石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2007年07月26日(木)更新
今年12月に「メイド検定」実施?!
メイド喫茶にメイドマッサージ、はたまたメイドによる自宅清掃サービスやメイドが見立ててくれるメガネ店など、メイドビジネスは限りなく広がりをみせているようです。
秋葉原で一昨年6月に15店舗だったメイド関連の店は、昨年同期には48店舗に、今年同期には、59店舗にまで増えています。また、このメイド人気は秋葉原だけにとどまらず、大阪や名古屋、さらに台湾や韓国にも類似店が誕生する程までになっています。
そんななか、「メイドを日本の文化にしよう!」とばかり、メイド服専門店「キャンディフルーツ」の経営者と、キャラクターコスプレ雑誌「COSMODE」の編集長が、『日本メイド協会』を立ち上げました。
協会の主催で、今年12月には、彼女たちの能力を1~3級で測る「メイド検定」なるものを実施するそうです。9月からは1回3,000円でセミナーも開催。メイドの歴史や接客マナー、掃除や洗濯、料理や裁縫といった分野の講習を通じて「奉仕の精神」を育てるのだとか。
メイド検定の仕掛け人たちは「メイドをブームで終わらせず、文化として根付かせるためにもレベルアップは必要。メイドビジネスを洗練された事業とし、堂々と履歴書の資格に書けるような検定にしたい」と話しています。
また、メイドは一般的には、「オタク産業のひとつ」に見えますが、「本来のメイドは、19世紀の英国ビクトリア朝を最盛期に、働く女性の職業として由緒正しい歴史がある」と見る向きもあります。
それはともかく、こうした「○○検定」といった切り口は特に目新しいわけでもありませんが、定番的な面白さがあるものです。最近では、テレビ番組の企画にも使われていますし、ユーザーに一定レベルの知識を付けさせたいなんて場合にも、有効な切り口になるでしょう。
あなたの会社や業界で、情報発信のひとつのアイディアとして、取り入れてみるのも面白いかもしれません。
この記事読んで、「え~っ!」と思った社長さんも多いと思いますが、一見、そんなこと……って思うことも調べてみるとすごいマーケットになっていたりしますから、ビジネスにおいて先入観は禁物なんです。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2007年07月20日(金)更新
いじめを調査する探偵会社!?
T.I.U総合探偵社では、多い月には30件以上の「いじめ調査」の依頼を受けるそうで、登下校中などに子どもを尾行したり、親に頼んでICレコーダーをカバンなどに取り付けてもらったりして、いじめの有無を突き止め、詳細を報告するそうです。
調査の結果、親の思い過ごしだったというケースもあるそうですが、残念ながら親の勘どおり、本当にいじめを受けている子どもがほとんどで、「あまりにひどい場合には、調査を中断して、思わず止めに入る場合もある」といいます。
この探偵社は、03年7月に創業し、約40人の探偵で、素行や浮気の調査など、一般的な探偵業務を行ってきたそうですが、創業してまもなくの頃、ある中学生の女の子の親から、「確実にいじめられている。証拠を見つけて欲しい」という依頼が舞い込んだのだそうです。
当然、「仕事のジャンル」として想定はしていなかったものの、「来る仕事は受けよう」と思い、取り組みはじめたのだとか。その後も同じような依頼が続き、数をこなしながら、ひとつの調査ジャンルとして定着していったみたいです。
おもしろいもので、ビジネスというのは「想定外の依頼」が来たときから、急に広がりを見せるものなのです。
たいていの会社は、変わった依頼が来たとき、「それはうちの仕事じゃない」と断ってしまったりするものですが、市場のニーズをリサーチするような感覚で、その変わった依頼を受けてみると、そこに意外なマーケットが眠っていたりもするのです(*^^)v
最初は小さなマーケットかもしれませんが、ビジネスはさまざまなきっかけで、急激に伸びる可能性もあります。
最近では、食品会社の不祥事がきっかけで、年に数件しか依頼のなかった「食品のDNA鑑定」の仕事が、集中的に依頼を集めています。
それはともかく、「想定外の依頼も断らない」と決めることで、意外な展開が期待できるかもしれません。ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2007年07月13日(金)更新
海のレクサス!? トヨタのプレジャーボート事業
