石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2012年04月27日(金)更新
QBハウスで頭皮エステ!? パナソニックとのコラボで販促展開
これはパナソニックとのコラボ企画で、同社の美容機器を実際に使って試せるキャンペーンなのですが、6席あるうちの1席を専用コーナーとして使い、パナソニックから派遣されてきた専門のスタッフが頭皮エステをしてくれるというもの。期間中は店舗外観にも同商品のラッピング広告を施し、大々的に展開しました。
QBハウスはこの3月に500店舗に達し、12年6月期の連結売上高は前年比6%増の115億円を見込んでいると言います。しかしながら、格安を売りにする競合店も増えており、いつまでも安穏とはしていられないことから、他社との差別化を模索してきたのでしょう。
これまでも、座席前の画面に広告を流してカラーリング剤を配布するなど「他社の販促支援」にも積極的に取り組んできました。現在は年間10件程度の取り組みのようですが、今後は年間30件程度まで増やしたいと考えているようです。もしかしたら、店舗ネットワークをインフラとした販促支援の事業化を狙っているのかもしれません。
QBハウスの場合は、カット前にスタイリストが性別や年齢などの顧客情報を入力しているそうですから、販促でコラボする企業側としても、量販店や路上などでサンプルを配るより、精度の高いテストマーケティングができるわけですね(*^^)v
また、QBハウス側としても、自社のお客さんに「あそこに行けば何かプラスアルファのサービスがある」と認知してもらうことで、他社との差別化が図れます。ただ安いだけでは顧客満足が得られない時代、経営者が知恵を絞った戦略ではないでしょうか。
同社の今後の展開に注目するとともに、この事例を参考に、自社の販促戦略に新たな知恵を取り入れるべく、アイデアを出してみてはいかがでしょうか? 知恵さえあればお金をかけずに成果を残せる時代。今こそ経営手腕の見せどころです(@^^)/~~~
2012年04月13日(金)更新
花見会場にピザ!? GPSが宅配を変える
そんな今年のお花見で変化を見せたのが「デリバリーサービス」です。その昔「お花見」と言えば手作りのお重を持ったり、デパ地下で惣菜を調達したりして出かけたものでしたが、今やスマホのGPS機能を利用して、花見会場までピザをはじめとした様々なメニューが届くようになったのだとか(@_@)
「楽天デリバリー」では、お花見特集を組み、オードブル寿司、ビールやワインなどを「花見会場」まで宅配できるお店を紹介しています。
こんなサービスが可能になったのも、ひとえにスマホに搭載されたGPS機能の成せる技ですが、ドミノピザではサービス開始後約2年で、スマホ経由の注文が10億円を超えたと発表しました。今が勝機と見たのか、スマホサイト限定クーポンで15%割引を実施したり、クレジットカード決済やドコモの機種なら携帯の料金と一緒に支払いができるサービスも取り入れました。
もちろん、GPSによるデリバリーは、まだまだ主流のサービスとは言ませんが、楽天リサーチの調査では「今後、お花見会場でデリバリーサービスを利用してみたい」と答えた人が59.7%に達したそうですから、潜在マーケットはかなり大きそうです。
かつて民間の家にも1個から荷物が届けられるようになった「宅配便」は大きな物流革命だったわけですが、GPSという技術を取り入れることで、「場所」ではなく「人」に荷物が届けられるようになったことには、それを超える衝撃を感じます。飲食のデリバリーのみならず、たとえば重いものを持てなくなった高齢者層へのサービスなど、新しい切り口のビジネスも続々と生まれてくるのではないでしょうか。
いつの世も、「技術」は開発者の意図とは別に、それを使う人たちによって思わぬかたちで進化していくものです。この事例を参考に、経営者として自社のビジネスに活かせる技術はないか・・・あれこれ発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年04月02日(月)更新
ナチュラルローソンに新業態!? 進む異業種コラボ
