石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
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2013年05月31日(金)更新
新潟発の大阪名物!? 行列のできる「ハッピーターン」
昨年秋にリニューアルオープンした阪急百貨店うめだ本店にある新潟の亀田製菓の主力商品「ハッピーターン」の高級版『Happy Tune’s(ハッピーターンズ)』の売り場には、連日行列ができているんです(@_@;) 休日には3時間半待ちなんてこともあったみたいですよ。
昔からある「ハッピーターン」を並んで買うなんて・・・ちょっと不思議な気持ちもしますが、高級版の「ハッピーターンズ」は「大阪・梅田発の手土産を発信したい」という阪急側の提案を受け、約1年かけて開発したものだそうで、「メープル」「木イチゴ」「カマンベールチーズ」「抹茶」「和三盆」「黒糖」「紫芋」7種類の“魔法の粉”が使われている特別バージョンなのです。
もちろん、パッケージや売り場のデザイン性も高く、私も実際食べてみたのですが、味もかなりおいしいです! 東京でも期間限定ショップが出ることはあるようですが、基本的に常設店は大阪だけなので、今、東京の人が旅行や出張で大阪に行く際には「ハッピーターン買ってきて」と頼まれることも多いんだとか(笑)。
気になる価格は、上の画像にある7個入りが368円、12個入りが525円、30個入りが1,575円、60個入りが3,150円と完璧に「ギフト」を狙った設定になっています。従来の袋入りの「ハッピーターン」からするとかなり高めの価格設定ですが、デザイン性や品質を高めたうえで値上げすることで、新たなマーケットを広げたよい事例だと思います(*^^)v
そういえば、来月の私の勉強会のテーマは『即時・即刻、値上げの勧め!-ビジネス成功の秘訣は値上げにある-』です(笑)。ちょっと衝撃的な話をする予定なので、ぜひご参加ください。<<詳細はコチラより>>
それはともかく、今どこの会社も頭を悩ませているのが新商品開発ですが、成熟した消費社会では「全く新しいもの」を生み出すのはほぼ不可能です。しかし「新しさ」ばかりを追求する必要はなく、この「ハッピーターン」のように、「もともと売れているものをリメイクする」ほうが、成功の確率はグッと高まるはずです!(^^)!
そのほうが「知ってる? あのハッピーターンが、今、こんなにオシャレになってるのよ!」などと、女性たちのクチコミにも乗りやすいですよね。事実、この「ハッピーターンズ」は、ネットでもかなり話題になっています。
この事例を参考に、自社のかつてのヒット商品をリメイクする道はないか・・・楽しみながら、脳みそに汗をかかせてみてください(@^^)/~~~
2013年05月17日(金)更新
「いつ買うか? 今でしょ!」・・・神出鬼没の「ハッピークレープ」が好調
その名も『ハッピークレープ』。100円(税別)という買いやすい値段で、JR東日本や私鉄の駅構内に、1~2週間ごとに売り場を変えながら展開しているのですが、運営会社は、福岡で化粧品販売業を営む「Boo cosmetics Japan(ブー コスメティックス ジャパン)」という会社。本業の業績が伸び悩む中、「副業として思いついた」のだそうです(*^_^*)
地元福岡以外には常設店を持たず、「エキナカ」の催事スペースへ出店しているわけですが、常に3~5店舗がどこかでオープンしているみたいです。その場所はホームページやブログ、twitterなどで告知されるので、お客さんとしても「出会ったら、今買わなきゃ!」と思うわけですね。
また、接客にも独自の工夫をしているようで、劇団員や芝居経験のある人を多く採用しているんです。通常2人配置する販売員のうち、どちらか一人が劇団経験者になるようローテーションを組んでいて、劇団仕込みのよく通る声でお客さんを呼び込んだり、積極的に話しかけたりするみたいです(*^_^*)
とくに「クレープを買おう」と思っていない人でも、通りがかりに話しかけられて、ついつい買ってしまった…なんてことも多いんじゃないでしょうか? 今や「何を買うか」より「誰から買うか」が重要な時代になっているとも言えます。お客さんはみな、買い物を通して“楽しい体験”がしたいのです。
この事業スタイルは、福岡時代の経験に基づくもので、常設店と催事からスタートした同社が、移動販売スタイル」を始めたのが2012年6月。1日あたりの売上高は、催事や移動販売が常設店の4倍近くになることもあり、その中でも劇団員の活躍が目覚ましかったのだそうです。
こうした「事実」に裏打ちされたビジネスは強いですよね。「いつもある」より「今しかない」に弱い・・・経営者に人間心理を読み解く力さえあれば、売るものを変えても成功するという、よい事例ではないでしょうか(@^^)/~~~
2013年04月26日(金)更新
メイドインジャパンのスウェットに海外から熱い視線が!?
