石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2007年10月05日(金)更新
大人版『キッザニア』?! なりきりツアーが人気
ANAセールスがこの8月に開催した「東京メトロまるごと体験ツアー」は、東京メトロの研修センター(動力車操縦者養成所)で、運転手が実際に使うシミュレーターを使った訓練ができるというものだったそうですが、「4歳~12歳の子どもとその保護者」を対象にしていたものの、「お子さんより目を輝かせて楽しんでいる親御さんも多かった」そうです。
普段、養成所のシミュレーターは一般開放されていないのですが、地下鉄博物館などの簡易シミュレーターと違って、計器など運転室の中は本物と同じ。しかもドアの開閉まで可能とあってか、鉄道好きにはたまらないみたいです。同社ではツアーの好評ぶりを受けて、東京メトロ側の受け入れが可能なら、第2弾も企画したいと意気込んでいるようです。
一方、エイチ・アイ・エスでも、今月18日から12月末まで、台湾・台北市近郊にあるトレーニングセンターで、キャビンアテンダント(CA)の訓練を受けられる体験ツアーを実施するそうです。
18歳から35歳までの女性を対象に、実際にユニフォームを着て機内食サービスを練習したり、機内での立ち方・歩き方、緊急時の対応などをトレーニングするそうです。同社によると「申し込みも入っており、反応は予想以上にいい」そうです。これって、かたちを変えた「求人活動」になるかもしれませんね。
それはともかく、体験ツアーの増加には、単なる観光に飽き足らなくなった層が、「大人の社会科見学」に注目しはじめているといった背景があるわけです。京情緒あふれる祇園での「舞妓さん変身プラン」なども相変わらずの人気ぶりだそうですし、タイ式マッサージやバリ式のエステ、イタリア・トスカーナ地方の家庭料理など、一度体験して気に入ったものを、今度は自らやってみたいという需要が、20~30代の女性を中心に高まっているのだそうです。
現にANAセールスでも、「通常のパック旅行は価格競争にさらされているのが現状だが、プロがアレンジしなくてはできない『特別な体験』なら、多少高くても参加してくれる」と話しています。
私は常日頃から「世の中は、自分のためにお金を出して実験してくれている」という観点で世の中の現象を見ることをおすすめしていますが、経営者にそうした視点があれば、経営のヒントはいくらでも見つかるものです(*^^)v この経営者会報ブログも、そういう意味でみなさんのお役にたてばいいなぁ~と思っています。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
2007年09月28日(金)更新
「ホノルルマラソン」ツアーの人気ぶりに思う
業界で最も早く発売を開始した H.I.S(エイチアイエス)でも、ウェブ上に特設ページを作ったのはもちろん、独自の「マラソン攻略講習会」を開き、事前トレーニングのレクチャーや初心者向けランニングトレーニングなどを行っています。
12月9日に開催される「ホノルルマラソン」は、今回で35回目を迎えるそうですが、昨年は2万8千人超のランナーが参加登録し、なんと!このうち約1万7千人が「日本人参加者」なんだそうです。参加費用は、日本国内受付(10月26日必着分)で、ひとり15,000円のようですから、日本人の参加費だけで、2億5千万以上にもなるのかと思うと…いささか複雑な感じもします(-_-;)
以前、私のブログに書いた「ビリーズブートキャンプ」にしても、おそらく市場を牽引しているのは日本人だと思いますから、日本のマーケットが欧米各社から狙い撃ちされるのもわかります。これが一過性のブームではなく、「文化」として定着すれば、日本人は「消費者」としてしっかり成熟したと言えるのでしょうが…。
マラソンの場合は、昨年の「東京マラソン」の成功もあり、スポーツイベントとしても定着した感がありますし、日本人にとっては、オリンピックでメダルを狙える数少ない競技であるとともに、お正月の「駅伝」の視聴率からみても、日本人がかなりの“マラソン好き”であることがわかります。
だったら、思い切って世界中のランナーを日本国内のどこかに集めて、ホノルルマラソンに負けないくらいの大会を開催できないものなのでしょうか? ホノルルマラソンの人気ぶりを見るにつけ、「もってかれっぱなし」を悔しく感じ、「誰かやらないかなぁ~」などと思ってしまいます。
そういえば、私がお世話しているある会社では、社員に対して「ホノルルマラソン」への参加を半ば義務付けているんです。同じ困難を体験することにより、より社員同士の連帯感を高めるっていう意味合いもあるんですが、一番大きな目的は「自分が1週間海外に行っていても、支障のないような仕事の体制を作る」ってことなんです。