その店名は「ナチュラルローソン&food kurkku(フード クルック)」。クルックは、音楽プロデューサーの小林武史氏が代表取締役を務める外食企業ですが、「土の中に未来がある」など、メッセージ性の高いコンセプトを持ち、生産者の顔が見える食材を使ったレストランやカフェを展開しています。
そのクルックとワンランク上のコンビニを目指す「ナチュラルローソン」が手を組んだわけですが、通常店舗で扱う商品のほか、クルックのレストランで使っている新鮮な野菜を始めとした食材や女性に人気の中国料理店「美虎」のオーナーシェフ、五十嵐美幸さんプロデュースの「デリ」なども揃えています。
さらにヘルスケアと美容の観点から開発したナチュラルローソンこだわりの商品やベーカリなども扱い、イートインコーナーも設けました。コンビニの強みは「24時間営業」ですから、ランチはもちろん、場所柄もあって「夜食」のために利用する人も増えるんじゃないかと思います。
そういえば、先日おもしろい話を聞いたのですが、オフィス街で、居酒屋チェーンが集まったビルの隣にコンビニができると、居酒屋さんの売上げが何割か落ちるのだそうです(~_~;)
考えてみれば、コンビニの唐揚げやおでんなどは、競争の激化から年々おいしくなっていますし、店舗によってはビールなどのお酒も扱っていますから、軽く飲みたいときなどは、逆に居酒屋より便利なのかもしれません。
今や、ライバルは「異業種」からやってくるのです。ローソンのライバルはセブンイレブンではなく居酒屋チェーンかもしれませんし、ナチュラルローソンのライバルは、近隣のおしゃれなカフェやコスメショップかもしれません。
だからこそ、ユニークな異業種コラボが増えているのです。業界内だけの発想では、ライバルに勝つことが難しくなってきているのでしょう。もちろん、業務提携にはそれなりの難しさも伴いますが、中小企業経営者の方には、ぜひ持ってもらいたい発想があります。
それは「世の中は自分のためにお金を出して実験してくれている」というもの。私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の合言葉にしているフレーズですが、業務提携などせずとも、異業種で成功したアイデアを、自社の経営のヒントにすればいいのです(*^^)v
この発想が身につくと、急に経営が楽しくなりますよ♪ 今回の事例も、よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2012年03月16日(金)更新
店は小型化に向かう!? 「Echika fit」と「三越伊勢丹」の新規出店戦略
今年(2012年)2月、東京メトロ・丸ノ内線東京駅構内にオープンした「Echika fit 東京」には、アパレルのユナイテッドアローズ、ステーショナリーの伊東屋、雑貨のフランフランなどの “ミニサイズショップ”が集結しています。
ここは「TOKYO TRAVEL」をコンセプトとし、“大人のトラベル秘密基地”を目指しているようですが、都心の玄関口である東京駅の駅ナカという利点をぶんだんに活かし、従来の顧客とは違った層に、各店のブランドイメージを訴求していくためのアンテナショップとしても機能することになるでしょう。
店を小さくしたことで、既存店とは全く違う品揃えになるわけですが、それがまた“新しい楽しさ”を生み出すのではないでしょうか? ふらっと立ち寄った小さな秘密基地で、お気に入りの1点を見つけるのは、なんとも楽しい体験だと思います。
一方、三越伊勢丹ホールディングスも、新たに「新規小型店舗事業」を始動しています。なんと!新宿ルミネの中に「小さな伊勢丹」をつくったのです(@_@;)
そこは「ラグジュアリーコスメ編集ショップ」として、「ランコム」などの海外ブランドを始め、「SHISEIDO」「shu uemura(シュウ ウエムラ)」「RMK(アールエムケー)」など、国内外の高級化粧品ブランドを集結させたショップです。
そもそも百貨店の化粧品売り場というものは、各ブランドの販売員さんがバッチリ張り付いていますから、一度どこかのブランドで買い物すると、あちこち「はしご」しづらい雰囲気でした(――;)
しかし、このルミネ内のショップでは、ブランドの壁を一切取り払い、ファンデーションは「shu uemura」で、口紅は「RMK」で・・・などという買い方が気兼ねなくできるようになったわけです。ここにも“新しい価値”が生まれていますよね。
