石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2020年02月21日(金)更新
ニュースリリースの効果的な出し方を教えてください
御社ではどんな取り組みをされていますか? よかったら一緒に考えてみてください。
== 質 問 ==
自社をメディアに取り上げて欲しいと思っていますが、ニュースリリースを出しても思うような反応が来ていません。ニュースリリースの効果的な出し方を教えてください。
== 回 答 ==
ここ最近は、メディアの傾向も随分変わって来ているので、いきなりメディアにリリースを送って、掲載依頼をかけるよりも、まずは自社のネットメディアやSNSで関心を集めてそれが取材されるという流れに乗った方が良いと思います。
== 解 説 ==
意図的または偶然かは別にして、メディア掲載によって宣伝効果を上げ、売上げが上がりブランド化して儲かった企業や個人の例がちょっと前のマーケティング系の本にたくさん紹介されているので、自社もその方法でメディア掲載をと考えているかもしれませんが、マスコミやメディアというのは一番変化の激しい場所なので、一瞬でやり方が変わったり、完璧に同じ方法をとっても効果がまったく無かったりするものと考えてください。
それに、本に書かれているということは、そのノウハウは既に大勢の知る所となっている訳ですから、大量の似たようなリリースがメディアに届いていると考える方が当然なので、もし、そういった方法を使うのであれば、アレンジにアレンジを加えて、相当オリジナルな方法を編み出さないと、メディアの目に留まることは無いと考えてください。
また、そもそも、雑誌やTVに広告を出すとしたら数百万円~数千万円、もっと凄い場合は数億円の費用が掛かる露出を無料でしようと考えている訳ですから、才能でこれをクリアーするのは不可能に近く、ほとんどが偶然の産物と思います。
・・・マーケティング本は、その偶然起きた結果を、こうすればこうなると後付けで書いていると考えれば分かると思います・・・嘘ではないですが、実現はほぼ不可能・・(-_-;)
では、どうすれば良いかですが、現在のメディアはかなりネットの情報に依存している(ネットで人気があるかを確認してから掲載する、ネットからネタを探している)傾向があるので、その傾向を利用して、ネットからのメディア露出を考えた方が良いと思います。
方法は、自社でネットメディアを持つか、SNS等を利用して、まずはネットで人気が出ることを目標として、結果メディアから注目され、露出するというやり方です。
掲載した情報が、一般大衆の目に留まる、そこから人気が出てクチコミされる、更に広がるということを考えると、ネット(特にSNS)ほど簡単に露出の効果を試したり練習するツールも無いと思います。また、それがそのまま人気となれば、ネット上で拡大し、メディア掲載やTV放映にもつながるので、こんなに便利で役に立ちなおかつ実践にも繋がっている練習プラットフォームは無いということですね。
そう考えてネット上で、実践的な練習をするのが一番良い方法ということです。ぜひ、ネットからのメディア掲載を考えて、自社ネットメディアやSNSの活用を学んでほしいところです(@^^)/~~~
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2020年01月27日(月)更新
完全受注生産でやってきた会社の「新製品」の価格設定
そんな中、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会に参加された方から、こんな質問が届きました(#^^#)
あなたなら、この質問にどうお答えになりますか? よかったら一緒に考えてみてください。
== 質 問 ==
これまで完全受注生産で事業を進めている製造業ですが、今回、自社の技術を活かした消費者向けの新商品を開発し販売してみようと考えています。
このような場合に価格の設定はどうしたらよいかと考えています。基本となる考え方をアドバイスください。よろしくお願いします。
== 回 答 ==
テスト開発の段階は、無料で提供して一緒に研究してもらう形が良いと思います。完成して販売に入ったら、最初は高く設定して数が出て行くにしたがって値段を下げて行くのが良いと思います。これは、海外では定番の商品開発の仕方なのですが、日本ではあまり知られていない方法です。
== 解 説 ==
中小企業が自社で商品を開発して販売する=メーカーへの選択をした場合に、間違いやすい一番の問題は、販売に移る際に“最初から量販品の価格”に商品価格を設定しようとしてしまうことです。
これは、製造業が世界的レベルに進化して巨大なメーカーが乱立している日本と言う特殊なマーケットの中で育ってしまった日本人の常識がそうさせるのですが、世界的に見てほとんどのメーカーはお金がほとんどない状況で立ち上がって行く(=最初から潤沢な資金が無い)ために、最初の製品の製造コストは恐ろしく高くなります。