いつのまにか、新緑が美しい季節になりました。陽気がよくなると、無性にからだを動かしたくなるものですが、このところ、メイドインジャパンの高級スウェット「ループウィラー」が、海外からの熱い視線を集めているのをご存じでしょうか?
仕掛人は、もともと大手アパレルの下請け業だった「ミスズ」の鈴木諭社長。取引のあった和歌山県の工場に「つり編み機」が世界で唯一現存することに着目し、「いいチームを組めば世界No.1の製品ができる」と1999年より同じく下請け3社に声をかけて“世界一のスウェット”の生産に乗り出したのです。
ご存じのように、アパレル業界を取り巻く環境には厳しいものがあり、中国などへの生産シフトが進むなか、転廃業する協力会社も少なくありません。そんな悲しい状況を見るにつけ、「国内繊維産業の火を消してはならない」と勇気をもって立ち上がったわけです(^o^)/
もともと日本のメーカーには技術がありますから、高い志のもとにその技術力を結集すれば、従来の製品とは一線を画したものができ上がるはず。そんな努力の甲斐あって、2008年にはナイキとのコラボ商品も誕生しています。なんでも、ナイキ米本社のデザイナーが、ものづくりの姿勢に共感してのことだそうですよ。
ところで、先の「つり編み機」1台が1時間に生産できるのはわずか1m。高速のシンカー編み機だと1時間に24m以上生産できるそうですから、生産効率だけみれば“非効率極まりない”わけですが、円錐の糸のかたまりから負荷をかけずに給糸し、ゆっくりと空気を取り込んで編み上げたスウェット生地は、何度洗ってもふんわりした肌触りを保てるんだそうです。
今年(2013年)ブランド設立80周年を迎えるラコステは、そのスウェット素材を使ったドレスの記念発売を決めました。仏ラコステ本社が定めるコラボのハードルをクリアした日本のメーカーは、過去にコムデギャルソンしかないと聞くと、ちょっと感動的ですよね(*^_^*)
東京・千駄ヶ谷にある「ループウィラー直営店」で、外国人旅行客の姿を見かけることは珍しくないようですし、そればかりかこの製品に魅了され、同社で働き始めた外国人もいると聞きます。
低価格商品が増えるなか、ジッパー付パーカが15,750円~という価格帯ですから、製品の良さを「どう伝えるか」がキーになってくるはずですが、海外での評価が高まれば、それに刺激されて国内消費も増える可能性があります。
いずれにしても、日本の技術力を守るモデルとして、同社の姿勢は高く評価すべきだと思います。よかったら参考にしてください(@^^)/~~~
2013年04月12日(金)更新
商品は「大きく」すると人が集まり、「小さく」すると話題が集まる
正解は! スマホやタブレット画面の“お掃除ロボット”。先月(2013年3月27日)タカラトミーから発売された商品で、電源を入れるとタブレットなどの液晶画面上を自動で動きながら、内蔵された不織布(取り替え可能)が指紋などの汚れを拭き取ってくれるという、直径7cmの小型ロボットなんです。
気になる価格は1,575円。単三電池1本を入れると連続で約3時間使用でき、スマホなら約4分、タブレット端末なら約8分かけて自動でお掃除してくれるんです。説明では「スマホなどから落下しないよう、画面の端まで移動すると自動的に方向転換できる機能付き」となっていますが、うちのスタッフが使ってみたら、たまにコテンと落下したりもするそうで、そこがまたカワイイなんて言ってました(笑)。
多くの方がもうお気づきでしょうが、これって人気の「ルンバ」など、自動床掃除用ロボットの小型版ですよね(*^_^*) じつは「サイズを変える」は、人気商品をつくる上でのテッパン手法なのですが、大きくするか、小さくするか・・・それを思い切ったスケールで実現するのがポイントです。