しかも、新宿駅と直結しているルミネは交通の便も良く、これまで伊勢丹には足が向かなかった若い女性にも来店してもらえます。駅ビル内に百貨店が出店・・・、時代も変わったものですね。
同社は今後も「新規小型店舗事業」を積極的に進めていく方針で、この4月には羽田空港国内線第1旅客ターミナルに初の紳士雑貨を主体とした店舗をオープンする予定だそうですが、出店場所ごとに商品構成をガラッと変えて、常に消費者を飽きさせない戦略に出るのでしょう。
こうした流れを見ていると、百貨店という名が表すとおり「何でも買える」店から、真逆に舵を切ったことがよくわかります。これからの時代、“販売アイテムを編集する”といった感覚が、店舗運営に強く求められるのではないでしょうか。
同時に、そこに「どんな店が集まっているか」がその商業施設の価値をシビアに決めていくことになるでしょう。これまでなかったような「異色のコラボ」にも期待したいところです。
経営者として、こうした時代感覚を掴んでおくことはとても大切です。1社で大きな商売をするより、小さくてもそれぞれユニークな価値を持つ会社がコラボすることで、生まれる価値は何倍にもなるはずです。
時に、春はもうすぐそこまで来ています。この事例を参考に、思い切り発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
2012年03月02日(金)更新
プロントだけに「プロン党」!? SNS連動の顧客化戦略
健闘の裏側には、緻密な顧客化戦略があるのですが、同社は2003年に、電子マネー「Edy」付の「プロントメンバーズカード」を導入し、昨年までに約4万枚を発行しているようです。
このカードを使って支払うと、カフェタイムとバータイムのドリンクが「10%OFF」になるそうですから、リピーターにはありがたいカードだったわけですが、このカードの機能や特典を残しつつ、同社は新しい会員カードへの移行を計画しているようです。
新しい会員組織は「プロン党」と名づけられ、メンバーズカードを提示するとドリンクが増量してもらえたり、会員限定メニューをオーダーできたりと、その都度異なるサービスを提供し、twitterやFacebookなどの交流サイトに「こんなサービスをしてもらえました!」と、投稿してもらおうというしかけです。
「プロン党」設立に際しては、マニュフェストもつくる意気込みだとか。「日本のノミニケーションの復活を目指します」などの政策(?)を、販促物に掲載して認知度の向上を図るそうです。プロントだけに「プロン党」・・・若干おやじギャグの香りも漂いますが(笑)、お店と顧客のつながり方として「あり方を共有する」という視点は、逆に今っぽいですよね(*^^)v
会員カードといえば、来店の度にポイントが付くとか、割引が受けられるとか、お店側の一方的なサービスが当たり前でしたが、これからの時代は、お客さんがその店の姿勢に共感した上で会員になる⇒会員になったからには“身内”としてその店を応援するという展開が望ましいでしょう。
そんな話を事務所でしていたら、うちのスタッフにもプロントファンがいることを発見。なんでも、パスタなども結構美味しいし、女性一人でも入りやすいうえ、夜はバータイムになるので軽く飲みたいときには、ついつい足が向いてしまうのだそうです。
ということは、プロントのライバルはカフェばかりでなく、居酒屋さんでもあるわけですが、両者のハザマにあるポジションを上手に活かし、「プロント女子会」プランを提案している点などはさすがです。
アフタヌーンパーティプランとして、パスタ1品が選べ、デザート盛り合わせと1ドリンクが付いて、2.5時間1,480円というプランです。主婦層などにこの情報が上手に伝われば、ランチタイムとバータイムの隙間時間の有効活用にもなりますよね。
同社の竹村社長は「愚直」と「凡事徹底」をモットーとしていらっしゃるようで、「当たり前のことを人には真似できないくらい一生懸命やる」ことを、常にスタッフにも、フランチャイズ店にも語りかけていると聞きます。
また、今年は30店の新規出店を予定しているそうですが、その愚直さにユニークなアイデアが加わることでどんな化学反応を起こすのか・・・「プロン党」の設立とSNS戦略で、今年の業績がどう伸びるのか、しばし注目していきましょう(@^^)/~~~
