石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2008年03月07日(金)更新
赤ちょうちんならぬ「緑提灯」の店出現
下の写真をよくご覧いただくと、右側に「星」が並んでいますよね。これは、その店の「国産食材使用率」を表していて、50%で星1つ、以降10%上がるごとに星がひとつずつ増え、90%以上の使用で、みごと5つ星というわけです(~o~) ちなみに、この星は店主の「自主申告制」だそうですが…(笑)。
この「緑提灯」の発案者は、茨城県つくば市にある中央農業総合研究センターの所長さんなのですが、この方が5年前札幌に赴任したとき、北海道の食材を満喫したいと楽しみにしていたにもかかわらず、スーパーや飲食店では「道産品」を扱う店が少なかったことに疑問を持ち、以後、国産食材を応援する活動を地道に始めたのだそうです。
05年の北海道を皮切りに沖縄まで広がり、今や「緑提灯」を掲げる店は全国で168店まで増えたみたいです。東京には、全国最多の41店があるのだとか。店舗情報は、ホームページでもきちんと紹介されています。
このところ、何かと輸入食材がらみの不穏なニュースが続きましたから、時流と相まって、この活動が一気にブレイクする可能性もありますよね。ミシュランを思わせる「星」を付けたのも正解です(*^^)v
また、サイトもなかなか良く出来ていて、
●星の数は店主の自己申告による
●著しく申告違反をした店主は、「反省」と書いた鉢巻きを巻いたり、丸坊主にするなどして深く反省すること
などの文章には、ちょっと笑ってしまいました。このサイトは、「緑提灯応援隊」が運営しているようです。
こうした活動は、どちらかというと「お堅い」イメージになりがちですが、この情報化社会で訴求効果を期待するなら、ユニークなセンスを持って『話題にのぼるしかけ』を考える必要があります。
そのためには、活動の象徴として「シンボル」となるものも必要で、その点でもこの「緑提灯」はかなりイケてると思います!(^^)!
いずれにしても、こうした活動をきっかけに、国産食材に注目が集まり、日本の食料自給率アップにつながれば、より望ましいですね。あなたも「緑提灯」を見かけたら、ぜひその場で「プチうんちく」を披露し、普及活動に貢献してみてはいかがでしょうか。
それはともかく、この「緑提灯普及活動」の事例を、ぜひ自社発の「情報発信のセンス」を見直すヒントにしていただければと思います(@^^)/~~~
2008年02月29日(金)更新
ターゲット層の声を丁寧に拾ってつくったクレジットカード
ですから、クレジットカード会社も、新規会員獲得には相当、頭を悩ませているのではないかと思いますが、そんな中、ターゲットを絞った企画が当たり、順調に会員数を伸ばしているクレジットカードがあるようです。
それがこのカード「GE Money アメリカン・エクスプレス・カード」です。個人向け金融サービスの世界ブランド「 GE Money 」と「アメリカン・エクスプレス」の提携で生まれたカードなんですが、『20代後半から30代の男性』をターゲットに、1万人規模のアンケート調査を実施し、分析を重ねた上で誕生したカードです。
そのコンセプトは
------------------------------------------------
ステータスのあるカードをつくりたかった。
世界で嫉妬されるカードをつくりたかった。
ポイントでも負けないカードをつくりたかった。
そして、美しいカードをつくりたかった。
------------------------------------------------
といった、ちょっとカッコイイもののようです(*^^)v
アンケート調査の結果によると、この年齢層の男性は、他の世代より『ステータス志向』が強く、「見栄っ張りでありながら賢く消費する」傾向が強いそうです。また、『黒色』を好む人が多いこともわかり、上のようなデザインになったというわけです。
ゴールドカードには、黒地に金色の帯をあしらい、財布から取り出す際に「カッコイイ」ようデザインしました。さらに、アメックスのブランド力を活かしつつも、会費は高すぎず安すぎない、1万2600円に設定したようです。
さらに工夫したのが、ポイント交換です。「(他のクレジットカードでは)交換したい物がないことが多い」との声を受け、ANAマイルとの交換や、amazonギフト券、およびiTunesストアで好きな音楽をダウンロードできる音楽ギフト券との交換もできるようにしたのです。
このポイント交換制度は、やはり好評のようで、「持つ、よろこび。」をうたった専用サイトのアクセスも順調に伸びているそうです。かなりいいアイディアですよね(^^♪