既存の日本メーカーは、既に潤沢に資金があり調達もできるので、そういった商品を将来的にたくさん売れると判断して最初から量産に入り、価格を安くできるのですが、中小企業がこれと同じやり方を目指してもできない訳ですから、本来はまったく違った方法を取らなければなりません。
では、どうしたら良いかですが、それは、最初のロットは高くして開発コストを回収し、徐々に数量を伸ばして行く中で、価格を安くしていき、徐々に量産体制に持って行き、価格を下げて行くというやり方です。
これを言うとみなさん“え?”と言う感じになりますが、もともと世界中の全てのメーカーはこうやってビジネスを組み立てて行ったと考えると理解できると思います。
最近だと宇宙開発に向かったバージン社などが、この方法で開発計画を立てているので、こういう観点からこの事例を考えると、なるほどと分かると思います。
バージンは最初に宇宙に行ける権利を、確か1人3億円位に設定して100人位?に販売し開発費を捻出。次の価格は3000万円にして3000人?とかに販売して開発を進め、最後は300万円でたくさんの人が宇宙に行けるみたいな計画で販売価格を決定したと思います。
※これ、かなり曖昧な記憶で書いているので、詳しく知りたい方はネットで検索して調べてくださいね(-_-;)
私達は、これを聞くと瞬間、最後には300万円の価格で宇宙に行けるのに、最初の人に3億円で販売はひどくないか?と、考えてしまいますが・・・更には、製造業の方はそうとしか考えないトラウマみたいな感じの“価格に対する思考”に支配されていますから、ビックリすると思いますが、実はこれが正しい製造業の商品開発と価格設定のやり方なのです。多くの電気製品も、自動車も、飛行機も、実はこういう過程を経て、世の中に生み出されてきた訳ですね。
さらに言うと、こういった高い製品やサービスを、最初に使う人、または会社は、最初に使えるという権利とそこから生み出されるいろいろな利益をしっかり理解して購入しくれると考えると、このバランスはとても正当だと理解できると思います。
先日とあるコンサートに行ったのですが、初めて見る3D動画がステージいっぱいに広がりビックリしました(◎_◎;)
これはかなり高額だと思いますが、今を時めくトップアーティストだからこの3D画像が使えるんだな~さすがだな~と、本当に感心しました。
こう思われることで、また、この動画が新しいので色々なメディアにも露出すると考えると、この動画の費用を遥かに超える口コミやメディアでの拡散等による利益が彼らのブランドを更に上げると予想される訳です。
機械などもそうで、どこにも入っていない機械で製造コストが1/10になるモノを買ったら、その企業がしばらくマーケットを独占できますよね。
どうですか? 「最初は高く」は、ユーザー側にとっても価値のあることですよね。これらのことを参考にメーカーへの全体のプランを考えてみてください。期待しています(@^^)/~~~
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2020年01月20日(月)更新
富裕層ビジネスに向けての“お金持ち”の見つけ方
== 質 問 ==
富裕層ビジネスに興味があります。ズバリ!お金持ちの見つけ方教えてください。
また、富裕層ビジネスでの「4ステップマーケティング」の展開例をご紹介いただけると助かります。
== 回 答 ==
お金持ちを見つける一番良い方法は、お金持ちを顧客にしている企業やサービスの顧客にご自身がなることです。これから富裕層ビジネスをされたいということならば、なおさらこの方法が良いと思います。
また、基本的に富裕層ビジネスで成功している企業やサービスならば100%(本人の自覚が有る無しによらず)4ステップマーケティングを実行しているはずですので、事例も体験を通して学ぶことができると思います。
== 解 説 ==
4ステップマーケティング”について詳しく解説している、私の著書『営業マンは断ることを覚えなさい』にも書いていますが、「集客の方法」は“集めるor行く”の2択です。
そして、この「集客の方法」は、求める顧客の層の違いによって使い分けることをお勧めしています。企業や個人両方に於いて、一般層の顧客(企業の場合は中小企業)やネット等でアプローチできる場合は、考えられるそれぞれの方法で集客することをお勧めしていますが、そういった集客手法が当てはまらない顧客層に対しては“行く・加わる・参加する”等の手法で、見込客と接触する集客方法が適切で正しいと説明しています。
ということで、富裕層の見つけ方で一番正しいのは、求めるレベルの富裕層を顧客としている企業やサービスの顧客に自分自身がなること、というのが回答です。
かなり前の話になりますが、新しく生まれたサラブレッドのオークションに顧問先のお供でご一緒したことがありましたが、そこには、富裕層を顧客にしたい宝石商や不動産業、証券会社などの金融系企業や個人がたくさん参加していました。
人気馬の子供には、2000万円からスタートし、一気にヒートアップして数秒間で数億円という値段が付いていましたが、まさにオークションという雰囲気で、最後は富裕層の意地と意地のぶつかり合いみたいで、迫力満点でした(@_@;)