海のレクサスとは、「すべては最高のために」というコンセプトのもと、05年10月に発売した『ポーナム45』。全長約15メートルで、価格は約9400万円。内装には最高級の国内材を使い、車の電子制御技術を応用し、1本のスティックを操作するだけで全方位に移動できる最先端技術を装備しています。
トヨタがプレジャーボート事業に参入したのは、97年2月のこと。当初は、中型艇からスタートし、大型艇、小型艇と事業を拡大していきましたが、水上スキー用などの小型艇の売上げが思いのほか伸びなかったことから、「中大型艇」に特化する道を選んだようです。
競合他社はバブル崩壊後、大型艇から相次いで撤退していたので、競合は少なく、利幅が大きいというのも選択の理由でした。その後、自ら選んだ道を信じまっすぐに進んできたわけですが、折りしもこのポーナム45の発売が、景気回復と重なり、海のレクサスとして注目を集めることになったのです。
事前の予想では、年間販売数を5隻に設定していたところ、なんと発売後数か月で13隻の注文が舞い込みました。一時は生産が追いつかずストップしていた受注も、今年3月にようやく再開したそうです。
日本も不景気の時代が長く続きました。そんな環境に身を置くと、経営者といえどもなかなかゴージャスな発想ができなくなってしまうものですが、トヨタのプレジャーボート事業部門は、そんななかで富裕層向けの商品を開発し続け、ひたすら景気回復後のビジネスチャンスを狙っていたのでしょう。
業界大手のヤマハ発動機によると、大型高級艇の購入者は、IT企業の若手経営者が目立ち、都市部での購入者の平均年齢は、03年の63歳から、06年には46歳に下がったそうです。
しかも、彼らは仕事に追われて遊ぶ暇がなかったバブル期の富裕層とは違い、お金と時間を上手に使う『アクティブな富裕層』なのだそうです(*^^)v
富裕層、それも特別にニッチな層に向けての商品やサービスは、本当に競争がないに等しいので、価格などの面でも完全に主導権を持ったビジネスができます。
そう考えると、この業界の未来はしばらく明るい感じがしますが、それは「長期的な視野」を持った経営の勝利といえるでしょう。いつの時代も、目先にばかりとらわれず、将来に向けての準備を着々とすすめる会社に勝利の女神は微笑むようです(@^^)/~~~
2007年07月06日(金)更新
「レトロ」商品復刻と情報資産の活用
大塚食品の『ボンカレー』は、女優の松山容子さんを起用した“初代”のパッケージデザインで、50万食限定商品を作りました。味もできるだけ初代に近づけるために、小麦粉を多くしてとろみを強め、色も黄色くしたそうです。
また、サンヨー食品では、カップめん「サッポロ一番カップスター」を1975年発売当時の容器デザインと味に近づけて新発売しました。細かい波状だった容器を印刷で再現し、味も当時のあっさりしたしょうゆ味にしたようです。
同社はこの復刻について、『消費者に浸透しているイメージ資産を最大限に生かした』と説明していますが、このような発想はかなりイケてると思います(*^^)v
情報化社会は確実に進化を続けていますから、これからの時代の経営者は、社内にこのような「目に見えない資産」がどのくらいあるかを把握しておく必要があるのです。
一方、80年前の商品名を復刻させたのは、 丸美屋食品工業。創業80周年を機に、戦後販売が途絶えたままになっていた「是(これ)はうまい」というふりかけを再発売しました。
当時はひし形のガラス瓶に入り、百貨店で売られる高級品だったそうですが、そのイメージを生かして、外箱はひし形に、カツオが中心だった中身は、ウニ・ワサビ・七味にリニューアルしたそうです。
というのも、一見「子ども」がターゲットに思えるふりかけは、同社調査によると実は40歳以上の世帯に売れているケースが多いのだそうです。幼少期から食べていた人が大人になっても普通に買う、という現象が起きているようで、同社では「商品としての歴史の長さも価値になっている」と話しています。
このように、これからの経営は社内に眠っている「価値」、つまり情報資産をどう有効に活用していくかも、ひとつのポイントになると思います。
また、昔懐かしい復刻商品は、家庭内での親子の会話や、職場での世代を超えた話題になりやすいでしょう。「話題になる」ということは、その情報が広く伝わっていきやすい、ということでもあります。
この事例を参考に、あなたの会社に眠っている「情報資産」をもう一度掘り起こしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2007年06月29日(金)更新