こんなふうに、すでに成熟したマーケットでも、そのターゲットとなるユーザーの声を丁寧に拾っていけば、十分に訴求効果の高い商品やサービスが作れるということです。コンセプトやデザインにとことんこだわることが大切なのは言うまでもありません。
平たくいえば「ブランディング」ってことですが、これからの時代、どんな会社にも、このブランディングの発想がますます必要になってくることでしょう。もちろん、私の会社でも、ブランディングに関するアドバイスをしていますので、よかったらご相談ください(*^_^*)
2008年02月22日(金)更新
「美肌一族」のマーケティング手法に学べ
実は、この話題、私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに発行している月刊誌『経営情報レポート』の今月号でも取り上げた話題なのですが、かなり反響があったので、この経営者会報ブログでも解説してみたいと思います。
このピンクのド派手なパッケージに包まれた商品は、株式会社ラブラボという会社が開発・販売している「シートマスク」(お肌用のパックのこと)で、すでにシリーズ商品の累計で、500万個以上を売り上げた大ヒット商品なんです。
パッケージに書かれた「そんなお肌で私に勝てるとでもお思い?」との挑発的なセリフには、その昔の少女マンガを思い出しつつ、思わず反応してしまう女性も多いと思います。
パッケージもさることながら、着目すべきはそのマーケティング手法です。なんと、この会社では、商品の発売に先立つ05年9月、大手携帯サイトで美少女を主人公にした携帯小説「美肌一族」の連載をスタートしたのです(@_@;)
この小説には、商品のことは一切登場せず、美人姉妹の沙羅(さら)と咲(さき)が、肌の美しさを競う世界大会で優勝をかけて苦闘するという、「美をめぐる闘い」の物語に仕立てられています。なんともおもしろいですよねぇ~。
1~2ヶ月経つと、この携帯小説は、若い女性たちの間で相当話題になったようです。そして、十分マーケットがあたたまったころに、同サイト上で実際の商品を「先行発売」してみたら、初回生産の6万4千個が1日で完売したというのです!! 一時は商品が入手困難な状態にまで陥り、「幻のシートマスク」なんてうわさされたみたいですよ(*^^)v
当然のごとく、いち早く商品をゲットできた女性たちは、ブログにその使用感を書き込んだことでしょう。また、女性誌のモデルが誌上で紹介したりしたこともあって、その評判はますます広がっていきました。
06年5月の全国販売時には、女性たちが「待ってました」とばかり飛びつき、以来、シリーズ商品500万個以上を売り上げる大ヒット商品に育っていったというわけです。携帯小説のあまりの好評ぶりを受け、現在は同じ価格で、薄いコミック本付きの商品まであるようです。
いや~、どうです? かなりセンスある戦略ですよね。つまり、同社は全国販売の10か月前から「携帯小説」という今時の“飛び道具”を使って、マーケットにアプローチしていたわけです。
私は日ごろから『経営とは思ったとおりに儲けること』だと定義していますが、この事例は、まさにそれを実証してくれるかのような戦略で、「たまたま当たった」ヒット商品とはわけが違います。
その仕掛け人は、芝本裕子さんという30歳の女性経営者ですが、女性誌の読者モデルやライターなどをしていた人で、ガールズウォーカー・ドットコムの立ち上げなどにも参加していたほどの、感度の高い人物のようです。
確かにこのようなマーケティングを成功させるには、それなりの「センス」が問われる世界ではありますが、はじめは小さく試して、その反応をみながら展開していけますから、われわれ中小企業でも、十分トライできるやり方です。
しかも、広告代理店にプロモーションを依頼することを思えば、投資額も少なくてすむでしょう。この記事にうなった方は多くいると思いますが、ぜひ自社のマーケティングを見直し、「話題を呼ぶ仕掛け」を取り入れることを考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年02月15日(金)更新
様変わりする「社員旅行」
都内の金属加工会社「フルヤ金属」では、各地の工場や営業所員約150人を集め、都内の高級ホテルで『ワインのテイスティング』を楽しむ、ちょっとハイソな社員旅行を実施したそうです。
(*写真はイメージです)
昼間はワインの基礎を学ぶセミナー、そして夜は「テイスティング大会」を開催。銘柄や産地を当てたり、「この味わいを表現すると?」などという設問に答えたり……豪華商品をかけて、テーブルごとの団体戦で行った大会は、大いに盛り上がったみたいです!(^^)!