ちなみに、当時、競馬の出走馬サラブレッドの馬主は2000人しかいない=上場企業の社長より数が少ないとのことでした。また、資産や身分等のチェックも相当厳しいとのことでしたので、およそ日本中の富裕層がその場に集まっていることになる訳で、凄い所に来てしまったとビックリしたことを覚えています(p_-)
そこにいた普通っぽい方に声をかけたら、先ほど話した証券系の会社の部長クラスの方で、ここに参加するために、企業でホースクラブを作りそのクラブで共同馬主になって毎年ここに参加していると話していました。
そして、狙った層の顧客に対して、数年かけてアプローチして少しずつ顧客へと移行させていくと話していました。彼曰く、ここに集まるレベルの富裕層には通常絶対に接触することはできないので、毎年この場にいる事で、信用や信頼を築き、本当に凄い顧客候補の場合は「毎年会うよね」と先方から声をかけてもらう事を目標にしていると言っていました。
本当の富裕層に対する“4ステップマーケティング”はこのレベルでするのかと、当時思ったことを思い出しました。この事例、ぜひ参考にしてくださいね(@^^)/~~~
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2019年12月16日(月)更新
「ネット集客」からの方針転換は必要か ~その5~
== 質 問 ==
最近の石原先生が発信する情報から、ネットとリアルの立ち位置が大きく変わっていくことをようやく理解しました。「リアル重視」で考えた時に、最初の集客の方法はどうすべきでしょうか?
弊社はこれまでネット集客に頼り切っていたので、その方針を変えるべきか悩んでいます。そのあたりをご指南いただけると幸いです。
== 回 答 ==
こちらの質問ですが、「方針を変えるべきか?」ということと、「リアルな集客の方法は何か?」という2つの項目に分けて回答したいと思います。
1つ目は方針についてですが、方針を変える必要はありません。ネット中心で成果が出ているならそれは続けて、新たにリアルな集客方法を追加すれば良いだけです。
== 解 説 ==
というわけで、前回までの回答の続きですが、じつは、ここまで書いてきた“どの国でもネット消費はある所から伸びが止まってしまう”という問題に加えて、今後企業がマーケティングの中でも特に“集客”において、リアルやOMOの流れを強化すべきという、もう一つの大きな理由があります。
それは、ズバリ“コスト面から見た時に圧倒的にネットからの集客費用が高くなってしまう”という恐ろしい現象が起こるからです。
このことは、ビジネスでネットを利用する方達のほとんどがネットを使った方がマーケティング費用が大幅に下がるという理由と正反対な現象なので驚いてしまうようですが、現実にどこの国でも起こっていることなのです。
なので、リアルな方法での集客やOMOを重視したマーケティングに移行した方が良いという結論になるわけですが、その理由を分かりやすく解説したいと思います。
それは、リアルなビジネスと違ってネットでのビジネス競争はあっという間に数社の勝者が決まってしまい、その勝者達が更にネットを支配しようとして、高額な集客費用を投じてマーケティングを行うからです。
検索対応やネット広告、SEO対策にしてもお金を持っている方が有利なわけですから、お金を持っている会社がそれ以外の会社を振り切るために、どんどん費用を掛けて集客に向かうわけです。そのため、ネットを使ったらマーケティング費用が下がるはずが、まったく逆の状況が起きてしまうのです。
最近で言うと、キャッシュレスの時代に突入してネット強者が“100億円還元!”などとそれぞれ高額なキャンペーンを打って戦っていましたが、あんな状況がネットには生まれやすいので、ネットで新たな顧客の1アドレスを獲得する費用が高騰し、計算すると人を使ってリアルに集客した方が安いという現象にまでなってしまっているということです。
この動きは、じつはアメリカや中国では極々当たり前になって来ていて、アマゾンがリアル店舗を出すとか、アリババがスーパーマーケット“フーマー”を買収して店頭でスタッフがアプリを勧めているということになっているわけですね。
もちろん、集客費用を除けばネットを使った方が圧倒的にマーケティング費用は安く、顧客にとっても便利なのでその後のマーケティングはネットを活用する、それがOMOという新しい流れを呼んでいるということになります。
回答が方法論にまで及んでしまいましたので、今回でこの質問への回答は終わりとしますが、一連の回答が面白い展開になったと思っています(#^^#)
ぜひ理解して、存分に活用してくださいね。またこれからも、いろいろな質問お待ちしています(@^^)/~~~
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2019年12月09日(月)更新
「ネット集客」からの方針転換は必要か ~その4~
== 質 問 ==
最近の石原先生が発信する情報から、ネットとリアルの立ち位置が大きく変わっていくことをようやく理解しました。「リアル重視」で考えた時に、最初の集客の方法はどうすべきでしょうか?
