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優秀な実習生に『入社パス』を発行する会社

投稿日時:2006/09/25(月) 11:07rss

会社を経営していく上で、「優秀な人材の確保」はビジネスの生命線にも関わる重要な問題ですが、たいへんユニークな方法で、優秀な人材を集めている会社があるのでご紹介しようと思います。

東京・港区が本社のIT企業ワークスアプリケーションズという会社ですが、この会社では、インターンシップに参加した学生の中から成績優秀者に対し、3年ないし5年の間ならいつでも入社できるパスを与えるというのです。おもしろいことを考えましたよね(*^^)v


入社パス


8月1日~25日までの期間、今年の第3期インターンシップ生となる300人近い学生が、間仕切りのない約850平方メートルの広さの部屋に集められ、プログラミングの入門書と、ネットにつながっていないパソコンが各自に1台与えられた上で実習がスタート。

この期間の実習課題は「ホテルの業務管理システムを構築する」というもので、期間中は日給1万円が支払われるものの、参加者は実習期間中盤で、社員相手に自分の開発した製品を売り込み、そこで認めてもらえなければ直ちに実習終了となるそうです。

次の段階に進めた人も、最後にもう一度社員に営業活動をして、入社パス取得者が決まるのだとか。若干の辞退者もいたそうですが、最終日を迎えられた学生は174名ほどだったといいます。
そもそもインターシップを受けるには、まず説明会に参加し、筆記試験をパスする必要があり、昨年は約1万人が説明会に参加、1,240名がインターンシップに進み、そのうち470名に入社パスを発行したそうです。

パス発行は今年で5年目で、これまでパス発行者の約半数が入社しているそうですから、なかなかの確率ではないでしょうか。一度他の会社で働いたり、起業したものの、思い直して入社してくるなんてケースもあるみたいです。

この会社が学生の何を見ているかというと、決して技術や知識ではなく、論理的な思考能力や問題解決能力、発想力などの資質です。こうした資質は、筆記試験や面接だけではなかなか見抜くのは難しいものです。

学生にも実際の体験を通して、この会社でやっていけるかを良く見極めてから入社を決めてもらった方が、お互いの幸せのためにいいですから、本当にうまいやり方を考えたものだと思います!(^^)!

このワークスアプリケーションズの今年6月期の売上高は、約142億円ですが、ざっと計算しても、このインターンシップに数億円単位の経費をかけていることがわかります。ソフト開発の会社ですから、人材こそ企業成長の決め手であることをよくわかっているのでしょう。

この事例を参考に、あなたの会社は採りたい人にとって魅力的か、採用したい人に向けてのメッセージは十分発信されているか、また採用のやり方に見直すべき点はないかなど、じっくり考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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