そのために、アルバイトやパートさんとも上手に連携を取ったり、仕事を「マニュアル化」することを社員に課しています。社員がほぼ全員でホノルルマラソンに参加しているなんて、かなりユニークですから、何かと話題にもなりやすいですし(*^^)v
スポーツは上手に使えば、「教育」にも効果の高いものです。スポーツの秋、まずは自社で何かイベントを企画してみるのも、面白いかもしれません(@^^)/~~~
2007年09月21日(金)更新
ライバル誌で“コラボ”企画
これは、講談社の隔月刊誌「モーニング2」と、小学館の「IKKI(イッキ)」の企画で、両誌に連載を持つ気鋭の漫画家・西島大介さんが、背景の色調を統一し、それぞれの連載の主人公を登場させて描いたイラストを両方の表紙にしたもので、それらが2枚合わせると1枚の絵になるという、ユニークなしかけです。
いわば「ライバル誌同士がタッグを組む」という、少し前までは考えられなかったことですが、その背景には深刻な「マンガ誌不況」があるようです。出版科学研究所が公表したデータによると、マンガ誌の販売部数は、平成7年の13億4301万部をピークに下降の一途をたどり、昨年には、7億4537万部と激減。老舗雑誌の「月刊少年ジャンプ」(集英社)も、今年7月に休刊となるような状況のようです。
この企画について講談社編集部では、「才能ある漫画家を応援したい気持ちはライバル社でも一緒。これからも社を超えて面白い試みをやっていきたい」と話し、もう一方の小学館編集部も「2誌で表紙を飾ることで、多くの人の目に触れてもらうことが目的です。また、最近は単行本でマンガを読む人が増えたのでマンガ誌に戻ってきて欲しい」と話しています。
たしかに、今の若い世代の「活字ばなれ」に加え、おこづかいのほとんどが携帯代に取られてしまうこともあり、雑誌がなかなか思うように売れないという現実もありますし、世の中の動きに逆行するといっても、いち企業のできることには限界があるのも確かです。
今回の事例を参考に、あなたの会社でも「ライバル」と手を組んで出来る取り組みはないか、また業界全体で出来ることはないか…などと、ぜひ発想を広げてみてください(@^^)/~~~
★拙著『営業マンは断ることを覚えなさい』の文庫化を記念して、【石原明 ★無料★ 講演会】のご招待キャンペーンを実施中です。詳しくはこちらで!
2007年09月14日(金)更新
「プラレール」で社員研修?!
これは、最新技術を乗せて超高速で走る新幹線の安全を守るために実施している訓練で、全体の状況を把握しながら効果的な訓練ができるうえ、なにより安上がりで、しかも「なごやかな」雰囲気になるというメリットもあるんだそうです。なるほどねぇ~(*^^)v
たとえば、故障で止まった新幹線を駅にいた別の新幹線が救援するといった想定の訓練が行われたりするみたいですが、このプラレール訓練は06年7月から開始されたもので、発案者の方は「技術進歩で、トラブルを経験する乗務員が減った。実際の車両を使った訓練では個々が全体状況を把握しにくい。この歯がゆさを、手軽な予算で解決できた」と話しています。
JR東海では、もちろん実車訓練も実施していますが、乗務員教育の基本は5冊のマニュアルだそうです。日々の業務をマニュアル化することはとても大切ではありますが、同時に「マニュアルの限界」も存在することを、経営者は知っておく必要があるでしょう。
「マニュアルだけの教育では、現場で異状に即応できないのでは」という不安を抱えていたJR東海では、沿線全駅を再現できる量のプラレールパーツを購入し、信号機などは特注したといいます。
メーカーである「タカラトミー」は、「最初は驚いたが、現場の方々から直接いただく意見はとても貴重。今後に役立てます」と話し、特注を受けた標識や信号機を、早速商品化したそうです。
「プラレール・訓練用パック」なんかを作って、鉄道各社に売り込んだりしたら、結構なマーケットになるのではないでしょうか…。
それはともかく、ちょっとしたアイディアで「マニュアルの限界」を超えた発想力には、ちょっと感心してしまいました。例えば、営業マン研修などに使えるゲームなんかも、探してみたら結構あるかもしれませんよね。
この事例を参考に、自社の研修のあり方を見直してみると同時に、自社製品を他業界の研修用に活用できないか……などと発想を広げてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2007年09月07日(金)更新
ボーズ・ビー・アンビシャス?!