大きくした例でわかりやすいのが、お台場のガンダム。まぁ実際には「原寸大」なわけですが、日頃「ガンプラ」を見慣れていると、18メートルは衝撃の大きさで、ガンダムファンならずとも、そばに行くとそのカッコよさにすっかり魅了されてしまいます。こんなふうに「大きくする」と、人を集める効果はバツグンなわけですね(*^^)v
反対にこのお掃除ロボットのように、「小さく」すると、とたんにカワイイ!商品になります。今や「カワイイ」は世界中で通じる日本語ですが、とくに若い女性の場合「カワイイ」ものを見つけたら友達に教えずにはいられませんから、「小さくする⇒かわいくなる⇒みんなが話題にする⇒ヒットする!」という好循環が生まれやすくなるのです。
ものづくりにおいて、「小型化」は日本がもっとも得意とする分野ですが、ここにデフォルメの手法なども駆使してかわいさが加われば、もはや海外マーケットにおいても“向かうところ敵なし”ではないでしょうか?
以前私のブログでも「分ける」という発想について触れたことがありますが、これから1週間、「大きくする」「小さくする」をテーマに、できるだけたくさんのアイデアを出してみてはいかがでしょうか? 楽しく訓練を続けることで、“アイデアを出す力”が、どんどん磨かれていくはずです(@^^)/~~~
2013年03月29日(金)更新
「富士フィルム」が法人向け写真のデジタル化事業へ
経営者としては新年度の展望が気になるところですが、時代のスピードがますます加速しているこの時代、どんな業界でも、できるだけ本業が元気なうちに、次なる事業展開を考えておく必要があるでしょう。
そんな中、大手の「富士フィルム」がついに、写真のデジタル化事業に乗り出しました。近年、写真のDPE市場が縮小に向かっていることは、みなさんもお感じになっているとおりです。
考えてみれば、最近写真を現像に出した記憶があるでしょうか? デジカメどころか、携帯やスマホがカメラに取って代わった世の中では、「写真を紙焼きして見る」という行為自体が消滅しつつあると言っても過言ではありません。
現に2000年には約6,000億円規模だったDPE市場は、12年には約1,200億円まで縮小しているようですが、プロカメラマンや写真を趣味とする人は別として、今後この流れに歯止めがかかることはないでしょう。あなたがもしこの業界にいたら、次の収益の柱として、どんな手を打つでしょうか?
昨年(2012年)11月には、プラザクリエイトが「おもいで玉手箱」というネーミングで、アルバムのデジタル化事業に本格参入しました。宅配便でアルバムやネガフィルムを送ると写真をそっくりデータ化してくれる、というサービスです。
この分野では先行しているカメラのキタムラは、アナログ写真のデータ化だけで月に1万件の受注があるそうですが、同社が運営する画像をクラウド上で保管できる「マイフォトボックス」の利用者は、約11万人もいるようです(@_@。
たしかに、先の東日本大震災のときも、家族のアルバムは命に次ぐ財産であるといったエピソードがたくさん報道されましたから、危機管理の上からも、「アナログ資産のデジタル化」は、今後ますます大事な事業になっていくと思います。
そうした背景があって、富士フィルムもついにデジタル化事業に乗り出したわけですが、個人向けサービスとは別に、法人をターゲットにして、「専用BOXに写真やフィルムを詰められるだけ詰めて宅配便で送る」という方式で、1箱あたり、94,500円という均一料金制を採用したところは、ちょっとおもしろいですよね(*^^)v