2012年02月17日(金)更新
自分でネイル!? 只今「セルフサロン」急増中
たとえば、持ちがいいと評判の「ジェルネイル」などは、プロのネイリストにやってもらうと1万円前後はかかるようですが、プロ用の道具が準備されたセルフスタイルのサロンに出向き、プロの助言を受けながら自分自身で行えば、3000円程度で済むことから人気を呼んでいるようなのです。
確かに、不景気の時代にはありがたいサロンです。しかし、セルフサロンがウケている理由は、価格の安さもさることながら、「前から自分でやってみたかった」という消費者の潜在的ニーズを満たしたことにあると見るべきでしょう。
ジェルネイルとは、爪にゲル状の樹脂を塗り、UVライトで硬化させるもの。マニキュアよりも長持ちし、装着感が軽くて違和感がないという部分が人気の秘訣のようですが、専用の道具がないと、なかなか自分では上手にできないみたいです。
つまり、自分でやってみたいけど、最初から道具をそろえるのはちょっとハードルが高い・・・こうしたセルフスタイルのサロンは、その“お試し”の場にもなっているわけです。
最初はプロの助言を受けながら試しにやってみる。そして気に入れば自宅用のキットを買うという流れです。その後は「プチスクール」を開催するなどして顧客フォローをし、消耗品を販売し続けられるように工夫すれば、かなりしっかりしたマーケティングロジックとなります。
さらにもうひとつ、女性の関心が高いジェルネイルは、自分でやったとなれば、何より“友達に自慢できる体験”となる点も見逃せません(*^^)v
今やブログやSNSなどで情報発信を続ける人も多いので、こうした「ネタになる体験」こそが、プロによるサービスより価値を持つ時代になったのかもしれませんね。
ネイルサロンに限らず、美容家電や化粧品などを試せるセルフスタイルのエステサロンや、愛犬のシャンプーを飼い主が行えるサロンなども続々登場しています。
このスタイルのサロンなら、会社が場所と道具さえ用意すれば、プロは時間ごとに一人か二人いれば十分ですから、従来型のサロン経営のネックになっていた人件費の問題もクリアし、収益性の高いモデルをつくれると思います。
この事例を参考に、自社の商品やサービスを楽しく「体験」してもらうにはどうすればいいか、そこから自社のビジネスモデルやマーケティングをブラッシュアップできないか・・・あれこれ発想を広げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2012年01月27日(金)更新
ひとりカラオケ専門店!? リアルをリサーチする目がビジネスを磨く
仕掛人は、カラオケボックス「カラオケ本舗まねきねこ」を運営する群馬県前橋市の株式会社コシダカ。ちなみに、コシダカホールディングスは、女性専用フィットネス「カーブス」の主要株主でもあります。
社長いわく「2009年、2010年に弊社が運営する『カラオケ本舗まねきねこ』の来店調査をすると、約18%もの方が、一人カラオケを楽しんでいらっしゃいました。平日の昼にとある店舗に行くと満室だけど、すべてお一人様という状態も多い。これだけニーズがあるんだったら、専用店舗があってもいけるんじゃないかと。ちなみに私もひとりカラオケでよく歌っています」とのこと。
そのことに気づいてからは、社長室の前に「実験機」を設置し、開発チームに暇さえあれば歌わせていたようです(笑)。
その成果か、「ワンカラ」は既存のカラオケボックスとひと味もふた味も違います。まず、ボックスではなく『ピット』と呼ばれるブースには、モニター、ヘッドホン、マイクが設置されていて、よくテレビなどで見かけるレコーディングブースのような状態で、ヘッドホンから流れるカラオケに乗せて、ひたすら歌うわけです♪
『ピット』での飲食ができない代わりに、疲れたら無料のドリンクバーが用意されているカフェスペースで休憩することができるようにした点も、既存のカラオケボックスと大きく違います。そもそもカラオケとは「飲みながら歌う」ものでしたから、その根本をくつがえしてしまったような、結構大胆な発想です(*^_^*)
しかし、それが「単なる社長の思いつき」じゃない点に注目してほしいのです。私は日本企業が海外の企業に簡単に負けてしまう原因は「リサーチ力の弱さ」だと思っているのですが、その点、腰高社長はすばらしいですね。