東京都江戸川区「密蔵院」の住職さんは、新小岩駅近くのライブハウス「チッピー」で、毎月1回『声明(しょうみょう)ライブ』なる活動をしているのだとか。若手僧侶2人とともに袈裟(けさ)姿でステージに立ち、独特の節回しでお経や梵語(サンスクリット語)を唱えるのだそうです。
はじめのうちは、店の扉を開けたとたん、お通夜と間違えて帰ってしまうお客さんもいたようですが(ーー;)、このライブを始めてもう5年にもなるそうですから、しだいに定着し、今では癒しを求めてやってくる固定客も増えたみたいです。日本のゴスペルって感じなのでしょうか…。終了後、客席で人生相談に乗ることもあるそうです。
一方、オフィスビルに囲まれた港区虎ノ門の「光明寺」では、本道前にしゃれたイスとテーブルを並べ、『神谷町オープンテラス』として開放しているのだそうです。ランチを持ち込むこともできるので、お昼時は近くの会社のOLたちで結構な賑わいをみせているのだとか。
さらに「ツナガルオテラ神谷町オープンテラス」というブログまで開設しています。先の「密蔵院」のホームページも、「参加するお寺」をコンセプトにしたとってもやわらかい作りになっているので、企業もこのセンスをおおいに見習うべき点があるように思います(*^^)v
光明寺によると「お寺はかつて地域コミュニケーションの中心だった。現代では、カフェに行くような気持ちで足を運んでもらえる寺をつくろうと企画した」と話していますが、「時代が変わった」などと嘆くばかりでなく、自らを時流と合わせていく感覚も大事だなぁ~と、ちょっと感心してしまいました。
また、港区愛宕の「青松寺」では、03年から「ボーズ・ビー・アンビシャス(坊さんよ、大志を抱け)」という呼びかけで、宗派を超えた若手僧侶が、仏教の抱える問題について本音をぶつけあう集いが続けられているそうです。
この活動を応援している、「がんばれ仏教!」などの著者で、文化人類学が専門の上田紀行・東工大准教授も「僧侶が寺に引きこもったままでは、社会の苦しみは救えない」と話していますが、これはビジネスにも通ずる大事な発想だと思います。
特に日本古来の伝統技術を継承したり、老舗と呼ばれる会社を受け継いでいる経営者の方には、ぜひこうした発想を持って欲しいと思います。この事例を参考に、自社のビジネスを時代にキャッチアップする方法を考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2007年08月31日(金)更新
おさかなマイスター
これはおそらく、「野菜のソムリエ」の成功事例をヒントにしての動きのような気もしますが、業界団体がこのような取り組みをすることは、とてもすばらしいと思います(*^^)v
これは、水産庁が平成18年度の白書に書いた「かつてない魚離れが起きている」という指摘を受け、状況を好転させようと、業界が一体となって立ち上がったのでしょう。家庭や学校での子ども向けの食育や、スーパーなどの販売員、または調理関係者にこの資格を活用してもらいたいみたいです。
この10月から、築地の「おさかな普及センター資料館」において、アドバイザー育成講座がスタートします。期間は3ヶ月、全11回で、12万6000円。来年4月からは、いよいよ「マイスター講座」が始まるそうです。
講師は、築地の鮮魚店や水産研究機関の専門家などで、たとえば、冷凍マグロの解凍に塩水の湯を使うプロの技を伝授したり、「比較さしみ論」では、天然物と養殖物の違いを比較したり、ミナミ・メバチ・キハダなどのマグロを食べ比べ、味の違いを研究したりするみたいです。ちょっと面白そうですよね(*^_^*)
もちろんちゃんとした勉強もあって、旬の魚や栄養を学んだり、漁法、目利き、適した調理法、取り扱い方法などが学べるのだとか。今や一般消費者とプロの情報格差が年々縮まるなか、「専門家の知識をきちんと教える」という姿勢は、ビジネスを展開するにおいても、大いなるヒントになりそうです(*^^)v