「無料」のかげに「広告」あり
その秘密は『広告』。商品の一部を広告媒体として提供することで、無料サービスが実現しているのです。
デジタルカメラで撮影した写真のプリントから発送までをすべて“タダ”で行うのは「プリア」という会社ですが、写真の隅に企業のロゴを入れたり、ハガキ大の用紙の上半分は写真、下半分を広告スペースにすることで、「無料化」を実現しました。
たとえば、結婚式の披露宴や、旅行の写真を大勢に配りたいといった場合などにはとても便利なサービスで、サイト上から会員登録をすれば、希望の写真をアップロードするだけで、指定した住所に郵送してくれるそうです。
広告主からしても、友人からの封書であれば開封率100%ですから、かなり有益な広告媒体ということになります。現に予想を超える人気ぶりで、約5ヵ月間で登録会員数は10万人に達し、プリントされた写真も500万枚を下らないようです。
一方、「オーシャナイズ」という会社は、普段白紙になっているコピー用紙の裏面を広告媒体にすることで、無料のコピーサービス、その名も「タダコピ」を実現しました。昨年4月から展開しているそうですが、すでに26大学に設置されているそうです。
広告料金は、コピー1万枚で約40万円。女子大では女性用の商品のPRに、理系大学では専門職の求人といったターゲットに合った広告を打てるため、すでに約100社との契約が成立しているそうです。
また、広告業のウィル・ビーと飲料販売のアペックスは、今月下旬から「メディカフェ」というサービスを展開し始めました。自販機のボタンを押すと、飲料がカップに注がれるまでの数十秒間に、自販機に設けられたディスプレー画面に広告が流れるしくみです。
さらには、カップの側面にも広告を印刷することも可能で、スポンサーの意向で、飲料の価格を細かく設定でき、最大は「0円」にすることも可能だそうです。今のところ、路上に置くことは考えていないそうですが、高速道路のサービスエリア、大学構内、英会話教室などへの設置を計画しているようです。
私は、世の中の情報化が進めば進むほど、「広告が一番大きなビジネスになる」と思っているんですが、莫大な費用を投資して「有名なメディアに広告を出す」という考えかたばかりでなく、自ら「広告媒体」をも生み出せる時代になったのです。
経営者の発想しだいで、まだまだユニークなサービスが誕生するかも・・・と考えると、世の中本当におもしろいです。この事例を参考に、ぜひアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~
2007年06月22日(金)更新
地域密着型ビジネスを考える
角川クロスメディアは、この「街角ウォーカー」シリーズを『雑誌とネット』で展開中です。グルメやレジャー情報はもとより、街の歴史、意外と知らなかった地元の穴場情報、神社のお祭りや商店街のイベント、はたまたスーパーの営業時間や公共施設の情報までをも網羅し、生活便利帳としても使えると地元住民から絶賛されているようです。
平成17年7月に発売された第一弾の「足立区ウォーカー」は、初版4万部を完売し、すかさず重版。以後、大阪の堺市、枚方市、東京の江東区、千葉の船橋習志野など、人口増加が目立つ地域を中心に相次いで新刊を発売し、今年度は前年の2倍に当たる約30冊の発売を予定しているそうです。
こうした本は、都心の学校や会社に通っているため、地元のことをあまり知らない住民たちに売れているのだと思いますが、その地域に新しく引っ越してきた人たちにも必要でしょうし、他には、そのエリアを担当している営業マンたちにも売れているんじゃないかと思います。
個人情報保護法の施行で、リストが簡単に手に入らなくなりましたし、NTTの電話帳にも連絡先をわざと載せないお店も増えてきたようですので、最近では駅前の案内板でお店の広告を見ながら、必死にメモを取る営業マンの姿を見かけることもあります。もしかしたら、そんなところにも隠れたニーズがあるのではないでしょうか。
それはともかく、今の時代、ネットで検索する場合も、ふたつ以上のワードを複合的に組み合わせて目当ての情報を探す人たちが増えています。その中でも「地域を限定する」キーワードは検索件数がとっても多いようです。
試しに、あなたの会社の商品やサービスに、地域を組み合わせてネット検索をしてみてください。「建設機械 埼玉」とか「美容院 自由が丘」といったことですが、こうしたキーワードに対して、検索エンジン対策をしておくこともとっても大切です。