どこの会社にも、過去の写真はたくさんたまっていて、それなりにスペースを取っていると思いますが、写真のデータ整理といった緊急性のない仕事は、ついつい後回しになってしまうものです。そこに「手間いらずの法人向けデジタルデータ変換サービス」が紹介されれば、年末や年度末などには、それなりの需要を見込めるかもしれません。
この事業の行く末はともかく、この話は決して他人事ではありません。DPE市場の事例を参考に、自社の新規事業展開についても、明るく知恵を絞ってみてください(@^^)/~~~
2013年03月15日(金)更新
店舗は公器!? 1秒でも長居したくなる建物
じつはコレ、今年(2013年)リニューアルしたばかりの巣鴨信用金庫・江古田支店の写真なんです(@_@。
「まるで虹のシャワーを浴びているようだ」などと、早くも話題を集めているようですよ。
老朽化した既存店の立て替えを手掛けたのは、日本在住のフランス人建築家であるエマニュエル・ムホー氏。同信金の建築設計を担当するのは3店舗目だそうですが、「1秒でも長く居たくなる信金を目指した」のだそうです(*^^)v
江古田支店のデザインには、高さ9メートルもあるカラフルなスティックを多用し、このスティックで建物を覆うことで、無彩色の街に彩りを添えています。こんな建物があると、街全体がオシャレで明るい印象になりますよね。
ちなみに、2010年に改装した「常盤台支店」、翌11年に改装した「志村支店」ともに、カラフルでポップなデザインになっていて、知らずに見たらとても「信用金庫」とは思えません。
近年、信金に限らず金融各社はどこも、優良顧客の獲得に必死ですが、優遇金利などの具体的な特典とはまったく違う視点で、持てる資金を投じた同信金のセンスは、かなりのものだと思います。
店舗はある意味「公器」でもあるのです。その店や企業が、その街に存在することで何らかの価値を生む・・・こうした視点で考えていくと、私たちにもまだまだできることがありそうです。
もちろん、むやみにオシャレな社屋を建てようというススメではありません(笑)。この事例から刺激を受け、自社が地域に対して“与えられる価値”について、やわらかな春の陽射しを受けながら、発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2013年02月15日(金)更新
「スーツ仕立ての白衣」がオシャレな医師に大人気!?
「カッコいい白衣がない」というオシャレな医師たちの声に応え、東京・渋谷にあるクラシコ株式会社は、白衣の受注生産を始めたのですが、昨年(2012年)11月に発売した「タブレットショートコート」は、約2万円という高額にもかかわらず、準備した100着はたった1週間程で売り切れたんだそうです(@_@。
上の画像は同社の定番商品である「クラシコテーラー」ですが、スーツのようなテーラーメード仕立てで、立体感のある細身のシルエット。その上、機能性もバッチリで、形状安定でシワになりにくく、抗菌加工も施されているのです。価値ある一着ですよね。
気になる価格は19,800円。これは、よくある普及品の白衣の6倍以上に当たる金額だそうですが、それでも最近は医局単位で購入する事例も増えているようです。「患者が医師を選ぶ時代」においては、スタイリッシュで清潔感あふれる白衣が、病院のイメージアップに役立のでしょう(*^^)v
それにいち早く気づいた同社の経営センスはかなりのものだと思いますが、最近は患者さんへの説明用に、米アップルの「iPad」など、自前のタブレットを持ち歩く若手医師が増えていることに着目して開発したのが、先の「タブレットショートコート」なんです。
初回ロットを1週間で完売したこのコートの左脇には、「iPad」ジャストサイズの専用ポケットがあり、さらにその内側には「iPad mini」を収納できるポケットが付いているのですが、タブレットを入れてもシルエットが崩れないのが大きな特徴だそうです。
