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「恵比寿横丁」に学ぶマーケット再生術

投稿日時:2008/07/25(金) 14:29rss

こう暑い日が続くと、「帰りにビールでも一杯…」なんて気分になりますが、先ごろ恵比寿に誕生した「恵比寿横丁」が、たいへんな賑わいをみせているようです。

もとは、昭和39年に開業した「山下ショッピングセンター」だった場所なのですが、バブル崩壊後は、23店あった店舗は後継者が見つからないなどの理由で、相次いで閉店していきました。「恵比寿横丁」はその当時の区画をそのまま生かしたかたちで、まさに“再生”したのです。

恵比寿横丁

この恵比寿横丁をプロデュースしたのは、「ネオサポート」という会社のようですが、「独立希望の料理人の多くから、少ない投資で開業できる小規模物件はないか」という相談をうけるなか、この物件に出会ったと言います。

一区画3~5坪というこの物件は、そういった意味では最適で、飲食店コンサルタント業の「店舗プレミアム」が一括借り上げし、整備したうえで開業希望者を募ったところ、口コミだけで50人以上の応募があったのだとか。

そのなかから「長屋的なつきあいができる人」という観点で選んだ店が13店。やきとり、おでん、串カツなど、ひところ人気を博した「屋台村」を思わせる店が連なるなか、7席だけの「野菜とワインの店」や「TVチャンピオン」の全国中華料理人選手権チャンピオンの店などもあるようです。
特にマスコミに取り上げられたわけでもないのに、ネットと口コミのおかげで、今年(2008年)5月のオープン以来連日客足が耐えることはなく、なかには数軒「はしご酒」を楽しむ人や、月に何度も通ってくるリピーターも多いみたいです。

「恵比寿横丁」自体も、きちんとホームページを作っていて、店舗紹介なんかをしているのが、今っぽいですが、いくら世の中が進化しても、人が「長屋的な」温かさを求める気持ちに変わりはないんですね。それも、テーマパークのように「作られた」場所ではなく、「リアルな人間臭さ」がより求められるようになっているのかもしれません。

それはともかく、今は消費者の好みも多様化し、ブームやトレンドが変化するスピードも速いですから、ひとつの店舗に多額の投資をするのは、経営的にとても高いリスクを抱えることになります。

そういった意味では、こうした「リスク分散型」の展開はとてもありがたいしくみですし、テストマーケティングの場としても、かなり有効だと思います。

この事例は、ちょっと錆びれつつある商店街など、地域の活性化はもちろん、企業同士のコラボレーションのかたちにも、何らかのヒントを与えてくれるような気がします。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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