弊社はこれまでネット集客に頼り切っていたので、その方針を変えるべきか悩んでいます。そのあたりをご指南いただけると幸いです。
== 回 答 ==
こちらの質問ですが、「方針を変えるべきか?」ということと、「リアルな集客の方法は何か?」という2つの項目に分けて回答したいと思います。
1つ目は方針についてですが、方針を変える必要はありません。ネット中心で成果が出ているならそれは続けて、新たにリアルな集客方法を追加すれば良いだけです。
== 解 説 ==
今回も予告通り脱線回答(スピンアウト回答その2)となります。前回に続き、人気ドラマのスピンアウト企画のようで、なんか楽しい気分で回答したいと思いま~す(#^^#)
ネットでの集客に限界を感じた、日本のネット勝者「楽天」と中国のネット勝者「アリババ」の取った戦略の違い・・・この辺りの話が、今話題になっているOMO(オンライン・マージ・オフライン)の始まりへと続くわけですので、スピンアウトといえども、とっても重要な回答になります。
前回は日本のネット勝者楽天が、ネットと対立関係にあったテレビCMや新聞などのリアルなマス媒体に広告を打つ、野球チームの買収、金融業への転換などの動きを取ったと書きましたが(石原先生、民放連で講演するなんてすっごいですね!と一部から反響ありました)、今回は中国のネット勝者アリババの取った驚きの戦略について解説したいと思います。
ネットでの集客がこれ以上は無理と限界を感じて、ネット以外の方向としてリアルなマス広告に向かった楽天と違って、アリババのジャック・マーの取った戦略は、当時としては何ともビックリする方法でした。
もちろん、その背景には日本と中国、それぞれの国柄やマーケットサイズの違いなど、いろいろな要素が考えられますが、その一番の違いはネットを特別なモノと認識(ネット神話説ありましたよね)していた日本を始め世界のネット系企業の経営者に対して、アリババのジャック・マー始め中国のネット系企業経営者は、そこまでネット神話を強く感じていなかったからではないかと思います。
ネットもお金を稼ぐ単なる便利なツール、という感覚がもともと強かったと言うか、もっと儲かるモノがあるならどんどん変化させて行こうという気質が強かったからだと思います。
それに・・・なんといっても世界で一番合理的な思考を持っているのが、中国人ですからね! また、基本アメリカとは対立関係にあるので、アメリカの思想には丸ごと賛同したくないという、根底からの意識も強いはずです。
と、前置きはさておき、アリババのジャック・マーの取った戦略と言うのは、集客をネットでは無く、人を介して、1対1、フェイスtoフェイスで行うという方法でした!