インターネットの世界は、極端に言えば全世界を相手にできるわけですから、ついついターゲットを広げた発想をしがちですが、「地域を限定してみる」など、ターゲットを絞った発想をしてみると、また違ったものが見えてくるはずです。
地域限定ガイドのニュースから、こんなことを考えてしまったんですが、この事例を参考に、自社のマーケティングをもう一度見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2007年06月15日(金)更新
企画の勝利?! 「楽器挫折者救済合宿」
今週の私のブログでも取り上げたのですが、特に団塊の世代へ向けてのアプローチは、何かと話題性もあり、展開の仕方によっては、おもしろいビジネスになる可能性があります。
今日は、その事例のひとつとして、日本旅行が企画した「楽器挫折者救済合宿」をご紹介しようと思います。
このツアーの企画意図は、子どもの頃に習っていたけど途中でやめてしまったピアノや、憧れで買ったものの、結局弾きこなせなかったギターなどにもう一度チャレンジしよう、というもので、特に団塊世代のマーケットを強く意識したわけではないようですが、いざ募集を開始してみると、どうやらこの世代の熱い支持を受けているようです。
若かりし頃には手が出なかった、憧れのマーティンを買って、再チェレンジする「おやじギタリスト」も急増しているようです!(^^)!
ツアーの内容はと言えば……マルチミュージシャン「きりばやしひろき」さん指導のもと、2泊3日で宿にこもってひたすら“特訓”。最終的に参加者全員をバンド演奏のレベルにまで上達させることを目的として、今年はシンガーソングライターの種ともこさんを特別講師として招き、ボーカルレッスンも開催するようです。
1回の定員は15人で、直近では8月の夏休みに、素朴さが人気の小湊鉄道に揺られ、今春廃校になった千葉県市原市の月出小学校へのツアーが決まっていて、近くの旅館に泊まり、最終日には全員で、課題曲を住民たちの前で発表するそうですから、町おこしにも一役かうことになるかもしれません(*^^)v
ちなみにツアー価格は、39,800円。ギターとベースは3,000円でレンタル可能という親切ぶりです。このツアーにはこれまで670人を超す人たちが参加しているようですし、8月のツアーもすでに満員御礼のようですから、なかなかの人気ぶりと言えるでしょう。
「いつかはやりたい……」と思っていても、なかなかきっかけをつかめないようなことが、私たちの周りには結構あるものです。そんな需要をうまく取り込めるような企画を考えると、意外にすんなりと新しいビジネスが立ち上がるかもしれません(@^^)/~~~
2007年06月08日(金)更新
近代の「産業遺産」認定と情報化社会
その対象は、
●幕末から戦前の工場跡、炭坑後の産業遺産であり、産業の発展過程においてイノベーティブな役割を果たしたもの
●建造物のみなならず、画期的製造品および当該製品の製造に用いられた機器・教育マニュアル
などで、自治体などから候補を公募し、現地調査と専門家らによる産業遺産活用委員会の意見を踏まえた上で、この9月にも認定先を決めるとのことです。
たとえば、官営八幡製鉄所とこれを支えた九州炭坑遺産軍群というように、できるだけ関連する複数の産業遺産を、地域史・産業史を軸に取りまとめるようですが、おもしろいのは、それらを「観光資源」として地域活性化につなげようという狙いもあり、『ストーリー仕立て』にすることで、観光の周遊コースとしてアピールするそうです。
これって、まるで「プロジェクトX」みたいな戦略ですよね(*^^)v ものごとはあるところまで成長すると、急にまた「古いもの」に光が当たったりするものなのです。日本経済もそんな時期に入ってきたということでしょうか。
それはともかく、今の世の中で上手にものごとをPRしていくには、この「ストーリー仕立て」というのが相当大切です。なぜなら、情報化社会とは、商品やサービスと一緒に、その背景にある「情報」や「ストーリー」を買っている時代とも言えるからです。
ふだん自分たちが普通にやっていることは、慣れもあって、特別すごいことだと認識していないものですが、それを客観的なストーリーにすると、相手にすごく伝わりやすくなりますし、「自分たちの仕事って結構すごいかも」なんて思えたりするものなのです。
客観的な視点を持った情報を発信することで、ビジネスの新たな展開も期待できますから、
この事例をヒントに、自社のPR戦略やWEB戦略をいろいろと発想してみてください(@^^)/~~~