あとは、この「おさかなマイスター」の存在を、どこまで広く認知してもらえるかの勝負になるでしょう。野菜のソムリエのように、人気タレントを広告塔にするのか、雑誌とタイアップしたり、楽しいイベントを企画したりもするのか……今後の展開にしばし注目してみたいと思います(@^^)/~~~
2007年08月24日(金)更新
本とサイトを連動させる
文庫本発売に合わせて、この書籍の専用サイト『断る営業.com』をオープンさせ、新たなしくみ作りに取り組んでいるので、今日はそのお話をしたいと思います。
この本の前身は、私が6年ほど前に自費出版した、100ページ足らずの小冊子です。と言っても、この小冊子は販売を目的に作ったものではなく、『主導権を持った営業スタイルやマーケティングの知識』を顧問先の幹部社員に教えるために、研修資料(レポート)としてまとめたものだったのですが、その内容が評判になり、自然とクチコミで広がったことで、自費出版することになったのです。
この小冊子を売るために最初に試したのは、経営者の団体などの機関紙や業界紙に広告を掲載して、販売する、という方法でした。
ちなみに広告のサイズは、6cm×8cmという小さなもので、料金も2万4千円程度だったと思います。小冊子の値段は、買いやすく、たとえ内容が気に入らなくても後悔しない価格帯にしようと思い、1冊あたり800円に設定しました。ざっくり計算して、印刷代などの原価は半分ですから、この広告で60冊売れれば広告費が回収でき、永遠に広告が出し続けられる、ということになります。
この方法は、確かに効果がありましたが、広告というものは、どうしても頼んでから実際に掲載されるまでのタイムラグが発生します。おりしも、顧問先で「メルマガ」のことが話題になりました。恥ずかしながら、その頃の私は、「メールマガジン」の存在さえ知りませんでした(――;)
しかし、ピン!ときた私は、そこから持ち前の好奇心とバイタリティを楽しく発揮して、メールマガジンとホームページを使ったWebでの「売れるしくみ」の構築に当たります。今でこそ、「Webマーケティング」という言葉も当たり前のように使われていますが、たぶん私が、このしくみで本を売った最初の人だと思います(*^^)v
あれから、約5年の歳月が流れ、インターネットを初めとする私たちを取り巻く環境も随分と変わりました。今では、ネットオンリーで情報商材を売る人たちも大勢表れましたが、私自身は、Webマーケティングもそろそろ次のステップへ進むべきだと考えていました。
そんななか、「営業マンは断ることを覚えなさい」の文庫化が決定し、私は、実験のチャンスとばかり、次のステップへ向けて、この「断る営業.com」の企画を立てたわけです。
というのも、年間にものすごい数の新刊が出る昨今では、本の寿命(本屋さんの店頭に並ぶ期間)はせいぜい半年。良い本はずっと売れるべきなのに、それを許さない現実があります。もちろん、ネット書店もありますが、膨大な書籍の中からは、目的意識がなければ、本は探せません。そこで、私は専用サイトを作り、有益な情報提供を続けることで長く本を売ろう、と考えているのです。
今は技術の進歩もあり、サイトを比較的短時間で、簡単に作れるようになりました。私は、サイトを作る速さとビジネスの速さは比例すると思っているくらいです!(^^)!
こうして「営業マンは断ることを覚えなさい」は、情報化社会とともに進化を続けるわけですが、マーケティング事例としても、かなりユニークな存在だと思います。ぜひ、参考にしてください(@^^)/~~~
★8月31日まで、「著者自ら徹底解説!断る営業と売れるしくみ」の動画(取り下ろし32分!)が見られる新刊キャンペーンを展開中です!
