石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2008年05月16日(金)更新
自分で育てればなお美味しい!? 「えだまめ栽培セット」に注目
製造販売元は、愛知県にある陶器メーカーの聖新陶芸。一瞬、小学校時代の夏休みの宿題に出されたアサガオを思い出してしまうような商品ですが、昨年は約2万5千セットを売った実績があるそうです。
食の安全が注目されるなか、ベランダでのガーデニングや家庭菜園を始める人も増えていると聞きます。しかし、いざ始めるには時間も場所も必要ですし、それなりに手間もかかり、なかなか敷居が高いものです。でも、こんなコンパクトなセットなら、家の中で簡単に栽培できますから、気軽にチャレンジできますよね。
種をまいて数日で芽が出て、芽が出てきたら、大きく育つよう間引きをします。後は、日当たりのいい場所に置き、土が乾いたら適当な水を与えるだけで、種まきから80~90日ほどで収穫できるそうです。収穫と言っても、この1鉢から収穫できるのは10房ほどだそうですが…(-_-;)
しかし、見方を変えれば、約3ヶ月間“収穫”を待ちわびるわけですから、その時間は結構楽しいものになるはずですし、何より自分で愛情たっぷりに育てた枝豆は、格別な味がするのではないかと思います。
この楽しみや喜びを加味して考えると、商品価値も高まるというものです。ちょっとしたギフトにも向く商品ですし、父の日のプレゼントにもいいかもしれません。
同社では「昨春に、お客さまからの要望を受けて開発したものです」と話していますが、なかなかいい着眼点ではないでしょうか。
たぶん、園芸店やホームセンターなどで買えば、枝豆の種自体、たいした値段はしないはずです。それをビアグラス風の陶器の鉢に入れ、気軽に家庭菜園気分を味わえるようパッケージングしたこのセンスは、私たちのビジネスにも良いヒントとなるのではないでしょうか。
どんな業界にも、本物や本格的な商品の一歩手前に、「お手軽お試しマーケット」が存在するものですし、こんなふうに、商品に「ちょっとした楽しさ」をプラスすることで「ギフト」に向く商品に変身させることも可能です。
この事例を参考に、自社の商品やサービスに、あと“ひとひねり”加える方法がないかどうか……楽しみながら、あれこれ考えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年05月09日(金)更新
ハーゲンダッツが1個千円のアイスクリームを発売!?
その商品とは、ハーゲンダッツジャパンの超高級アイスクリーム「ヘブンリースプーン」というもので、同社いわく「テレビを見ながら食べるのではなく、クラシック音楽でも聴きながら、究極のアイスクリームを味わってもらいたい」と話しています。
なんと、この商品の開発にあたっては、構想から5年の歳月が流れているようです。稀少な原材料を調達し、究極の味を目指したのだとか。今回発売される味は2種類なのですが、「ダージリン」味には、世界3大銘茶のひとつであるインドのダージリン地方の茶葉を使用。そのなかでも、無農薬生産で、なおかつ、マスカットのような香りが強くなる「夏摘み」の茶葉のみを厳選するというこだわりようです。
一方、「カカオ」味には、味わい豊かな上に酸味も感じ、抜けるような香りが特徴のマダガスカル産のカカオを使用。カカオ豆だけで作られたカカオマス(チョコレートの原料)に、ハーゲンダッツのミルクを組み合わせたようです。
気になる価格はといえば、「ダージリン」が6個セットで6千円の限定3千5百セット。「カカオ」が6個セットで5千円、限定2千5百セットを、本日正午よりネットオンリーで発売開始したみたいです。こんなふうに、高額アイスを数量限定で発売するやり方は、日米欧市場で商品展開するハーゲンダッッツ社にとっても、世界初の試みだと言います。
果たしてその結果はいかに・・・しばし注目をしてみたいところですが、いずれにしても、今の時代、このくらい突き抜けた商品開発をしないと、本当の意味での「ブランド力」が守れなくなっているのかもしれません。
失礼ながら、いくら同社が「高級路線」を守ろうとしていても、今やコンビニで手軽に買えるわけですから、そのありがたみも徐々に薄らぐというものです。そんななかで、自社のブランドの高級イメージを本気で守りたいのであれは、それ相応の覚悟が必要だということです。
この事例を参考に、自社のブランド戦略を今一度見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年05月02日(金)更新
「親子カフェ」にみる発想の転換
こうしたスタイルのカフェは、「親子カフェ」のほか、「子育てカフェ」なんて呼ばれることもあるみたいで、個人経営の小規模のお店から、NIO法人が運営する施設、さらには企業が経営しているケースもあります。
「スキップキッズ」では、04年から同名の「親子カフェ」の展開を始め、現在では、都内と千葉県内の計6店舗を経営しているそうです。