2007年05月31日(木)更新
iPodを販促に活用する法
化粧品会社のエスティローダーが、アップルのネット版音楽管理ソフト「iTunes」から、スキンケア用品の使い方を紹介する映像番組の配信事業を始めたというのです。
エスティローダーが採用したのは、「ポッドキャスティング」という方式で、「iTunes」から番組を無料でダウンロードしてもらい、自分のiPod上で再生してもらう方法ですが、「エスティーローダー スキンケア&メイクアップアドバイス」の名称で、約10分の番組を配信しているそうです。
同社では、所属のメイクアップアーティストが、製品の基本的な使い方を実際に指南したり、季節ごとのテーマを決めたりして番組を制作しています。たとえば夏に向かう今のシーズンは、「美白」をテーマに、同社の美白関連用品の正しい使い方などを盛り込んでいるみたいです。
今後、新製品の発売時期などに合わせて、年間で4番組の配信を予定しているそうですが、この方法は、説明型の商品にはピッタリな販売促進の方法です。他社もまねしたくなるんじゃないでしょうか(*^^)v
売り場で見ただけでは、いまいち使い方がよくわからない商品や、使い方しだいで、結果に大きく差が出るような商品には、動画で説明できるこの方法は、かなり効果があるでしょう。
しかも、iPodを既存のインフラとして認識し、そこに向けて番組を配信するわけですから、賢い方法だともいえます。
このように、情報化社会とは、経営者のアイディアとセンスさえあれば、昔ほどの投資をしなくても、新しいことをどんどん試せる世の中です。この事例を参考に、ぜひアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~
2007年05月23日(水)更新
中小企業向け“社歌”はビジネス
大企業には、経営理念や社風をなど織り込んだ社歌があったりしますが、その制作には、結構な費用と時間がかかるので、中小企業では、「社歌があったらいいな」と思っても、なかなか実現できなかったと思います。
そこで、彼は「中小企業に需要を絞って、社歌を制作するビジネスはニーズがあるかも」と考えたのです。もともと彼は、ロシアの教会で聖歌を歌ったり、オルガンを弾いたりしていた音楽好きだったので、好きなことを仕事にしたいという思いもあり、06年にサンフランシスコに「eNthem(エンセム)」という会社を設立しました。
会社設立当時は、それまで社歌を作ろうなんて考えたこともなかったような中小企業を訪ね歩いて、社歌の重要性を説明して歩いたそうですよ。なかなかガッツがありますよね(*^^)v
といっても、社歌にお金をポンと出してくれる社長さんは、簡単に見つからなかったようで、最初は制作費を思いっきり安くして作ったそうです。作詞、作曲から録音まで含めて500ドル(約6万円)という価格にもかかわらず、ジングル(テレビやラジオのCMのためだけに作られた短い曲)とは違い、たっぷり3分はある曲を提供したそうですから、かなり喜ばれたことでしょう。
社歌は買取式で、作ってもらった会社では、電話の保留音にしたり、社内で放送したり、また、顧客や社員にCDにして配ったりと、いろいろな方法で活用するそうです。
軌道に乗り始めると、彼は会社ごと買ってもらうことに成功し、今はコンルタントとして経営に参加。制作費も700ドルに値上げし、月に10~15社の社歌を制作。今年の総売り上げは15万ドル(約1800万円)と予測しています。
ロシアの青年が、ちょっとした思いつきでビジネスを立ち上げられるアメリカの環境はすごいと思いますが、それを軌道に乗せるとあっという間に事業を売却・・・(――;) 価値観や考え方の違いといってはなんですが、すごいですよね。
日本だと、一般には事業は思いを持って始めるので簡単に売ろうと考えないものですし、まだ、そんなに会社を買うっていうのもノーマルじゃないですが、これから、日本も法律がかわってどんどんM&Aの時代にいっていったら、商習慣がこれだけ違っていると、混乱するだろうなぁ~って思います。
売却目的で事業を立ち上げ、企業は事業の開発費や初期投資する代わりにそういった事業を買収・・・効率的って言えばそうですけどね。みなさんはどうお感じになりますか(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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