この社員旅行を企画したのは、JTB首都圏の法人営業部だそうですが、ここ数年、各旅行代理店では社員旅行のオプション企画を増やす傾向にあり、JTBでも「陶芸」「ソバ打ち」「果物狩り」などの定番ラインに加え、「ラフティング(急流下り)」「パラグライダー」「地引き網体験」「着物の着付けもできる京都の町家体験」「お茶屋体験」「東京・横浜のヘリクルージング」など、なんと、100種類以上の体験プログラムを用意しているといいます。
また、「旅行の行き先を選べる社員旅行」を採用する会社も、年々増えてきているみたいです。旅行可能な期間を区切り、たとえば「沖縄・北海道・グアム・ハワイ」などの選択肢から好きな場所を選び、仲の良い同僚や家族と旅行するのだそうです。
もちろん、行き先により費用も異なりますが、あらかじめ会社の補助金額を決めておき、不足分は自己負担、というシステムが多いみたいですね。
マンネリ化した社員旅行では、「今更行きたくない」と参加率も下降気味なところ、 こうした様々なプランを採用することで、社員旅行のイメージも“おつきあい”から“楽しめる”ものへと変化しつつあるというわけです。
もちろん、社員全員が本当に「楽しめる」旅行を実現するのは至難の業でしょうから、旅行代理店としては、「遊び感覚に長けた幹事さん」みたいな社員を狙って、PRするんでしょうね(*^^)v
そうした旅行会社の作戦も見え隠れしますが、それはともかく、人付き合いが苦手な若手社員が増えるなか、社内のコミュニケーション不足を解消するのにも、社員旅行が一役買うかもしれません。
また、社員旅行を通して、一流のサービスを体験したり、文化的な知識を深めたりすることができれば、それが間接的に仕事に活きる可能性もあります。この事例を参考に、自社の社員旅行も見直してみてもいいかもしれません(@^^)/~~~
2008年02月08日(金)更新
お米が内祝いに?! 量やパッケージを変えて新たなマーケットを作る
なんと今、出産祝いのお返しとして、『赤ちゃんの誕生時の体重と同じ重さの米を贈る』という商品が、少しずつ人気を集め始めているみたいなのです。「なるほどなぁ~」って感じの提案型商品ですよね。
おそらくこれまで、出産の内祝いを選ぶ際に、「お米」を選択肢に挙げる人は少なかったんじゃないかと思います。つまりこれって、お米の「全く新しいマーケット」を開拓したのと同じ意味があるわけです(*^^)v
北九州市の「好味屋(よしみや)」では、“おくるみ”型のコメ袋を作り、そこに赤ちゃんの写真を印刷した『抱きごこち』という商品を開発しました。たとえば「3,025g」みたいに、その袋の中に赤ちゃんの誕生時と同じ重さの米を入れるわけです。
他の商品と比べて、お米の特性は何かと考えたとき、“重さを少ない単位まで変えられること”って気づいた訳ですが、コレって、なかなかすごいことですよねぇ~。
それを他のギフト商品と競合させて考えると(確かに他の商品は量産品なんで、重さは一定ですから)すっごい競争になるわけです。
さらに商品名どおり、その“抱きごこち”もなかなかのもので、「まるで赤ちゃんを抱いたような実感がある」と、人気を呼んでいるのです(*^_^*)
他にも、秋田市の「本田商店」では、『出産内祝いのお米』購入者に、赤ちゃんの写真を携帯電話で閲覧できるフォトアルバムを付けて喜ばれていたり、徳島県海陽町の「阿波の産直便」が販売する『だっこ米』では、「赤ちゃんの名刺」を付けてくれるそうです。こんなふうに、みんな本気でサービスを開発しているんですね。
それにしても、内祝いに「お米」って、なかなかいいと思いませんか? 失礼ながら、「記念品」テイストの品を頂戴しても、「コレ、どこに飾ろう…(――;)」なんて悩んだりすることも多いですよね。
その点「お米」なら、好き嫌いもほとんどありませんし、食べれば消えて無くなります。しかも、「抱いた」感触だけは、心の中にずっと残るわけですから、贈答品としてはかなりセンスいいですよね(*^^)v
もしかしたら、あなたの会社の商品も、ほんのちょっと「切り口」を見直すだけで、新たなマーケットが開拓できるかもしれません。この事例を参考に、ぜひアイデアを絞ってみてください(@^^)/~~~
2008年02月01日(金)更新
ユニークな“福利厚生”で魅力ある会社へ