2007年08月17日(金)更新
プラネタリウムのリバイバル人気に思う
東京・池袋にある「サンシャインスターライトドーム“満天”」は、きらめく星空に花火が打ち上がる映像を映したり、アロマの香りとロマンチックな音楽で会場の雰囲気を盛り上げたりして、新たなデートスポットとしての人気を獲得しています。
大人向けに設定された夕方以降の回では、お客さんの6割以上がカップル、という日も多いみたいです(*^_^*)
一方、「葛飾区郷土と天文の博物館」は、今年3月に、これまで人類が観測した全宇宙の天体データを映像化できる『デジタル・ユニバース』を国内で初めて導入しました。これが中高年の知的好奇心を刺激したらしく、リニューアル後は順調に動員数を伸ばしているようです。
従来のプラネタリウムは、地上から見上げた星空を平面的な映像にするだけでしたが、今どきのプラネタリウムは「デジタル技術」を採用し、立体的な映像をドームに映し出すことで、まるで宇宙旅行や宇宙散歩を体験したような気分にさせてくれるんだそうです。これなら、大人も十分楽しめますよね。
バブル崩壊以後、娯楽の多様化もあって、プラネタリウムの人気は下降線をたどる一方。都内では平成13年に渋谷の「五島プラネタリウム」が、続く15年には、「満天」の前身である「サンシャインプラネタリウム」が閉館しました。
しかし、人類の宇宙に対する憧れには、普遍的な要素があります。新しい技術を導入したり、魅力ある企画を打ち出すことで、プラネタリウムには、もっとお客さんを呼べるはずなんです。
しかも今なら、「リバイバル」的要素もあり、注目を集めているので、親子はもちろん、世代を超えた会話のきっかけにもなりやすいわけです。
要は、多くの人に「行ってみたい」と思わせるような、魅力あるプログラム作りができるかどうかに、プラネタリウムの未来がかかっているわけです。
そのなかで、杉並区立科学館では、米国の著名研究者にインタビューするなど、最先端の宇宙研究を独自に取材し、番組化しているようです。設備はデジタル化しても、製作会社から購入した番組を流すだけの館もあるなかで、とても立派な取り組みだと思います。
同館の物理指導担当係長の話では、「大人向けの番組を作り続けるには、職員に十分な知識が必要。でも、短期間で集客実績を要求されたり、職員が数年で異動したりと、公営のプラネタリウムには専門家が育ちづらい環境にある」そうです。
そんな問題意識から、彼は3年前に、プラネタリウムの職員が最新の天文学を学ぶワークショップを開催することにしました。
「星座の美しさだけでなく、旬の宇宙の話題を提供するのもプラネタリウムの役割です。『やさしい内容=みんな喜ぶ内容』ではない。難しいけれど面白い番組作りをしなければ」という言葉には、かなりの説得力があります。
企業としても、商品開発の方向性や、情報発信のヒントになる考え方だと思いますので、ぜひ参考にしてください(@^^)/~~~
2007年08月10日(金)更新
フィンランド大使館の「教育サイト」に学ぶ
答えは「フィンランド」だそうです!
これは、経済協力開発機構(OECD)の国際学力調査(PISA)の結果なんですが、15歳を対象にした「学習到達度調査」の「読解力」と「科学的能力」の分野で、参加41カ国中、フィンランドがトップの座に輝いたそうです(ちなみに日本は、読解力で14位、科学的能力で2位という結果だとか)。
そんなフィンランドの教育を、日本の子どもたちにも紹介しようと、フィンランド大使館は、インターネット上に「プロジェクト・フィンランド」という教育サイトをオープンしました。
それを知って、私も早速そのサイトを見てみたのですが、かなりグレードの高い作りになっていて、ちょっと感心してしまいました。同国の人気キャラクター「ムーミン」と一緒に、『自ら学ぶ教育』を疑似体験できるしかけになっているんです(*^^)v
もともとこのサイトは、平成15年に、駐米フィンランド大使館が作成したもののようですが、評判がよかったことから、このたび日本向けにリニューアル・オープンし、ムーミンがガイド役となって、フィンランドの「教育・自然環境・ハイテク・エネルギー問題・社会福祉」などについて、自主的に学べるように作られています。
なんでも「自ら考え、学ぶように導くのがフィンランド式」だそうで、サイトの一部には、対象年齢の小学5年生から中学3年生には、すこし難しい漢字や表現もありますが、「わからないことがあれば、自分で辞書をひいて調べるのがフィンランド式」だと、駐日大使は話しています。
このサイトでは、まず「学び方を学ぶ」ことが大切だ、ということを理解してもらうのが目的なのでしょう。クイズ形式にして、子どもたちの興味を引き付ける工夫や、サイト全体のやわらかいイメージには、本当にセンスを感じてしまいます。どこかの国の官公庁のサイトとは、随分違いますよね(――;)
情報化社会が進めば進むほど、ただ、情報を発信することにとどまらず、「いかに相手にわかりやすく情報を伝えるか」という技術にも日々磨きをかけないといけません。そういう観点で、このフィンランドの教育サイトをよいヒントにしていただければと思います(@^^)/~~~
2007年08月03日(金)更新
コンテンツを集めるしくみ
ポイント制の導入や、ショッピングモールの展開については、私のブログにも以前書きましたが、先月から、販売商品に関する写真を利用者が投稿できる「カスタマーイメージ」機能が追加されたのをご存じでしょうか?