競争の激化するカラオケ業界において、客単価をグンと上げ(なんでも、都心の既存店平均の10倍近いそうですよ!)、食事を提供しないと決め、ドリンクをフリーサービスにしたことで、大幅な人件費の削減にも成功し、みごとなまでに収益性の高いモデルにブラッシュアップしています(*^^)v
開店から1ヵ月のデータでは、来店数の3割をリピーターが占め、1時間以上の利用客が約6割もいるそうです。3ヵ月間テスト運営を実施し、1日60人くらいの来店を見込めるとわかったら、まずは山手線沿線での出店を考えているそうですよ。
この事例からわかるのは、「自社のお客さんはこういう層だ」と決めてかかることの怖さです。経営者が「カラオケボックスは、飲み会の後の2次会、3次会で使われるのが主流」などと思っている限り、こんな発想は出てきませんよね。
ちなみにうちの女性スタッフは、ランチライムにカラオケボックスに一人で行って、昼食を食べながら数曲歌ってストレスを発散するOLの友達がいるって言ってました(@_@;) また、子どもさんを連れたママたちのランチ会には、騒いでも怒られないカラオケボックスがピッタリなんだそうです。
こういう話を聞くと、思い込みでビジネスすることの怖さを感じませんか? この事例を参考に、ぜひ自社の「本当の顧客」を、リアルからリサーチし直してみてください(@^^)/~~~
2011年12月22日(木)更新
レディ・ガガならぬレディ・カガ!? 石川県加賀温泉郷の集客戦略
石川県の加賀温泉郷が、集客戦略の一環として、地元の女性約60人で「レディ・カガ」なるグループを結成したと言うのです。テレビCMにも登場しているので、すでにご存じの方も多いかもしれませんね。
このCM動画には、日本語版と英語版があり、YouTubeでも話題になっているようですが、BGMにご本家「レディ・ガガ」の曲を日本風にアレンジして使っているところが、またニクイですよね。
レディ・ガガさんは、相当の親日家のようですから、ことによったら、本当に加賀に遊びに来ちゃうかもしれませんよ(@_@;) そうなればこの企画は、まさに大当たりですね。
誰の企画なのかと調べてみたら、石川県旅館ホテル生活衛生共同業組合青年部加賀支部が立ち上げたプロジェクトのようです。青年部だけあり、アメブロ、Facebook、twitterなどの交流サイトを駆使して、かなりがんばっているみたいです。
また公式サイトでは、「レディ・カガに会えるお店」を紹介し、各旅館ではレディ・カガたちのおもてなしを前面に出した宿泊プランを用意しています。ネットとリアルの連動も意識しているようですね。
「レディ・ガガ」と「レディ・カガ」。飲み会の席で誰かが発したおやじギャグの香りもしますが(笑)、誰もが一発で覚えてしまうほどのインパクトがあるネーミングですよね。
またAKB48のヒット以来、世の中には「女子の団体=売れ線」というイメージが定着していますから、この企画もイイ線いくんじゃないでしょうか。
最近つくづく感じますが、もう「機能や性能の高さ」ではモノは売れません。その商品やサービスがいかに人の感情を動かすか・・・とりわけ「おもしろい!」という感情を動かせたら、かなりの確率で成功するはずです。
日本人はまじめな国民なので、とかく一生懸命になりがちです。年末の忙しい中ではありますが、たまには肩の力を抜いて、思いっきり「おもしろいこと」を考えてみてください。いきなり目の前が開けたり・・・するかもしれませんよ(@^^)/~~~
2011年12月09日(金)更新
ベストセラーが“リアル”に登場!? 「丸の内タニタ食堂」来月オープン
ちなみに総合第1位は、嵐の櫻井 翔くんの主演でドラマ化された『謎解きはディナーのあとで』ですが、それにしてもタニタの本はどのくらい売れたのでしょう? シリーズ累計で450万部近いという話も聞きますが、2年連続でベストセラーランキングに入る本はそうそうありません。
同社には毎日のように、「一般人は社員食堂を使えないのか?」とか「せめて試食できるスペースを作って欲しい」といった問い合わせや要望が寄せられたそうですよ。そればかりか、多くの食品会社や外食産業が、アプローチをかけていたことでしょう。