動物用医薬品メーカーの共立製薬では、犬か猫を飼っている社員を対象に、毎月一律千円を支給する「ペット扶養手当」を、昨年12月から開始したそうです。社員290人のうち、約80人に適用されているみたいです。
同社では、配偶者に1万円、子供1人当たり5千円の扶養手当を出しているようですから、金額は人間並みとはいかないまでも、将来的にはその飼育年数に応じて、表彰金や特別休暇の創設も検討中で、ペット購入時には、手当として1万2千円を支給する制度も整えるそうです。
一方、ペットフードメーカーの日本ヒルズ・コルゲートでも、2年前から慶弔手当として、購入時と死んだ時にそれぞれ1万円を支給しているようです。死んだ時においては、「社長名で香典が届くほか、忌引休暇が1日与えられる」そうですから、ペット愛好家にはありがたい制度ではないでしょうか。
ここ数年、中小企業を取り巻く「人材採用事情」は、ますます厳しいものになってきているようですが、こうしたユニークな福利厚生を持つことで、マスコミに取り上げられたり、応募者増加につながる可能性もあります。
私の主宰する「高収益トップ3%倶楽部」の会員向けに毎月発行している「経営情報レポート」で以前取り上げたこともありますが、登山を趣味とする人をメインに採用しているビルメンテナンス会社があるんです。
東京墨田区にある「エーファイブサービス」や、文京区の「スカイブルーサービス」という会社では、山を趣味とする人を多く採用し、そのロッククライミングで鍛えた技や体を駆使して、ゴンドラが使えない複雑なデザインをした高層マンションの窓拭きなど、ビルメンテナンスの仕事を請け負っているのです。
こうした仕事は、登山家たちの格好の“トレーニング”にもなりますし、社員は自由に数か月の休暇を取って、海外登山に挑戦してもいいという制度まで設けていたりしますから、山を趣味とする人たちにとっては、なんとも魅力的な会社ですよね。
こんなふうに、人の嗜好や趣味をベースに社内の仕組みを整えることで、優秀な人材を集めることも可能なんです(*^^)v ペット関連会社のように、その仕組みが自社の商品やサービスに関連したものなら、なおいいですね。
この事例を参考に、自社で実現できそうな「ユニークな福利厚生制度」について、いろいろとアイディアを出してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年01月25日(金)更新
上野松坂屋のマスコット「さくらパンダ」が人気!?
この「さくらパンダ」は、上野店が昨年3月、50年ぶりに行なったリニューアルオープンに合わせて企画されたキャラクターで、1階にある上野周辺の名店の商品を集めたコーナー「上野広小路倶楽部」の一角では、キャラクターグッズの販売もしています。
同社の販売促進本部によると、『売上高は想定の3倍』という好調ぶりだそうですが、中でもお湯を注ぐと普通のパンダがさくらパンダに変身するマグカップや、ぬいぐるみが人気なのだそうです。
近年は、上野駅がターミナル駅としての存在感を失いつつあることもあり、なんとか「上野にある百貨店」をイメージしてもらおうということで「さくらパンダ」が作られたとのこと。ひと目で上野をイメージできるもの…、と考えた結果が「さくら」と「パンダ」だったのでしょう。そのわかりやすさが人気の秘訣なのかもしれません。
当然、Web戦略もしっかり考えられています。「さくらパンダブログ」では、さくらパンダの着ぐるみが店内を紹介しているのですが、その紹介の内容がけっこう面白く、話題を呼んでいるみたいです。
私は、以前から、キャラクターやまんがを経営に活かすべきだと考えていて、以前にもブログで取り上げましたが、そこにネット戦略を上手に絡めることで、より大きな効果を発揮すると思います。
現に上野松坂屋では、これまでは50代以上が主要顧客だったのですが、さくらパンダのブログが話題になるとともに、20代~40代の女性たちも関心を持ってくれるようになったそうです。
また、松坂屋は昨年大丸と経営統合し、「J・フロントリテイリング」を設立しましたが、今後はこの関連グッズを松坂屋と大丸の全店舗で販売する予定だそうです。さくらの開花とともに、このさくらパンダが全国でブレイクするかどうか、今後も注目したいところですね。