同社では、「今の街の中には子どもを安心して遊ばせる場所が少ない。公園でも、不審者がいないかなど注意しなくてはならない。それなら遊び場があって自分もゆっくりできる店の方が親は安心だと思う」と話していますが、こうしたニーズは今後益々増えていくのかもしれません。
利用料金はといえば、1~6歳の子ども1人につき、1時間250円。以降、30分ごとに100円で、利用に際しては、18歳以上の同伴が必要になりますが、同伴者の利用料は無料に設定されているみたいです。
もちろん、中での飲食代は別になりますが、1店舗あたりの月の平均利用者は、延べ5千人にのぼるそうです。
そこで、この利用客を対象に、「親子で英会話講座」など各種の講座を開設したり、母親向けに、「ネイルケア」や「まつげパーマ」などのサービスする店舗もあれば、企業の「市場調査」の場としても提供しているんです。単なる“飲食店”に留まらない、かなり頭のいいやり方ですよね(*^^)v
企業としては、なかなか探しにくい子育て中の主婦層の意見を聞くことができますし、主婦としては、カフェに行くついでに、ちょっとした謝礼まで手に入るわけですから、お互いメリットがあるわけです。
見方を変えれば、この親子カフェは「リアル版のSNS」、つまり子育て層の「コミュニティー」になっているということです。転勤などで引越しして来て間もない人にとっては、ここから、地域との接点が生まれていく可能性も高いはずです。
企業にとって、「人材不足」が深刻な問題となるなか、子育て中の有能な主婦たちは、“労働力”としても貴重なターゲットなわけですが、一昔前の経営者なら、「保育所」などの施設を会社が用意し、「どうぞうちで働いてください」的な発想をしたと思います。
しかし、今回の事例のように、今の時代は、企業がターゲット層にとって魅力的なスペース(リアルでもネットでも)を提供し、人を集めるのが先。その集まった人たちに向けてビジネスを展開することはもちろん、その人たちの能力を活用し、全く新しいビジネスをスタートさせることもできるはずです!(^^)!
要は“発想の転換”でビジネスは大きく変わるということです。いつまでも、携帯電話の「通話料」を追いかけていた企業が、通話料はダタでもいいから、魅力あるコンテンツを作って「コンテンツ利用料」で収益を上げようとした企業に追い抜かれそうになっているのも、すべて“発想”の違いによるものです。
この連休、少し日常を離れて、自社のビジネスモデルを冷静に見つめなおしてみてはいかがでしょうか? 同じ商材でも、ちょっとした発想の転換で、全く違ったビジネスを展開できる可能性が開けてくるかもしれませんよ(@^^)/~~~
2008年04月25日(金)更新
「くら寿司」が回転レーンで回したものとは……!?
たとえば、レーンを回る皿の裏には、「QRコード」が貼り付けられていて、それをレーン裏で読みとることで、製造時間が管理されているのだそうです。
大声を出して注文するのがちょっと気恥ずかしいと感じるお客さんのために、席には「注文端末」が用意されていて、タッチパネルで好きなネタをオーダーできるようになっています。さらに、注文したネタがレーンに流れてくると、画面から「ピーピー」とお届けサインが聞こえてくるのだそうです。これなら、うっかり取りそびれることもありませんね!(^^)!
また、「皿カウンター」に食べ終わった皿を5枚入れるごとに“ハマーチャンス”が訪れ、タッチパネルがちょっとした「ゲーム」に変身! 当りが出るとガチャポンのようなカプセルに入った同社のキャラクターグッズがもらえるしかけになっていたりします。家族連れのお客さんなどが、思わず盛り上がってしまうサービスですよね。
その他にも、携帯サイトから、来店時間を指定して予約するシステムを導入するなど、積極的に顧客サービスを追及しているわけなんですが、そんな「くら寿司」が最近になって、大阪の店舗で実験的に始めた新たな試みがあるんです。
「あるもの」を回転レーンで回し始めたのですが……。
その「あるもの」とは、なんと!「紙芝居型の店頭POP」なんです。たとえば、「ぶりが出世魚と呼ばれるのはなぜか」といったうんちくや、ネタとして提供している「イベリコ豚の飼育方法」などを、カラフルな絵と文字で解説したPOPを回し始めたというのです。
これを聞いて、私はちょっと笑ってしまったんですが、「なるほどねぇ~」と思いませんか? 今の時代、お客さんが欲しいのは「うんちく」なんです。しかも、これなら“蕎麦屋の口上”みたいに、待っている間にもどんどん食べるのが楽しみになりますよね(*^^)v
食事は「ただ美味しければいい」という時代はとっくに終わっていて、今日食べたのは「○○産のまぐろです」とか、サラダには「○○県の△△さんが作ったトマトを使ってます」といったちょっとした情報が、お客さんにワンランク上の満足感を与えることは間違いありません。