そうです! マス広告などに頼らず、人が人に直接会って教える!という方法です(-_-;)
それも、中国全土の地方の村々に人を派遣(用意)して店舗を構え、ネットでモノを買ったり売ったりすることができるという知識や方法を教え、なおかつ、その人達にはパソコンとか当然無い人も多いので、注文や販売を代わりにやってあげるという方法で、ネットの知識やネットでの購買を、普及・拡大させていったわけですね。
このお店、E-コマースとコンビニの合体したような店舗になっている感じで、配送センターの機能も持っているわけです。これを「農村タオバオ」と言いますが、ネット企業がこの発想を持つというのは当時としてはウルトラ凄いと思います(p_-)
※参考サイト(こちらのサイトの情報は分かりやすかったです)
https://www.sbbit.jp/article/cont1/32020
2014年11月にスタートした農村タオバオは開始から1年を過ぎて、既に1万4000拠点が設置されています。全国21省以上に展開され、地方自治体が資金援助しているケースもあります。2016年中に4万、2019年までに10万もの拠点を設置する計画です。物販だけでなく、投資商品や都市部での病院予約など高度なサービスへの拡大計画も報じられました。
ネットでの集客をマスを使わずに地道に人を介して行うという、この斬新な発想は驚くほどの成果を上げることになるわけですね。
今では、この農村タオバオのお店の回りに、リアルな商圏が生まれ、このお店を訪れる客が増えたことで、飲食店が流行ったりもしているそうです。
ということで、このスピンアウト企画の回答はこれでおしまいです。次回は、本来の回答の2つ目の理由をお届けします(@^^)/~~~
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2019年12月02日(月)更新
「ネット集客」からの方針転換は必要か ~その3~
さて今回も前回に続き、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会に参加してくださった方からの質問にお答えします。
== 質 問 ==
最近の石原先生が発信する情報から、ネットとリアルの立ち位置が大きく変わっていくことをようやく理解しました。「リアル重視」で考えた時に、最初の集客の方法はどうすべきでしょうか?
弊社はこれまでネット集客に頼り切っていたので、その方針を変えるべきか悩んでいます。そのあたりをご指南いただけると幸いです。
== 回 答 ==
こちらの質問ですが、「方針を変えるべきか?」ということと、「リアルな集客の方法は何か?」という2つの項目に分けて回答したいと思います。
1つ目は方針についてですが、方針を変える必要はありません。ネット中心で成果が出ているならそれは続けて、新たにリアルな集客方法を追加すれば良いだけです。
== 解 説 ==
今回も前回の続きとなりますが、初めての「脱線回答 (スピンアウト回答)」です。人気ドラマのスピンアウト企画のようで、なんか楽しい気分で回答したいと思いま~す(#^^#)
というわけで、日本の楽天と中国のアリババが取った戦略がまったく違っていて面白い・・・というところから、少し脱線して回答を続けます。前回までの解説では、ネットはリアルから100%移行すると思われましたが、実際にはせいぜい20%だったという話でした。
日本のネット王者、楽天はココからどういう方向に舵を切ったかというと、ネットでできることは全てやったので、ネットでネットの普及を促すのはこれ以上は無理、じゃあ後はテレビCMだということでマスへの展開に向かったわけです。
それまでは、ネットとTV&新聞などリアルな広告媒体は敵対していて、相容れない状態でしたが、ネットの普及に限界を感じた大手ネット企業がTV局買収などの動きを見せたのもこんな背景があったからですね。
余談ですが、私はこのちょっと前に“民放連(=一般社団法人日本民間放送連盟)”でこれからのTV業界の方向をどうするべきかと講演したことがあり(あ、ちょうど電通の時価総額をヤフーが抜いてしまった時ですね)、その時に今は産業の交代期にあり、古い産業の大企業のCMは一時的に少なくなっているけれど、新しい産業が出て来てCMをやるから大丈夫ですと回答。「その新しい産業はネットです。ネット企業が大量にCMやるから大丈夫ですよ」と答えたんですが、まったく信じてもらえなかったことを思い出しました(笑)。
この辺りが歴史的な変化として、一時経済誌などで良く取り上げられていましたよね。ここから更にネットの普及率を上げるために、野球チームの買収とかにも動くわけですが、限界に達したネットを、ネット以外のやり方で普及しなければならず、今後この努力にいくらお金がかかるか分からない、ということで、おおよそ日本の半分くらいのマーケットを取ったと判断した楽天は、金融ビジネスへと大きく舵を切るわけですね。
この流れが、銀行の設立、楽天カードの普及や今騒がれているキャッシュレスへと繋がっていきます。これに対して、当時中国のアリババが取った戦略は、今となっては流石としか言いようのないことなのですが、あっと驚く戦略でした!
ということで、回答はさらに次回に続きま~す(@^^)/~~~
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2019年11月15日(金)更新
「ネット集客」からの方針転換は必要か ~その2~
== 質 問 ==
最近の石原先生が発信する情報から、ネットとリアルの立ち位置が大きく変わっていくことをようやく理解しました。「リアル重視」で考えた時に、最初の集客の方法はどうすべきでしょうか?
