などの飲み会でも、決定権を女性が握っているのが多いことに目をつけ、ビアガーデンでありながら、「チョコレートフォンデュ」、約10種類の「フルーツ系カクテル」、手作り「シフォンケーキ」など、女性ウケするメニューを意識的に増やしたのです。

また、ケーブルカーを使えば、都心からハイヒールを履いたままでも、ベビーカーを押したままでも来られるという“利点”をアピールしたことで、6年前は約3割だった女性客を、今年(2008年)8月には46%にまで増やすことに成功したそうです。

さらに、今年の5月からは首都圏1700万世帯を対象に、広末涼子さんを起用したテレビCMを流しはじめています。コンセプトは「遠足に行こう。」で、20~30代の女性に向けて、「子どもの頃に行った遠足の楽しさを思い出してもらいながら、都心から日帰りで行ける気軽な観光地」であることをアピールする作戦です。

この10月には、都心で働く女性を招待してイベントを開催する予定があり、高尾山の薬王寺でのヨガ・座禅体験に加え、代官山で人気のオーガニック弁当を用意したり、人気歌手熊木杏里さんのライブも計画しているみたいです。

少し前に、私のブログでも「高野山カフェ」の話題を取り上げましたが、「寺=老人」「遠足=子ども」「ハイキング=中高年」というありきたりな既成概念を捨てれば、意外と新しいマーケットが見えてくるものなのです。

たとえ同じ商品やサービスでも、ターゲットやPR方法を見直すことで、マーケットが大きく広がる可能性もあります。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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