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2006年10月30日(月)更新

経営者の勉強の仕方

すっかり秋も深まり、熟考したり、勉強したりするのには、ちょうどいい季節になりました。経営者のためのセミナーや書籍などは、世の中にたくさんありますが、経営者が勉強するための「大前提」に触れたものはなかなかないようなので、今日はそのあたりのことを書いてみようと思います。


benkyokai


私の主催する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会では時々お話するのですが、経営者はまず、自分が「天才型」か「秀才型」かを見極める必要があります。
「天才型」経営者というのは、生まれながらの直感で「売れるもの」がわかったりするなんてタイプ。反対に「秀才型」経営者は、文字どおりコツコツ真面目に勉強して、実力をつけていくタイプです。

この両者は、勉強すべきものも全く違いますから、注意が必要なんです。ひとことで言うと、「天才型」はあまりまじめに勉強しないこと! 人の話もあんまり聞かないでOKです(*^^)v
      
若くして経営者になった場合は特に注意が必要で、経営者の先輩たちは、「こんな本を読め」とか「早起きしろ」とか、はたまた「掃除をしろ」なんて、その人に良かれと思って「一般的」な助言をしてくれるものです。

経験の少ない若き天才経営者は、「そんなもんかな」と、素直にその教えを聞いているうちに、全く「普通の人」になってしまうなんて例も少なくないんです(――;) 諸先輩方は、悪気なくふつうの人になることを教えてしまうんですね。

天才型の若き経営者の方は、そんなドツボにはまらないよう、十分ご注意いただきたいと思います。さらに言えば、同じ天才型でも、「仕事を作れる天才」とか、「組織を動かせる天才」などさまざまなタイプがいますから、自分の引き出しを増やすようなイメージで、上手に勉強されるといいと思います!(^^)!

一方、「秀才型」経営者は、自分の「経営ノート」(=どんなことがあっても揺らがない、自分の経営哲学)を作るために勉強が必要と考えてください。考えがブレたり、迷ったりしたときに「戻る場所」を持っている経営者は、根本的な強さがあります(*^^)v

もちろん、尊敬する人に直接お会いして教えを請えればベストですが、お互いに忙しい身の上ですから、無理に会おうとするより、「本」で勉強するのは相当楽な方法です。秀才型経営者の読書は、質も量も必要だということです。

最後にもうひとつだけアドバイスしますが、あなたは「成功から学ぶのと失敗から学ぶのはどっちが役に立つ」とお考えですか?

ちなみに私は、「失敗から学ぶ」方が意味があると考えています(^^♪

実は、成功の要因は、当の本人も正確に把握できていない場合がほとんどなんです。「なんだか知らないけど当たっちゃった!」って感じで収益を上げている会社も結構ありますし、普通、成功はいくつかの要素が複合的に重なっての結果なので、そこから学ぶのはかなり難しいと思います。

反対に、はじめから「失敗しよう」と思って経営している経営者は居るばずもなく、みんな真剣にやった結果コケているわけですから、失敗からはとっても学びやすいんです。

これを参考に、この秋、あなたの経営手腕にますます磨きをかけていただければうれしい限りです(@^^)/~~~

2006年07月27日(木)更新

日本の億万長者141万人に!

今年は梅雨明けも遅く、全国規模の天候不順が続いていますが、今日はそんな梅雨空を吹き飛ばす、少し景気のいいお話をしようと思います。

メリルリンチ日本証券が、先月発表したレポートによると、日本の億万長者は、2005年末時点で141万人に達し、なんと全世界の16%を占める割合だそうです!(^^)!

フォーブス画像

これは毎年、世界の富裕層、すなわち「主たる住居目的の不動産を除く資産が100万米ドル(日本円で約1億1600万円)以上ある方々」を調査しているものですが、世界の富裕層はこの1年で40万人増加し、870万人存在するそうです。

地域別にみると、富裕層の最も多い地域が北米で、290万人。次いでヨーロッパの280万人と続きますが、日本も含めたアジアにも、240万人もの億万長者がいるのです。欧米と肩を並べているようで、なんだかうれしい気持ちもしますね(^^♪

そのうちの141万人が日本にいるというわけなのですが、日本の富裕層も、この1年で7万人増えたそうで、その背景には、日本経済の成長や、株式相場の好況があるようですが、経営者としては、こういった「基本の数字」をきちんとおさえておくことが大切です。

不景気が長く続いたので、消極的な思考が身についてしまった方も多いかもしれませんが、景気のベクトルが上向いた時に、経営の舵取りを間違えると、せっかくのチャンスを逃すことにもなりかねません。

現に、高級品や贅沢品も売れてきていますし、不景気を理由にみんなが辞めていたこと・・・たとえば、「ハナキン」や「旅行」なんかも、完全に復活してきていますよね。人々の気持ちが前向きになってきたということは、新しい「しかけ」に反応しやすくなっているということです(*^^)v

あなたの会社でも、お客さまに「ワンランク上の楽しい世界」を上手に提案できれば、きっとおもしろい展開が生まれると思いますよ(@^^)/~~~

2006年07月21日(金)更新

経営者が実務から離れないと会社はダメになる!?