弊社はこれまでネット集客に頼り切っていたので、その方針を変えるべきか悩んでいます。そのあたりをご指南いただけると幸いです。
== 回 答 ==
こちらの質問ですが、「方針を変えるべきか?」ということと、「リアルな集客の方法は何か?」という2つの項目に分けて回答したいと思います。
1つ目は方針についてですが、方針を変える必要はありません。ネット中心で成果が出ているならそれは続けて、新たにリアルな集客方法を追加すれば良いだけです
== 解 説 ==
前回に続き回答を進めますが、これからの時代は、ネットとリアルどちらが重要かということではなく、ネットとリアルの融合が大切になっていきます。
当初は、ネットの普及で全ての消費がネットに置き換わるはず…だったのですが、その期待に反していかにしてもこの数字が伸びて行かないのです。
日本ではネットでの消費が全体の12%、なんとお隣中国でも20%を超えた辺りで、消費がストップしてしまうという現象が起きていることは、前回お話したとおりです。
実は、この結果は世界中のネット企業も想定していなかったので、アマゾンやグーグル、日本だと楽天、ヤフー、中国だとアリババ、テンセントなど世界的なネット企業の間でも、かなり混乱を起こしたようです。
こんな世界的なネット企業ですら、ネットの普及で世界中がリアルからネットに100%移行すると思っていたということですから、ホントにビックリな現象が世界中に起きたということですよね。
それで、こういった世界的な大企業もあわせて、ネット企業が大挙してその理由の解明に動くのですが、分かったことは“ネットは決して万能ではなく、世界中の消費形態が変わってしまうほどには便利なツールではなかった”という単純な答えでした。
分かりやすく言うと、ネットの便利性は確かにあるが、場合によってはリアルな方が顧客にとっては便利なことも多くあり、消費の選択肢、あくまでも一形態としては優れている程度のモノだったということでした(-_-;)
・・・今でもネット神話の中にいる方にとっては、何ともそっけない回答をしてしまい申し訳ないですが、これは事実、本当にそういうことなのですね。
まあ、世界中がこれからの消費は全てがネットに置き換わるというプロモーションに踊らされて、じん麻疹にかかっていたような感じ、と思っていただければ、良いと思います。
しかし、どんなプロモーションも現実の結果をそうそう長くはコントロールできるわけではありません。ましてや数字はとってもシビアに現実を映し出し、結果を表してしまいます。
顧客の便利性を考えて、時にはそれぞれの顧客が選びたい選択肢を提供することが、ビジネスを提供する企業にとっては重要ですから“うちはネットでしか売りません”という選択は、この結果を見るとかなり難しいということです。
だから、ネットとリアル、両方をマーケティングに取り入れるべき、ということですね。この回答(ネットだけでなくリアルも取り入れた方が良い)には続いて2つ目の理由がありますが、次回少し脱線して、日本の楽天と中国のアリババが取った戦略がまったく違っていて面白いので、「脱線回答企画」でお届けしたいと思います。楽しみにしていてくださ~い(@^^)/~~~
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「ネット集客」からの方針転換は必要か
== 質 問 ==
最近の石原先生が発信する情報から、ネットとリアルの立ち位置が大きく変わっていくことをようやく理解しました。「リアル重視」で考えた時に、最初の集客の方法はどうすべきでしょうか?