今は、プロが作った洗練されたキャラクターより、「うちの社長が描きました」みたいな、ゆる~い感じのキャラクターがけっこうウケる時代です。この事例を参考に、自社のマーケティングにキャラクターを活かす方法を、前向きに探究してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年01月18日(金)更新
変貌を遂げる商品開発の舞台裏
従来、こうしたネットでの話題は、「単なるうわさ」として企業から受け流されてきました。しかし、同社はこのうわさに真っ向から取り組み、本気で開発して誕生した新商品がこの『ミルクシーフードヌードル』です。同社のホームページでも丁寧にその開発秘話を公開し、昨年11月の発売以来、好調な売れ行きを見せているようです。
そもそも同社のマーケティング担当者が、一昨年の春、「牛乳」と「シーフードヌードル」の2語でネット検索してみたところ、3万件にもおよぶヒットがあったことに感嘆し、自ら乳脂肪分の異なる牛乳を買ってきて実験を繰り返したところから、この商品の開発が始まりました。
「うわさにしては発想のレベルが高級。単なる話の『ネタ』ではなく、ヒット商品になる手ごたえを実感した」と同社では話していますが、テレビCMもしていないのに、コンビニでもいち押し商品として山積みされたりと、ほぼ狙い通りの展開をみせています。
さらに、この「ミルクシーフードヌードル」を食べた後、残ったスープにご飯を入れると、美味しいシーフードミルクリゾットに変身するとか、中身を耐熱皿に移し、たまねぎなどの具剤を加えてオーブンで焼くと、美味しいシーフードグラタンが出来上がる……などと、ネット上のうわさはどんどん進化し、増殖を続けているようです(*^^)v
一方、コンビニのローソンでは、タレントの中川翔子さん(しょこたん)がブログで“ギザカワユス(…とてもかわいいという意味らしいです)”と取り上げて話題になった海洋生物『スカシカシパン』を模した菓子パン『しょこたんプロデュース スカシカシパン』を、今月の29日から発売開始予定だとか。購入者は、携帯サイトでしょこたんが描いたアニメ『スカシカシパンマン』が見られるそうです。
「スカシカシパン」は、円盤型で体の一部にすき間があるウニの仲間で、昨年4月にしょこたんブログで紹介され、その後話題になりました。それを見た同社の開発担当者が、商品化できると判断し、しょこたんサイドに企画を持ちかけたのだそうです。
こうした動きを見ていると、情報化社会の進化に連れ、企業の商品開発への取り組みも、大きく変貌を遂げつつあるのがわかります。
もちろん、こうした手法で、ロングランヒットにつながる商品が作れるか…と考えると、多少疑問も残りますが、コンビニ業界のように、常に新しい話題を提供し続けないといけない業界としては、ネットはとてもありがたい存在であることは間違いありません。
この事例を参考に、一度、自社商品やサービスをネットでキーワード検索してみてください。そして、その結果とリンクさせるようなかたちで、商品開発やマーケティングのしくみを見直してみてもいいかもしれません。
もちろんそうなると、自社内の“ITスキル”の問題も出てきます。特にWebに関するスキルは、これからますます、経営のキーになってくると思います。自社のWebスキルに多少不安を感じる方は、今年こそ、“社内のしくみ”として本気で取り組むことを考えてみてください(@^^)/~~~
2008年01月11日(金)更新
試供品配布の新しいカタチ
ルーク19が運営する「サンプル百貨店」は、会員数が26万人となり、会員の8割が女性だそうですが、前年同時期に比べ会員数は1.5倍に増えたそうです。一方、試供品を提供する企業数も、昨年同時期から30%増えたといいます。
このサンプル百貨店では、「サンプラー」という仮想通貨を流通させています。会員登録をすると、まず500サンプラーがもらえ、その後は商品使用後に簡単なアンケートに答えたり、サンプル百貨店を友達に紹介したり、企業戦略企画室に参加することによって、サンプラーをどんどん増やすことができます。そして、そのサンプラーを使って、目当ての試供品を試せるというしかけになっているんです。
