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なとりの珍味を「お菓子」の棚に並べる戦略とは

投稿日時:2008/04/04(金) 17:55rss

まもなくお子さんが入学式を迎えるご家庭も多いかもしれませんが、「受験」の荒波を乗り越えようやく迎えた「春」を祝福したいと思います(~o~) しかしながら、近年、この「受験」をキーワードに、お菓子業界が“激戦”を繰り広げているのをご存じでしょうか?

少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。


あたりめ


「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。

そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)

確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。

最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。

そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v 

近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。

「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。

この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。

いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明 氏

経営コンサルタント。日本経営教育研究所代表、僖績経営理舎株式会社代表取締役。

現在、「成功哲学」「売れるしくみづくり」「成長のための組織づくり」「プロ経営者の育成」などをテーマに中小企業から大手企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する『高収益トップ3%倶楽部』には全国延べ3,500社が参加。

2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』や独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は年間ダウンロード回数が650万回を超えている。主な著書に『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)や『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです! 』(サンマーク出版)、『すべてが見えてくる飛躍の法則 ビジネスは、<三人称>で考える。』(アスペクト)、 『トップ3%の人だけが知っている仕事のルール』(中経出版)などがある。

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