弊社はこれまでネット集客に頼り切っていたので、その方針を変えるべきか悩んでいます。そのあたりをご指南いただけると幸いです。
== 回 答 ==
こちらの質問ですが、「方針を変えるべきか?」ということと、「リアルな集客の方法は何か?」という2つの項目に分けて回答したいと思います。
1つ目は方針についてですが、方針を変える必要はありません。ネット中心で成果が出ているならそれは続けて、新たにリアルな集客方法を追加すれば良いだけです
== 解 説 ==
これからの時代は、ネットとリアルのどちらが重要か、ということではなく、ネットとリアルの融合が大切になっていきます。
そういう意味では、これまでネット重視でリアルは無視してマーケティングをされて来た方にとっては、今叫ばれているOMO(オンライン・マージ・オフライン)の動きは、ちょっとショックなことだと思いますが、これはネットをやめて(方針を変更して)リアルなマーケティングだけにした方が良いということではありません。
ネット重視のあまり、リアルをやっていなかった方やする必要がないと思っていた方に、リアルなマーケティングも大切なので両輪で動かした方が良いですよというインフォメーションだと捉えてください。
なぜ、今、こんな現象(OMOの動き)が起きているかというと、ネットの印象そして先行者利益もあったと思いますが、導入当初の成果があまりに強烈だったために、ほとんどの方(会社)がこれだけ成果が出るならもうリアルは必要ないと思い込み、ネット以外の取り組みをやめてしまった結果、ある所から、急速に成果が上がらないという困った現象が起きてしまったからです。
ネットが登場し普及してから今日に至るまでの間に、マーケットに何が起きたかを解説すると、当初はネットで凄く成果が出ていましたが、時間が経つにつれて2つの予想外の理由から、急速にその成果に陰りが見えています。
1つは、そもそもこれが根本的な理由ですが、ネットの利用者がある時点からまったく増えていないという現実です。
日本ではネットによる消費が全体の12%、なんとお隣中国は20%を超えた辺りで、消費がストップしてしまう、という現象が起きています。
ネットの普及で全てがネットに置き換わるはずだと思われていましたが、その期待に反して、いかにしてもこの数字が伸びて行かないのです。
・・・と面白い展開になってきましたので、この回答、何回かに分けてお届けしたいと思います。次回も、楽しみにしていてくださいね(@^^)/~~~
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2019年01月29日(火)更新
2020年に向けたホテルビジネスでの成功のポイント
あなたなら、どんな答えを出しますか? よかったら一緒に考えてみてください。
== 質 問 ==
2020年に向け、日本中にホテルが乱立しています。民泊等も含め、まだまだ参入の余地はありますでしょうか? ホテルビジネスでの成功のポイントについて、ヒントをいただければ嬉しいです。
== 回 答 ==
飲食もそうですが、ホテルのように実際に場所を所有(使用)してやるビジネスは、基本的に一過性の流行やオリンピックのようなイベントを意識して行うものではないと思います。
民泊についても同様で、実際に民泊をする方よりも民泊ビジネスを進めて儲けている業者の方が多いと思いますから、もしやるにしてもじっくり考える必要があると思います。
== 解 説 ==
今回は2020年のオリンピックに向けて宿泊場所が足りないという話から、ホテルや民泊に関する質問をいただきましたが、私は基本的にどんなビジネスも一時的な流行やブームに乗ってやるものではないと思っています。
特に、飲食や宿泊業は場所を所有したり借りたりするわけで、店舗や建物など不動産が関わります。
そして仕事をスタートするにあたっては、内装を整えたり備品を用意する、またサービスするスタッフの採用や教育も必要で、開業までの準備資金や開業後の運営・管理もかなり難しい仕事になると思います。
ましてや、オリンピックが終わった後も経営は続けて行かなければならないわけですから、ブームに乗ってノリで作ると、かなりの大変さが後に待っていると思います。
どうですか? そう考えると、宿泊ビジネスは、なんだか儲かりそうだからちょっとやってみようか? とは、なかなか思えない本格的なビジネスということになりますよね(p_-)
もしも私が、ホテルや民泊などの宿泊ビジネスをやりたいという相談に答えるとしたら、まず、その方がこうした宿泊施設経営の実態をしっかり掴んでいるかを聞いて、それでも意欲があり、ビジネスそのものに魅力を感じ、やりたいと思うのならばやる事をお勧めし、どうやるかの内容に移っていきます。
ちなみに、宿泊ビジネスは、都会や観光地でそもそも人が宿泊する要因のある場所に施設を建てて行うビジネスで、集客要素のある場所で行いますので、ビジネスユースなのか観光客向けなのかなどを検討していきます。
宿泊ビジネスは、うちの顧問先にも何社かされているところがありますが、上手くいくと本当に面白いビジネスで、堅実な経営も出来るのですが、最初の計画がずさん、もしくは見込み違いになると、何をやっても絶対に黒字化しない難しいビジネスでもあります。ということで、「その辺りを良く考えて!」というのが今回の正直な回答ですね。
ちなみに、私が同じ状況で今から宿泊ビジネスを考えるのであれば、2020年の後、つまりブームが去った後、 オリンピック後にやる選択はあると思います。
施設をつくるのには相当な投資が必要ですが、誰かがつくった物を買い取る形ならばかなり安く買収することができると思います。
魅力的な買い物ができ、採算を抑えて開業できるチャンスだと思います。これも参考にしてみてくださいね(@^^)/~~~
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2018年08月17日(金)更新
今後の東南アジアの成長とビジネスの可能性
== 質 問 ==
海外の事業展開に関する質問です。現在カンボジアでホテルを1店、カフェを2店経営しております。おかげさまで売り上げは好調で、カンボジアだけでなくフィリピンやタイでもさらなる展開を考えております。
個人的には今後ますます東南アジアの成長が楽しみなのですが、石原先生の視点での東南アジアの成長やビジネスの可能性をお話いただけると幸いです。ご意見を参考に今後の戦略に生かしたいと思っております。よろしくお願いいたします!
