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もしも「電報」というインフラに自社商品を乗せたら!?

投稿日時:2008/08/08(金) 11:41rss

今、ユニークな電報が続々と誕生しているのをご存じでしょうか? ディズニーキャラクターの電報が世に出たときもちょっとびっくりしましたが、最近では「リカちゃん人形」付きの電報や、結婚式に身に付けると幸せになると言われている「ブルー」のアンクレット(足首に付けるブレスレットのような装飾品)付きの電報なども登場しているのです。

リカちゃんはウェディングドレスを着ていて、結婚式の祝電にひっぱりだこ。昨年は限定発売の4,000体を完売した実績もあるそうです。下の写真は、今年バージョンの限定版です。

「リカちゃん人形」付き電報

NTT東日本によると、電報の発信件数は昭和40年に約9,000万通を記録したものの、パソコンメールや携帯メールなど、新たな通信手段の登場で年々減少の一途をたどるばかり。平成18年には、約1,860万通にまで激減したようです。

そんななか、同社の子会社で電報事業を手がける「テルウェル東日本」では、減少傾向にある冠婚葬祭需要を追いかけるばかりでなく、誕生日や入学・卒業のお祝い、還暦や米寿などのお祝い、はたまた父の日や母の日など、新たなシーンでの需要を掘り起こす戦略を取りました。

今や定番になりつつある、キティちゃんやドラえもんのぬいぐるみが付いた「キャラクター電報」、プリザーブドフラワーや本皮ブックカバーを添えた「カジュアル電報」など数十種類を用意しています。

今年の母の日には、宝石箱としても使えるオルゴールボックス付きの電報が人気を集めたそうですよ。電報と同時にプレゼントも贈れちゃう感覚で、なかなかいい企画ですよね(*^^)v
同社では「電報という(相手の)想定外の手段でサプライズ感を演出でき、メールでは伝えきれない感謝や励ましの心を贈ることができる」と、人気の背景を分析しているようですが、本当にそのとおりだと思います。

Eメールというバーチャルな通信手段が主流になった今だからこそ、「リアル」に物が届くということに、かえって“ありがたみ”が増しているのだと思います。

冒頭で紹介した「リカちゃん付き電報」は、インターネット経由のサービス「ベリーカード」を展開する「ヒューモニー」が企画したものですが、同社ではそのほかにもガチャピンとムックの声でメッセージを届ける「しゃべキャラシリーズ」など、計64種類をそろえています。

今年5月に発売した中日ドラゴンズのマスコットキャラクター「ドアラのぬいぐるみ付き」は、発売初日だけで150通の申込みがあったそうです!(^^)!

一方、“地球へのギフト”も兼ねた「ECO電報」を扱うのは大阪市のKSGインターナショナル。砂漠化が進むモンゴルで植林活動を続けるNGOと提携し、「e-denpo」1通につき1本の木を植える寄付が行えるのだとか。

先に紹介した「アンクレット付き」もこの会社の企画で、そのほか直筆サインや顔写真入りなどユニークな商品を企画し、前年比2倍以上の売り上げが続いているようです。

こうした新規参入企業に、自社商品を付けた電報の企画を提案してみたら、結構すんなり通るかもしれませんよ。試してみる価値はあると思います。もちろん、商品を売りたいがための発想ではダメで、企画力が勝負になってくると思いますが…。

たとえば、けんかをしてしまった相手や、仕事上のちょっとしたミスでご迷惑をかけてしまった相手に「謝る」ための電報なんてどうでしょう。こんなふうに考えれば、まだまだユニークな企画が生まれてくると思います。

夏休み中の、ちょっとした“経営脳トレ”の課題として、楽しく考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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