白衣を単なる作業着と考えている限り、こういう発想はできませんよね。ユーザーのニーズに誠実に応えようとする同社の姿勢に、信頼を寄せる医師も増えてきていると聞きます。中には「自腹を切ってでもカッコイイ白衣が着たい!」というお医者さんもいるんじゃないでしょうか。
今や「かわいい制服」が、学校選びの重要なポイントになっているように、ユニフォームの質やセンスは、「選ばれる」ための絶対条件になりつつあります。
「ガンダムシリーズ」のプラモデル(ガンプラ)の国内唯一の製造拠点である、静岡のバンダイホビーセンタ―で働く従業員は、全員「地球連邦軍」を模した制服を着て、袖には社内の役職に応じて階級章が付けられていることは有名な話ですが、この制服のもたらした効果は絶大なものでした。
「ここで働きたい!」という優秀な人材から選ばれる企業になったのはもちろん、工場見学の人気ぶりからもわかるように、ユーザーから選ばれる企業としての地位を盤石なものにしています。たかが制服、されど制服なのです。
自社で制服や作業着を支給しているなら、この事例を参考に発想を切り替えてみてはいかがでしょうか? もしかしたら、制服や作業着のグレードアップが、将来のための有効な投資になるかもしれませんよ(@^^)/~~~
2013年01月11日(金)更新
1粒で何度もおいしい仕掛け!? マクドナルドの『ENJOY!60秒サービス』
さて、新春早々目についたのが、1月4日から(31日まで)、マクドナルドが始めた『ENJOY!60秒サービス』です。
なんと、全メニューを60秒以内に提供するキャンペーンだそうで、カウンターのレジ横に60秒の砂時計を置き、支払いを終えてから商品受け渡しまでの時間が1分を超えると、ビッグマックなどのバーガー無料券がもらえるのだとか(@_@。
キャンペーンは、午前11時から午後2時までのランチタイムに実施するそうですが、さすがに良くできた施策ですよね(*^^)v
同じ無料券を配るにしても、ゲーム性を持たせたことで、お客さんには「自ら勝ち取った感」が残りますから、何倍もうれしいはずです。もしかしたら、その場でtwitterでつぶやいたり、Facebookなどに書き込んでくれるかもしれません。
さらにこれが、絶好のスタッフ教育にもなっている点は見逃せません。完璧に「チーム力の向上」を狙っているのです。同社の原田会長兼社長も「スタッフ1人が対応できる客数が1割増えるだけで、驚くほど利益率が上がり、機会損失も減る」と、キッパリと言い切っています。
その上、このキャンペーンが終了しても、顧客には「マックなら1分で買える」という印象が残るでしょう。もしかしたら、これまでも1分以内に商品を受け取れていたのかもしれませんが、砂時計を使ってきちんと「見える化」したことで、顧客の頭の中に数値としてインプットされるのです。
年が明け、時代のスピードがますます速くなっているのを肌で感じますが、そんな中で「ランチの時間を短縮できる」と顧客の脳みそにすり込む意味は大きいと思います。「急ぐならマックで!」って感じになりますよね(^_-)-☆
これからの時代、ただ一つのことを愚直にやっているだけでは、なかなか厳しいと思います。同じやるなら“1粒で何度もおいしい”発想が必要なのです。
その上、ゲーム感覚で“楽しくやる”ことも重要です。スタッフを指示や命令で動かす時代はとうに終わっています。
この事例を参考に、春に向かって自社を活性化させる企画を、あれこれ楽しみながら考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2012年12月07日(金)更新
「動ガール」が化粧品業界を席捲!?
