石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
なとりの珍味を「お菓子」の棚に並べる戦略とは
まもなくお子さんが入学式を迎えるご家庭も多いかもしれませんが、「受験」の荒波を乗り越えようやく迎えた「春」を祝福したいと思います(~o~) しかしながら、近年、この「受験」をキーワードに、お菓子業界が“激戦”を繰り広げているのをご存じでしょうか?
少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。
「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。
そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)
確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。
最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。
そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v
近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。
「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。
この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。
いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。
「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。
そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)
確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。
最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。
そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v
近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。
「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。
この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。
いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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