その中から、レストラン事業のパートナーとして選ばれたのが、大阪の「株式会社きちり」です。同社は首都圏と関西圏にカジュアルレストランを展開する外食チェーンで、20代~30代の女性をメインターゲットに、和食の「KICHIRI」や「いしやまハンバーグ」などを運営しています。
1998年の創業以来増収を続けているようですが、今年度、これまで培ってきた店舗デザインやマネジメント、資金調達から人材活用までの店舗運営のプラットホームをパッケージ化し、飲食店の開業・運営支援事業をスタートしました。「丸の内タニタ食堂」は、このプラットホームを活用する初のケースとなるようです。
来年1月、丸の内の国際ビルヂング内にオープンするこの食堂では、「日替わり定食(800円))と「日替わりスペシャル定食(900円)」が食べられるようです。いずれも、一食当たりのカロリーを500Kcal前後に押さえ、塩分も3g程度に抑えられているのだとか。
また、社員食堂の雰囲気を出すために、配膳・下げ膳はあえてセルフサービスとし、店舗内のBGMやアロマテラピーにも配慮して「癒しや活力を生み出す空間を提供していく」意気込みだそうでが、店舗内のBGMは『タニタ食堂の音楽』として、CD発売の予定もあるようです(@_@;) 脳波測定や自律神経への影響は科学的に検証済みだとか・・・さすが本業ですよね(笑)。
それにしても、「社員食堂」という本業とは違った部分でクローズアップされ、それが新規事業に結びついていくというのは、とってもユニークなパターンだと思いませんか? これまで出版業は、「文化事業」でしたから、本が宣伝に使われたり、実業に結びついていくことを歓迎しなかった部分もあるように感じます。
しかしこの事例が成功すれば、優れた出版企画が新しいビジネスを生む・・・という時代になっていくかもしれませんね。「丸の内タニタ食堂」の今後に、注目していきたいと思います(@^^)/~~~
2011年11月28日(月)更新
「一人前おせち」!? その意外さがマーケットを生む
時が経つのは、本当に早いものです。
そろそろお正月の準備を進めるご家庭も多いでしょうが、今年、「一人前おせち」を売り出した百貨店もあり、ちょっとビックリしてしまいました。しかも、予約は好調に推移しているそうです。
そもそも「おせち」とは、お正月に家族や親戚一同が会していただく食事です。ですから「一人前」と「おせち」はどう考えても結びつかないワード。聞いた時に感じる違和感も、そこに起因します。
しかし“マーケティング思考”を持ってこの現象を眺めると、ちょっとおもしろいことがわかります。果たしてどんな人がこの「一人前おせち」を買うのか・・・あなたはどう思います?
少し前に「おひとりさま」という言葉も流行りましたし、今は家族が生活時間に合わせてバラバラに食事を摂る「個食家庭」も増えていますから、やはり「おせち」も一人前ずつが便利なのでしょうか・・・。
もちろん、そうした傾向もあるでしょうが、じつは4人前がスタンダードの「おせち」を小分けにすることで、「いろいろな味が楽しめる」という利点が生まれたのです。
そごう・西武百貨店では、今年のお正月向けに出した「2人前おせち」が、数量ベースで前年比17%増という好成績を収めました。4人前のおせちは一つしか選べませんが、2人前であれば2つ買って、「2軒の料亭の味・食べ比べ」などが可能になるのです(*^^)v
しかも、近年は和風のおせちだけでなく、洋風や中華風のおせちもありますから、少量単位にすることで、「いろいろな味を楽しみたい」というニーズを生んだわけですね。ここに気づいた同店が、今年初めて「一人前おせち」を売り出したというわけです。
こんなふうに、販売の「量や単位」を変えてみると、また違ったマーケットが動き出すのがマーケティングの面白みであり、醍醐味でもあります。
また「一人前」と「おせち」のように、常識的な発想ではおよそ結びつかない2つのワードを掛け合わせるところから、まったく違った商品が誕生したりもします。
この事例を参考に、自社商品を「違った単位」で販売できないか、もしくは自社商品と「程遠い何か」を掛け合わせることで、おもしろい商品やサービスが生まれたりしないか・・・あれこれと楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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