大きくする 標準 小さくする

«前の記事へ 次の記事へ»


中小企業向け「エコ」認証

投稿日時:2007/10/12(金) 14:22rss

みなさんのなかには、ISOなどの国際規格をお持ちの会社もいらっしゃるかもしれませんが、その取得にあたっては専門知識も必要ですし、それなりの費用もかかり、中小企業にとってはかなりハードルの高いものであることも事実です。そんななか、費用が安くて手間もかからない「地域版環境認証」が各自治体で生まれているのをご存じでしょうか?

京都では、「京都・環境マネジメントシステム・スタンダード(KES)」という環境認証がスタートしていますが、これは京都市や企業、市民らが集まった「京のアジェンダ21フォーラム」のなかで、中小企業向けの規格を求める声が高まったことから、2001年に作られたもののようです。


KES



ISO14001などの国際規格は、取得に100万円程度、コンサルティング費用などを含めると数百万円かかるケースも多いようですが、このKESの取得には、初級レベルで約10万円、ISO14001と同じ要求水準を設けたレベルでも約30万円だそうですから、中小企業にとってはありがたい規格です。
実現の裏には、大企業を退職した専門家らがボランティアとして取得企業の認証や管理を助けているために費用が安いというからくりもあるようですが、KESの管理は、フォーラムからNPOの「KES環境機構」が受け継ぎ、01年には104件だった登録数も、07年8月末時点で1,020件にまで増えているそうです。

その他にも、地域版環境認証は、青森県弘前市の「ASE」、東京都の「エコステージ」、横浜市の「Y-ES」など、全国で約15ほどあり、その管理機関はNPOが多いものの、なかには「企業」が主体となっているものもあるようです。

行政も活用を促していて、取得費用の補助制度がある自治体もあるのでよく調べてみるといいかもしれません。さらに、金融機関までが関連商品を開発しているのにはちょっとびっくりしましたが、たとえば三井住友銀行では、「ビジネスセレクトローンECO(エコ)」という商品を作り、環境認証を持つ中小企業向けに、5千万円を上限に貸し出し金利を最大0.5%優遇してくれるそうです。金融機関としても、環境に配慮している企業に融資することで、社会貢献をアピールできるメリットもありますよね。

それはともかく、ようやく「エコ」がビジネスに結びついてきた感がありますが、「国際規格」だからといって海外に多額の費用を払うばかりでなく、日本国内でそれに見合う取り組みが始まったことはすばらしいと思います。

まさに「その手があったか!」みたいな感じがします。この規格を海外の企業が日本に取りに来るようにまでなればさらにいいですね(*^^)v 自治体のなかだけに目を向けず、PR方法も含め、もっと視野を広げて大きく考える団体が出てくればおもしろいなぁ~などと考えてしまいました(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

board_member

石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

バックナンバー

<<  2024年11月  >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近の記事

このブログの記事タイトル一覧(608)


RSS