== 回 答 ==
東南アジアでのビジネス展開ですが、事業規模が小さいのであれば、場所を考えて展開すれば成功の可能性は極めて高いと思います。特にホテルや飲食での成功は日本で事業を起こすよりもずっとやりやすいと思います。問題は規模を拡大するフェーズに入った時で、その時の方法は、かなり考えた方が良いと思います。
== 解 説 ==
成熟したマーケットで、なおかつ少子高齢化した日本では、新規にビジネスを立ち上げたり、今のビジネスの規模拡大を図るのは、今後ますます難しくなってくると思います。
「日本の飲食店は世界一レベルが高い・・・」これは海外から日本に来てビジネスしている方の感想ですが、なぜ? と聞いてみると「とにかく、どこのお店に行っても美味しくてびっくりする」とのことです。これは全体のクオリティーが高いということです。
飲食店がこの感じですから、おしなべて分かるように、日本では、いろいろなビジネスがかなり高いレベルで乱立しています。
顧客は既にそれぞれ気に入ったお店や会社とコミュニケーションを取り、顧客化された関係にある中で、少しずつ人口が減っていくわけですから、こんなマーケットに新規で戦いに挑むのは、相当ハードルが高いということですね(-_-;)
これに比べると、タイは別として平均年齢が若く、人口がどんどん増えて行く東南アジアの国々は、飲食店やホテルなど、ビジネスのレベルがまだまだ成熟していないので、ライバルが非常に少ないわけです。
つまり、競争の激しい日本でビジネスを展開するよりも成功の確率は絶対に高いということです。もちろん、東南アジアでビジネスをする場合は、場所の選択が非常に重要で、その国で一番の都会を中心に展開するなどは必須ですね。
海外、それも東南アジアで飲食業等をする場合にとても重要なのが、超高級店は別ですが、“日本での理想をあまり持ち込まない”ということだと思います。
どういうことかと言うと、そもそも成熟した日本とはマーケットが異なるわけで、なおかつ働く人も現地の方を採用するということですから、日本ではこうだったからこうすべきだ・・・ということは、ほぼ(いや、絶対に)通用しない・・・なので、あまり考えない方が良いということです。
今回の質問者の方がカンボジア等で成功しているということは、この辺りをしっかり理解しているか、乗り越えて経営のやり方をチューニングできているのだと思いますが、これが理解できなくて撤退する会社がとても多いようなので、気を付けることとして挙げておきます(p_-)
と、いろいろ書きましたが、今回の質問の東南アジアでのビジネス展開の可能性ですが、それぞれの国の発展に合わせて、出て行くタイミングや展開のやり方などはあるにせよ、とても有望で素晴らしいと思っています。というか、なるべくたくさんの企業が東南アジアに出て行くべきだと思っています。
事実、そういう思いから私も、昨年からフィリピンやマレーシア、シンガポール等に顧問先企業のマーケットの開発等も兼ねて数回出かけて行って、その発展の度合いを肌で実感、ビジネスの可能性を目の当たりにしています(^.^)
また、各国の主要人物(日本人・現地の方)との接触もいろいろ模索しているところです。
その中での今回出て行こうとしているフィリピンはかなり有望だと思います。特に、FC展開などで事業を拡大するのであれば、マーケット的に一番適しているのがフィリピンだと思いますので、そういう観点からいろいろ調査してみると良いと思います。
今の感じだと、私もフィリピンには2カ月に一度のペースで行く感じになりますので、いろいろ情報交換しましょうね。リアルな現地情報お待ちしています(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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