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企画力で勝負! 「カトージ」の高級ベビーカーに学べ

投稿日時:2008/09/05(金) 13:55rss

今や少子化が進み、子ども相手の業界はどこも企業努力を余儀なくされていると思います。そんななか、商品の企画力に磨きをかけ、高級化路線に舵を切ることで、とても成功している会社があります。

愛知県犬山市にある「カトージ」という、1954(昭和29)年にベビー用品の卸売りから始まった会社ですが、今では東京・代官山に専門店を持ち、1台7万円近いベビーカーが、ふつうに売れていくようです。


カトージ


大手メーカーでは手の回らない“ニッチ”な市場を狙うのがこのカトージの戦略で、2003年に発売した、アルミフレームを採用することで重さ3キロを切った軽量ベビーカーは、ネットやクチコミで話題となり、初年度に3万台を売るヒットを飛ばしました。

同社いわく「自動車で言えば外車のようなベビーカーを目指している」そうですが、従業員数わずか50名規模の中小企業が、こうしたユニークな製品を生み出せるのは、「商品企画」にのみ力を注ぎ、生産は100%外部に委託しているからです。
この業態は「製造小売り」と呼ばれる、ユニクロやギャップと同じビジネスモデルで、自社工場を持たないことで経営的にメリットが生まれます。今年1月に代官山にオープンした専門店は「アンテナショップ」としても機能させることで、持てる経営資源をすべて「企画開発」に集中させているわけですね(*^^)v

今、力を入れているのは、「最軽量」とは反対に、「重くてがっしり」したベビーカーです。なんと、車体重量は14.5キロ。海外製のものと比べてもトップクラスの重さだそうですが、その分、安定性を高めるベアリングやショックを吸収するバネを備え、ゆりかごやベットとしても使えるようなベビーカーとして作られています。
同社の加藤社長は、月の3分の1を海外で過ごし、契約工場や現地のベビー用品の展示会の視察などを繰り返しながら、常に新たなアイディアを出し続けているそうです。

「利幅の薄い低価格品だけでは、いずれ行き詰ってしまう。いつも誰もやっていないものをつくろうと心がけている」という加藤社長の言葉は、われわれ中小企業が採るべき経営戦略の方向性を指し示してくれているかのようです。

実りの秋。ぜひこの事例を参考に、自社の商品戦略を見つめ直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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