現在アマゾンでは、書籍のほかにも、ものすごい数の商品点数を扱っています。書籍、CD、DVDなどであれば、「買おうかどうしようか」迷ったときに、他のユーザーの書いたレビューを参考にしている人も多いと思いますが、それを「写真版」にして、よりよい形で展開しようと考えたのでしょう。
たとえば、上の写真は、「ポータブル冷蔵庫」内部の投稿写真です。メーカーから提供されるカタログ写真だけでは、実際の大きさや使い勝手、はたまた「ペットボトルが何本入るか」などの細かい情報がわかりにくい面もあります。
たとえば、上の写真は、「ポータブル冷蔵庫」内部の投稿写真です。メーカーから提供されるカタログ写真だけでは、実際の大きさや使い勝手、はたまた「ペットボトルが何本入るか」などの細かい情報がわかりにくい面もあります。
それを、ユーザーからの投稿写真で補おう、という試みなのです。かなり頭いいですよね(*^^)v
利用者は、自分の撮った写真をコメント付きで投稿でき、投稿写真は、商品詳細ページに掲載されます。また、別の利用者が、その写真やコメントが「役に立ったかどうか」を投票でき、賛成票の多い写真は、上位に掲載されるみたいです。
この「カスタマーイメージ」の機能は、米国ではすでに2004年9月から開始されていて、今回、日本・ドイツ・フランス・英国の4カ国で同時にスタートを切ったようですが、アマゾンのサイトはこの機能を付加したことで、ますます他のショッピングサイトから抜きん出た存在になると思います。
みなさんも経営者として、自社サイトの運営に係わっていらっしゃると思いますが、サイト運営で一番たいへんなのは、いかに更新頻度を上げ、有益なコンテンツをどうやって充実させていくか、ということに尽きます。
そのために、社内に専任スタッフを置いたり、高い費用を払って、ホームページ制作会社に依頼したり…と何らかの策を講じていらっしゃることでしょう。
ところが、アマゾンのこうした機能は、見方を変えれば、「一番たいへんなコンテンツ制作を、ユーザーに手伝ってもらえる」ということなのです。しかも、無料で!(^^)!
もちろん、このシステムを構築するには、かなりの費用を投資していると思いますし、セキュリティの問題などもありますが、これからの時代は、『ユーザーといかにインタラクティブ(双方向的)な関係を築けるか』が、ユーザーに「選ばれる」企業の条件でもありますから、経営者は、常にこうした方向性を模索していく必要があると思います。
一気にアマゾンのようなしくみは作れないにしても、社内外に散らばっている有益なコンテンツを、いかに集めていかに活用すべきかを、一度真剣に考えてみてはいかがでしょうか。私は“コンテンツを制する”ものが、“情報化社会を制する”…と思っています(@^^)/~~~
«前へ | 次へ» |
ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
- 2021年2月(2)
- 2021年1月(1)
- 2020年12月(1)
- 2020年11月(1)
- 2020年10月(1)
- 2020年9月(1)
- 2020年7月(2)
- 2020年6月(2)
- 2020年5月(1)
- 2020年4月(2)
- 2020年3月(3)
- 2020年2月(4)
- 2020年1月(3)
- 2019年12月(5)
- 2019年11月(2)
- 2019年10月(3)
- 2019年9月(2)
- 2019年8月(2)
- 2019年7月(2)
- 2019年6月(4)
- 2019年5月(4)
- 2019年4月(4)
- 2019年3月(1)
- 2019年2月(3)
- 2019年1月(2)
- 2018年12月(3)
- 2018年11月(3)
- 2018年10月(4)
- 2018年9月(2)
- 2018年8月(2)
- 2018年7月(3)
- 2018年6月(4)
- 2018年5月(4)
- 2018年4月(3)
- 2018年3月(1)
- 2018年2月(4)
- 2018年1月(3)
- 2017年12月(1)
- 2017年10月(3)
- 2017年9月(2)
- 2017年8月(3)
- 2017年7月(2)
- 2017年6月(2)
- 2017年5月(3)
- 2017年4月(2)
- 2017年3月(2)
- 2017年2月(1)
- 2017年1月(1)
- 2016年12月(1)
- 2016年11月(2)
- 2016年10月(3)
- 2016年9月(3)
- 2016年8月(3)
- 2016年7月(3)
- 2016年6月(2)
- 2016年5月(4)
- 2016年4月(3)
- 2016年3月(2)
- 2016年2月(3)
- 2016年1月(2)
- 2015年12月(4)
