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「QRコード」の知って得するお話

投稿日時:2007/04/13(金) 15:17rss

携帯電話から簡単に目指すホームページにアクセスできることですっかりおなじみになった「QRコード」ですが、「QR」とは何の略だかご存じですか?

……正解はクイックレスポンス! しかも、このQRコード、もともとは、トヨタの生産
管理システムのために開発されたものだと知って、ちょっとびっくりしてしまいました。


qrcord


開発元は自動車部品大手のデンソーです。「ジャスト・イン・タイム」を旗印とするトヨタは、工場に搬入される部品の製造元や品番をバーコード管理していたんですが、90年代に入ると生産台数の増加に伴い、バーコードの容量が不足したことから、新たなコード開発を、系列会社であるデンソーに依頼したんだそうです。

そこでデンソーが目をつけたのが、バーコードの数十倍もの情報量を読み取れる2次元コード。生産現場で使うため、汚れや破損に対する強度や、読み取りの早さと利便性を最大限考慮し、開発から2年で「QRコード」が完成。97年からトヨタの工場で使われ始めました。

しかし、あくまでも「社内利用」ですから、いくらトヨタが大企業とはいえ、このままでは世の中に広まらないと判断したデンソーは、数々の特許を取得したこの仕様を、潔く無償公開したのです。

それにとびついたのが、携帯電話業界でした。02年にJ-フォン(現ソフトバンクモバイル)が、初めてカメラ付き携帯にQRコード読み取り機能を搭載したのです。それからは、みなさんご存じのとおり、他社携帯にも採用され、今ではごく一般的に使われるようになりました。

昨年9月からは、ANAのチェックインレスサービスに利用され始めたり、来年からは、厚生労働省が健康保険証に印刷する予定だそうです。

日本生まれのQRコードは。1文字のデータを効率的に圧縮して入力できるため、複雑な漢字でも、文字化けせずに読み取れる強みがあります。

とは言うものの、国際的に見たら、規格を取得している2次元コードの中で、このQRコードの認知度はまだまだなんです。米国のほとんどの州で免許証に印刷されているモトローラの「PDF417」や、ドイツで切手代わりに印刷されている「データ・マトリックス」に比べればとてもマイナーな存在なのです。

今後は、アジア圏を中心にさらなる拡大を図りたいところですが、そのためには、「QRコードを使うとどんな風に便利か」という利便性を、世界に向けてよりわかりやすく伝えていくことがキーになると思います。

これからの時代は、「高い技術力」があっても、それを世界に発信できない限り、生き残りは難しくなってくるでしょうから、「情報発信力」をあわせ持つ企業にしか、決して軍配は上がりません。

そういった意味で、QRコードの今後の発展を温かく見守りつつ、経営者として、自社の情報発信力にますます磨きをかけてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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