今日は、経営者がいち早く「情報」をつかんでいないと、会社の経営は、たいへんなことになる、というお話をしたいと思います。

今、若者たちの間で圧倒的に人気を集めているサイトをご存知でしょうか。YouTubeという、アメリカのサイトなんですが、ユーザーがアップロードした動画がFlash Video形式に変換され、全て無料で公開される動画のポータルサイトなんです。

youtubeサイト

先日の高収益トップ3%倶楽部の勉強会では、このYouTubeのサーバーを落としたくらいに人気のある日本のアニメを見たりしたんですが、大半の方がこの話題についてこられてなかったような印象でした(-_-;)

とにかく今は時代のスピードがとても速いですから、経営者が自分の業界のことしか知らないような会社では、いささか先行き不安です。特に社長は、せめて3分の1は仕事から離れ、最新の情報収集に当たるべきではないでしょうか(*^^)v

今や『Web2.0』の時代。人々の価値観は大きな変革期を迎え、それに伴い仕事のやり方も変えていく必要があるのです。

経営者自らが、いちはやくその変化をキャッチし、進むべき方向性を決めることが、ますます大事になってきています。

少し脅かすようですが、いくら会社が忙しいからと、社長やそれに順ずる方が、「作業」ばかりしているようでは、あなたの会社の発展はありませんよ(@^^)/~~~

2006年05月02日(火)更新

経営者の報酬を考える

みなさんすっかりゴールデンウィークモードに入ってらっしゃるかもしれませんが、今日は少し目の覚めるようなお話をしましょうか。ズバリ「経営者の報酬」についてです。

米国経営者の豪邸
*この豪邸の写真はイメージです

このところ、アメリカの主要企業が、相次いで経営者の報酬を見直しているようですね。株主から「業績や株価に比べて報酬が高額だ」との批判を受けてのことです。米国では、エンロン不正会計事件以後、報酬決定の透明性向上を迫られているのです。ゼネラル・エレクトリック社(GE)は今年から、ジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)の報酬を株価連動型に変更したそうですよ。

ヒューレット・パッカード(HP)が、昨年解任されたカーリー・フィオリーナ前CEOの報酬が高すぎたとして、株主から返還を求める訴訟を起こされたのは、記憶に新しいところです。このように、企業側は株主からの訴訟を回避するため、報酬の透明性向上を図っているというわけです。

そのフィオリーナ氏の報酬って、いったいどのくらいかご存知ですか?なんと退職金を含め、総額で1億8,000万ドル。日本円で約210億円だそうです(@_@)しかし、在職中の6年間でHPの株価は半分に下落したようですから、株主が過剰報酬だと騒ぐ気持ちもわかります。

誰です?そんなにもらえるなら、アメリカの経営者になりたいなんて思った方は(笑)。確かに日本の経営者の報酬額とは随分違いますよね。ちなみに、経営者と従業員の報酬格差を比較してみると、日本ではたった4倍なのに対して、韓国は約15倍、なんとアメリカは1,500倍もあるんです。さらに、中国では15,000倍だそうです。

この数字だけで見ると、社長をやるなら「中国」が最適かもしれません。しかし、「経営者」になるなら、実は日本が最適であることがわかります。経営者と従業員の賃金格差が低いということは『組織化』に向いているってことです。また、優秀な人材の人件費が安いとも言えます。日本的経営とは、あくまでも「組織力」で勝負することなのです(*^^)v

近年、日本でも「実力主義の評価制度」を導入する企業も増えてきていますが、そのような評価制度は、そもそも日本の風土に合わないと私は考えます。アメリカのように、経営者との賃金格差が1,500倍もある国ならまだしも、日本での実力主義は、実に機能しにくいと思いませんか?だって、いくらがんばっても、社長の給料は抜けるはずもなく、従業員にとっては、すごく低い天井が見えているようなものですから。

日本の実力主義とは、単なる「歩合制」の意味合いしか持たない場合が多く、そういった面からも、日本には日本の企業文化にあった「人事評価制度」が必要ですよね。アメリカの経営者の報酬に関する新聞記事を見て、ますますその思いを強くしてしまいました(~o~)
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ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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