- 2015年11月(3)
- 2015年10月(5)
- 2015年9月(3)
- 2015年8月(4)
- 2015年7月(3)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(3)
- 2015年4月(4)
- 2015年3月(4)
- 2015年2月(4)
- 2015年1月(3)
- 2014年12月(3)
- 2014年11月(3)
- 2014年10月(5)
- 2014年9月(5)
- 2014年8月(3)
- 2014年7月(4)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(5)
- 2014年4月(4)
- 2014年3月(5)
- 2014年2月(3)
- 2014年1月(4)
- 2013年12月(4)
- 2013年11月(5)
- 2013年10月(4)
- 2013年9月(4)
- 2013年8月(4)
- 2013年7月(4)
- 2013年6月(4)
- 2013年5月(4)
- 2013年4月(4)
- 2013年3月(5)
- 2013年2月(3)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(4)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(4)
- 2012年9月(4)
- 2012年8月(4)
- 2012年7月(4)
- 2012年6月(5)
- 2012年5月(3)
- 2012年4月(5)
- 2012年3月(4)
- 2012年2月(3)
- 2012年1月(4)
- 2011年12月(4)
- 2011年11月(4)
- 2011年10月(4)
- 2011年9月(4)
- 2011年8月(3)
- 2011年7月(5)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(4)
- 2011年4月(4)
- 2011年3月(2)
- 2011年2月(4)
- 2011年1月(3)
- 2010年12月(4)
- 2010年11月(5)
- 2010年10月(3)
- 2010年9月(4)
- 2010年8月(3)
- 2010年7月(5)
- 2010年6月(4)
- 2010年5月(4)
- 2010年4月(5)
- 2010年3月(4)
- 2010年2月(4)
- 2010年1月(4)
- 2009年12月(4)
- 2009年11月(4)
- 2009年10月(5)
- 2009年9月(4)
- 2009年8月(3)
- 2009年7月(5)
- 2009年6月(4)
- 2009年5月(4)
- 2009年4月(4)
- 2009年3月(4)
- 2009年2月(4)
- 2009年1月(4)
- 2008年12月(4)
- 2008年11月(4)
- 2008年10月(5)
- 2008年9月(4)
- 2008年8月(4)
- 2008年7月(4)
- 2008年6月(4)
- 2008年5月(5)
- 2008年4月(4)
- 2008年3月(4)
- 2008年2月(5)
- 2008年1月(3)
- 2007年12月(4)
- 2007年11月(4)
- 2007年10月(4)
- 2007年9月(4)
- 2007年8月(5)
- 2007年7月(4)
- 2007年6月(4)
- 2007年5月(3)
- 2007年4月(4)
- 2007年3月(5)
- 2007年2月(3)
- 2007年1月(3)
- 2006年12月(3)
- 2006年11月(4)
- 2006年10月(3)
- 2006年9月(5)
- 2006年8月(3)
- 2006年7月(4)
- 2006年6月(5)
- 2006年5月(4)
- 2006年4月(1)
- 重要なおしらせ [02/09]
- 社員1名から、13年で30社の企業オーナーになるまでの戦略を完全公開! [02/03]
- 99%失敗しない新規事業の立ち上げ方 [01/20]
- 大転換を乗り切れ!【2021年版最先端SNSネットマーケティング】に迫る [12/18]
- 限界突破の秘密はこれだ!! X-mobile社長【木野式、鬼速行動3つの基本!】 [11/16]
- 超V字回復コロナ対策メソッドを盗め!! 飲食店閉店ラッシュ“逆手”戦略 [10/16]
- 急激な時代の変化をキャッチアップ!【石原明の新経営戦略塾】立ち上げました [09/11]
- 空き家問題を解決する発想 [07/17]
- 中小企業が未来を読み解くために [07/03]
- 会社丸ごと<人称>を上げる方法 [06/22]