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「素人動画」を自社の広告戦略に活用する

投稿日時:2008/06/06(金) 15:29rss

これまで、テレビCMをはじめとする“動画”の制作には、莫大な費用がかかるものと相場が決まっており、中小企業にはとても敷居の高い存在でした。ですが、情報技術の目覚しい発展は、その敷居をかなりの勢いで低くしてくれたようです。

これは、テレビとは別に、インターネットという巨大なメディアが出現したこととも大きく関係しているのですが、今、「素人の作る動画」を、積極的に自社の広告戦略に活用しようという企業も現れています。

filmo

そんなムーブメントを素早く察知し、昨年春にそのしくみを立ち上げたのが、マーケティング支援の「エニグモ」です。同社の手がける『filmo(フィルモ)』では、“素人CM制作軍団”を約2万人もかかえ、企業のCMを制作しています。

企業側から“お題”が出されると、この企業のCMを作ってみたいと思ったクリエーターの卵や美大生、あるいは映像に関しては全くの素人も含めた制作軍団が、いっせいに動画の制作にとりかかります。

そのなかから、一定の条件を満たした作品には、数千円程度の制作費が支払われ、特に優秀な作品には、最高12万円の賞金を渡しているようです。

この“素人CM”は、エニグモのサイト「Filmo TV」や「YouTube」で公開されているようですが、「プロの気づかない視点」に立ったものが多く、予想外の効果を発揮する場合もあると言います。確かに、お店や商品のことは「お客が一番知っている」のかもしれませんね(*^^)v
昨年秋には、JTBなどが中心となって、横浜市内の約200店舗を対象とする「素人CM」の実験が行われ、500作品に上る応募があったそうです。この実験でシステム面を担当した「QLOP」は、『勝手広告』と銘打って、企業に頼まれてもいない広告を勝手に制作し、十数作品をネットで発表しています。

なかには、企業側からも「自分たちにはなかった視点でおもしろい」といった声が寄せられるほど、完成度の高い作品もありますし、今や「勝手広告」はネット上でひとつのジャンルとなって、増殖を続けているようです。

すでにアメリカでは、コカコーラやアップルなどが、こうした素人動画を巧みに使った広告戦略で成功を収めていますが、私は、中小企業こそ、こうしたしくみに上手く乗っていくべきではないかと考えています。

もちろん、著作権や公序良俗に関する問題もありますし、度が過ぎれば、逆に企業イメージを損ねたとして問題になるケースも出てくる可能性はありますが、そうした心配をさておいても、取り組むべきメリットを感じます。

もう、イメージだけではモノが売れない時代です。独自の鋭い切り口や新しい感性で、商品やサービスを紹介するユニークな素人動画を、もっと活用すべき時が来たのではないでしょうか?

たとえば、自社で作品コンテストを開催するなど、企画しだいで、自社もクリエーターの卵たちも、互いに喜べるしくみが誕生するかもしれません。今回の事例を参考に、ぜひアイディアを広げてみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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