なかでも、自分のメイクの技を撮影した動画は人気が高く、YouTubeなどで100万回近く再生される動画もあるそうですが、ここに目を付けて『みんなのメイク』という、メイク動画の投稿に特化したサイトをオープンする会社まで現れました。
今年(2012年)3月1日にオープンしたこのサイトの運営会社を調べてみたら、「スタイリングライフ・ホールディングス」という、輸入生活雑貨小売、化粧品、医薬部外品等の開発・製造・販売、マキシムド・パリなどの飲食店経営等を手掛ける会社でした。
今、このサイトには全国の動ガールたちが集まってきているようですが、そうなると化粧品メーカーも黙ってはいられません。レブロンをはじめとした有名化粧品メーカーが、動ガールとのタイアップを始めているのです。そのおかげで、動画の投稿だけで食べていけるようになった動ガールも出現するほどです(@_@。
いかにも“今っぽい”展開ですよねぇ~!! 歌やダンスはもちろん、ペーパークラフトやパラパラ漫画などなど…才能や技術を持った個人が、企業あるいは社会から簡単に発掘されやすい世の中になったということです。
これまで化粧品メーカーの広告戦略といえば、多額の広告宣伝費を投じて、一流のモデルさんや女優さんを起用してきたわけですが、それはそれとして、まったくの素人さんとも繋がりはじめ、そこから実利を生んでいる点は、とってもおもしろい現象に見えます(*^_^*)
今後は、他の業界でも同じような現象が起きてくるんじゃないかと思いますが、それにしても賢いのは「みんなのメイク」という秀逸なコミュニティをつくった会社ですよね。
これからの時代、宣伝はもちろん、マーケティングに「動画」を使わない手はありません。この事例を参考に、自社にも打てる手はないか、楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
・・・それにしても、昔の女の子は、「人前でメイクするなんてハシタナイ!」と親に怒られていたものですが(笑)、自分がすっぴんから美女に変身していく姿を、堂々と世界へ向けて発信するなんて、なんともすごい時代になったもんです。
今の時代、「メイクの技術の高さ」は、友達から尊敬されるひとつのファクターみたいで、すっぴんとの落差が大きければ大きいほど、その尊敬度合も高いのだそうです(-“-) こうした女性たちのメンタリティの変化も、経営者としては、ぜひおさえておきたいものですね(*^^)v
2012年11月22日(木)更新
話題の「俺イタ」「俺フレ」にみる“真の経営者”のあり方
その店とは、欧風立ち飲みというユニークなスタイルで超人気の「俺のイタリアン」と「俺のフレンチ」(通称、俺イタ・俺フレと呼ぶそうです)。最近うちのスタッフも並んできたようで、「超、感動しました!」と報告を受けました(笑)。
マスコミにも度々登場しているので、中古本販売ブックオフの創業者である坂本孝氏が手掛けた店であることはご存じの方も多いと思いますが、昨年(2011年)9月「俺のイタリアン新橋店」オープンを皮切りに、わずか1年ちょっとで9店舗にまで拡大させた手腕はさすがだと思います。
私はかねてから、この停滞した日本経済を活性化するには、「真の経営者」を育てるしかないと考えているのですが、ひとつの事業を成功させた経営者、とりわけ「創業」を経験している経営者は本当に強いと思います。
この坂本氏にしても、「最高の料理を徹底的にリーズナブルに!」というコンセプトのもと、外食産業激戦区である恵比寿や銀座に打って出て、16時開店のお店に朝から行列をつくらせているのです。
立ち飲みスタイルにしたのは、もちろん回転率を上げるためですが、通常のレストランであれば2回転するのも厳しいご時世に、ふつうに3回転以上させているみたいですよ(*^^)v
お客さんとしては、お店の前で1時間以上も並び、その後立って飲み食いすることになるわけですが、それを平気でさせられるのは“想像を超えたレベルの商品とサービス”を提供しているからです。
銀座八丁目店を訪れたうちのスタッフも、「1時間も立ってるとさすがに疲れ、途中で帰ろうかと思った」ようですが、ようやく店に入れて最初の一皿目を口にした瞬間、そんな思いは遥か彼方に吹き飛び、「楽しくて仕方なくなったんです!」と熱く語ってましたっけ(笑)。
それもそのはず、老舗フレンチの「シェ・松尾」では◎万円するフィレステーキやフォアグラとほぼ同等のお料理が1000円台で食べられるのですから…。その原価率はなんと4~6割! 業界の常識では「ありえな~い!!」数字なのです。もちろん量もたっぷりで、2~3人では食べきれないほどだそうです。
その上、ワインも超格安。持ち込み料(999円)を払えば、家から頂き物のワインを持ち込んでもOKだそうですから、言うことなしですよね!(^^)! こんなレベルのお店なら「こんどはあいつを連れて行こう!」とリピーターが増えるのも当然です。
来年坂本氏は、「俺の割烹」と銘打ち、伊勢エビやマツタケなどの高級食材をいただける和食立ち飲みの出店を計画中だそうです。この勢いで、次は中華の高級店でも出すんじゃないでしょうか?
それはともかく、「真の経営」ができる人にとって、業種や業態は全く関係ないのだということが、この事例からもよくおわかりいただけると思います。坂本氏から刺激を受けつつ、自社の新規事業について、楽しみながら発想を拡げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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