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屋形船で焼肉!? 既成概念を外したアイディア戦略

投稿日時:2008/08/22(金) 15:13rss

先週は夏休みで、みなさん様々な楽しみ方をされたと思いますが、夏の風物詩のひとつである「屋形船」が、最近、かなりの“進化”を遂げているようです。

ひと昔前のイメージでいえば、「屋形船=お座敷で刺身や天ぷら」でしたよね。確かに風情はあるのですが、正直なところ、口の肥えている最近のお客さんたちの多くは、「屋形船=おいしい料理」とは感じていなかったのではないでしょうか。

しかし、屋形船も時代のニーズに合わせて、着実に進化を遂げました。屋形船の「大御所」では、昨年、設計の難しさを乗り越えて、「焼肉屋形船」を就航し、なかなかの人気ぶりのだというのです!(^^)!

屋形船

船内には、無煙ロースター付きのテーブル席が並び、そこはさながらレストランのよう。料理を仕切るのはフランス料理のシェフを長く務めた方で、厳選された佐賀牛を取り入れた、独創的な焼肉会席料理がいただけるのだそうです。テーブル席にしたことで、年配者にも「これは楽だ」とウケがいいのだとか。

内装デザインには、女性インテリアデザイナーを起用し、洗練された和モダンな空間を実現。他のお客さんの目を気にせずグループごとに楽しめるようにすだれで仕切ったり、トイレなどもすごくキレイに作ったようです。
じつは、近年、屋形船を取り巻く経営環境はとても厳しいものがありました。会社の宴会などの団体客需要は減る一方で、そのうえ原油の急騰です。いくら「伝統を守る」といっても、発想を広げない限り、先行き不安なのは明らかな事実ですよね。

そうした背景もあり、この焼肉屋形船をはじめ、「もんじゃ焼き」が食べられる屋形船、内装を葛飾北斎一色でまとめた「北斎」船、少人数でも楽しめる小型船に沖縄の楽器「三線(さんしん)」奏者を乗せた「沖縄満喫屋形船」など、みなさん独自のアイディアをもって、なんとかこの苦境を乗り越えようとがんばっているわけです。

ちょっと話は変わりますが、最近「カラオケボックス」がまったく違った使われ方をし始めているのをご存じでしょうか? なんでも、「歌わない」利用客が急増中なのだとか(@_@;)

子ども連れの主婦たちのランチ会(たしかに、子どもたちが騒いでも他のお客さんに迷惑かけることもありませんよね)、はたまた、ビジネスマンが「会議室」として使ったり、漫画家がちょっとした仕事部屋代わりに使う例もあるといいます。

斬新なアイディア出しが要求されていて、社内の会議室だと、どうしても違った発想をすることが難しいといった場合など、この「カラオケボックス会議」が意外な成果を生むこともあるみたいです。

それはともかく、昼間は安い金額で利用できますし、なにより「時間単位」で区切られていますから、漫画家さんのように締め切りをかかえた仕事に利用するのも、結構いいのかもしれません。

それにしても、「カラオケボックスで歌わなくていい」とは、「主力商品を買わなくていいですよ」とお客様に宣言したのと同じようなことです。

こうした利用法は、どうやらお客さんたちが「勝手に開発」したみたいですが、これも、「商品やサービスは“川下”(=顧客側)から発想せよ」という「マーケットアウト」型のマーケティングの一例でしょうか。

屋形船やカラオケボックスに限らず、ますます経営者は「既成概念」を外し、柔軟な発想を持って事に当たる必要がありそうですね。参考にしてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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