つまりユーザー側は「無料登録」ってことに変わりはないわけですが、こんなしかけになっていると、せっかく貯まった「サンプラー」を使わなきゃって気にもなりますし、むやみに配られた試供品と違い、自分から能動的にゲットしたサンプルですから、相当真剣に使ってみるんじゃないでしょうか。そして、気に入れば、その感想を誰かに伝えたくもなるというものです(*^^)v
企業側から考えても、アンケートの返信率の高さはかなりの魅力です。たとえば、「首都圏在住の30代の主婦」というふうに会員の属性を絞ってから試供品を配布することもでき、テストマーケティングの場としても十分使えます。
最近では、食品や化粧品などの消費財だけでなく、家電や自動車の試乗といった耐久財メーカーからの依頼も増え、エステや英会話教室などのお試しにまで裾野が広がっているようです。これからは飲食店やサービス産業にまで、この流れが広がっていくかもしれませんね(*^_^*)
こんなふうに両者にメリットを生む仕組みなわけですが、この仕組みを「リアル」で展開した、とっても頭のいい企業も登場しました。私のブログでも取り上げ、たいへんな反響を呼んだ「サンプル・ラボ」です。私は昨年、「ネットのリアル化」がひとつのキーになると発言してきましたが、このサンプル・ラボは、まさにそのモデルです。
この事例ひとつをとってみても、今年は「ネットとリアル」がお互いに影響し合いながら、これまではお金をかけなければ出来なかったことが、どんどんローコストで実現できるようになってくるのではないかと思います。
見方を変えれば、経営がますます簡単になってくるとも言えますし、われわれ中小企業もその手腕によっては、大企業と互角に戦える時代になってきたとも言えるでしょう。今年も、みなさんの経営のヒントになるようなことを、どんどん発信してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします(@^^)/~~~
2007年12月28日(金)更新
企業独自のニュースランキング
一番有名になったのは「新語・流行語大賞」かもしれませんが、これは「現代用語の基礎知識」を出版する自由国民社と生涯学習のユーキャンがパートナーシップを組み、1984年から選び始めたものです。ちなみに、第1回の大賞は「オシンドローム」だそうです。NHKの連続テレビ小説『おしん』から生まれた新語ですが、なんだか懐かしいですね(*^_^*)
また、セーラー万年筆でも、毎年『10代の重大ニュース』を発表しています。こちらは、1974年から実施しているもので、今回で34回目となるかなりの老舗です。
今年10代から一番注目されたニュースは「安倍総理辞任」で、2位が「相次ぐ食品偽造問題」、3位が「消えた年金記録問題」、9位に「米国サブプライムローン問題」と、意外に硬めのニュースが並びます。
10代が選ぶ流行語の1位は「どんだけぇ~」、次いで「そんなの関係ねぇ」「おっぱっぴー」。4位が「KY(空気が読めないの略)」、8位には“しょこたん語”の「ギザカワユス」がランクインし、こちらは“いかにも”と言った結果です。
これは、セーラー万年筆が、全国の10代の男女500名(内訳は、小学生11名/中学生55名/高校生221名/大学・短大生152名 /専門学校生23名/給与所得者11名/その他27名)にインターネットを通じた調査をし、重大ニュース5項目までと、印象に残った流行語を1つ回答してもらったものの集計結果ですが、34年にも渡り独自の調査を続けている姿勢には、ちょっと感心してしまいます。
ネット環境が整備された現代では、こうした調査も比較的簡単に低コストで行うことができるわけですから、その切り口さえ面白ければ、世の中から注目を集める存在になれるかもしれません。
ネットに氾濫する「誰々がこう言ってました」みたいな二次情報より、独自調査によるランキングという「生の一次情報」はよっぽどおもしろいですしね(*^^)v
この事例を参考に、来年はあなたの会社や業界でも、独自のランキングを始めてみるのもいいかもしれませんね。来たる新年が、ますます輝かしいものでありますように(^.^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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