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「置き薬」がタイに!? “日本方式”の海外進出

投稿日時:2008/08/01(金) 15:10rss

その昔、「富山の置き薬」として発祥した、先に薬箱を設置して、その中から使った分だけ代金を払えばいいという置き薬事業が、先月(2008年7月)からタイでスタートしたようです。

来年をめどに、タイ政府が日本財団の助成を受け、風邪薬や解熱剤などをキット化して1,200世帯に配布する予定で、増大する医療費の削減と公衆衛生の向上を目指すのだそうです。

置き薬

この「置き薬方式」は、すでにモンゴルで実績を上げているそうですが、ご存知でしたか? モンゴルの置き薬事業は、NGOの「ワンセンブルウ・モンゴリア」が、遊牧民1万世帯以上を対象に実施していて、診療所まで数十キロの距離に住む世帯などから、とても感謝されているみたいです。

昨年、世界保健機関(WHO)と同財団がモンゴルの首都ウランバートルで国際会議を開いた際に、この置き薬事業が「Nippon Method(日本方式)」として紹介され、これをきっかけに、医療費の膨張に悩むタイ政府が導入を検討し始めたのだそうです。
タイ政府と同財団との協議で、総事業費約65万ドル(約7,000万円)の事業計画がまとまり、タイで現在活躍中のヘルスボランティアの方々に、薬の配布と代金回収を担ってもらう方針だそうですが、こんなふうに「日本人の知恵」が世界で役立つのはとてもうれしいですよね。

日ごろのビジネスで、経営者の知恵は相当磨かれているはずですから、みなさんも自社の「日本方式」を海外に輸出する…という発想を持つと、また新たな世界が広がるかもしれません!(^^)!

そうそう、「置き薬」の話でちょっと思い出してしまいましたが、この方式を他業界で展開したのが、「オフィスグリコ」です。職場に、お菓子ボックスを置き、そのなかから食べた分だけ代金を支払う、という方式です。

当初は、女性社員に受け入れられるだろうと予測していたものの、実際に設置してみると、残業で小腹がすいた男性社員の利用が多かった、などという話も聞いたことがあります。

いずれにしても、経営者が「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている」という視点を持っていれば、経営のヒントはいたるところに転がっているものです。

「それにしても景気が悪い……」などと嘆いてばかりおらず、この夏も元気に頑張っていきましょう(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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