これは、情報化社会の進化で、消費者が「情報発信者の視点を持った」ことと大きく関係していると私は見ています。このあたりのことは、みなさんも“ブロガー“なので日々感じていらっしゃると思いますが、ふと立ち寄った飲食店でも、食材へのこだわりやお店のポリシーなんかが上手にメニューなどに書かれていると、「明日のブログに書こうかな……」なんてつい思っちゃいますよね。
今の時代「食べればわかる!」といった態度ではダメなんです。これはメーカーなどでも同じことで、「使えばわかる!」ではなく、この商品が何故いいのか、どこにこだわって開発したのかを、できるだけ『ストーリー』性を持たせて、消費者に届ける必要があります。
「情報」には、仕入原価がありません(*^^)v 経営資源として、有効に使わない手はないでしょう。こうした事例を参考に、自社の「情報発信戦略」に、もうひと工夫加えてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年04月18日(金)更新
「グランドピアニスト」の新たな展開
以前、私のブログでも取り上げたのですが、価格も49,350円と“玩具”の域を超えたものであるにもかかわらず、日経MJのヒット商品番付にランクインするなど、今や同社の主力商品のひとつになっていることは間違いありません。
その「グランドピアニスト」が、ここへ来て“新展開”を見せているようなので、ちょっと注目しているのですが、まず、販路を「CD・音楽ショップ」にまで拡げ、その上で「専用カートリッジ」の販売に乗り出したのです(^^♪
「グランドピアニスト」は、従来の玩具ルートの販売実績でも、50歳代以上の購入が目立っていたようで、同世代の来店が見込めるCD・音楽ショップを新たに開拓することで、売り上げアップ狙った戦略です。
また、専用の音楽ソフトの発売にあたっては、カートリッジのパッケージをCDに似せるなどの工夫をし、各ショップでグランドピアニスト本体と、CD、専用カートリッジを1カ所に集めて売り場を作り込めるように配慮したと言います。
さらに、店舗に対して、展示用の本体を貸し出すなど、積極的に売り場作りを支援していくことで、取扱店を、年内には現在の5倍の100店舗にまで増やすと意気込んでいるようですよ。
この販路拡大に併せて、同商品に内蔵されている100曲のほかにも、追加で「専用カートリッジ」を買えば、自分の好みの曲が楽しめる…という展開を始めわけですが、第一弾として発売した「~彩~ いろどりシリーズ」は、石原裕次郎、松任谷由美、山口百恵、ザ・ビートルズの4種類で、それぞれ10~12曲収録されていて、価格は3,990円です。
このアーティストの選び方だけを見ても、完全に「50歳以上」をメインターゲットに据えたことがわかります。今後の少子化傾向を考えると、いつまでも玩具メーカーが「子ども」ばかりを追いかけていて、先行きが明るいわけがありません。
しかし、企業にとっては、そのメイン顧客層を変えたり、ましてや販路まで変えるとなれば、それ相当の覚悟が必要なはずです。
同社の場合、この勇気ある決断の影には、発売当初に欠品を起こしたことが響き、当初掲げていた「年間10万台」の目標に対し、結局昨年末時点で3万6千台の実績にとどまってしまった…なんて事情もあるみたいですが、それはともかく、この経営戦略にはわれわれも見習うべきことが多いように思います。
商品を売るべき場所は決してひとつではありません。業界の常識にとらわれることなく、ぜひ柔軟な発想で、自社の流通ルートをシビアに見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年04月11日(金)更新
「スカイプ飲み」が流行?! 終電も気にせず楽しめる飲み会とは
つまり、海外赴任中の家族を持つご家庭や、遠距離恋愛中のカップルたちにはとってもありがたいツールなわけですが、今、その「スカイプ」を使って「飲み会」をする人たちが増えているのだそうです。「スカイプ飲み」……なかなかこじゃれたネーミングじゃありませんか!(^^)!
さらに、マイクロソフト社がネット上で無料提供する「ウィンドウズ・ライブ・メッセンジャー」というソフトをダウンロードし、市販のWebカメラをパソコンに取り付ければ、メンバー同士はテレビ電話のように自由に会話したり、チャットを楽しんだりできるというわけです。
自宅に居ながら、くつろいだスタイルで、終電も気にせず「飲み会」が楽しめ、酔ったらそのまま寝てしまえるし、しかも安上がり! という、ある意味究極の遊び方かもしれませんね。
スカイプによると、現在、同サービスの登録者は全世界で2億7600万人、日本のユーザー数も500万人以上いるそうですが、この「スカイプ飲み」は、同社でも“想定外”の使い方だそうです。
しかし、得てしてこんなふうに、「技術」や「サービス」は、『作り手が思いつかない』ような使われ方や楽しみ方をされることで、“グン”と発展していくものなんです(*^^)v
ある「インフラ」ができ、ユーザーがそれを自由に使うことで、そこにまた新たなマーケットができる…そしてそのマーケットに向けて、さらに新しい商品やサービスが生まれていく…ってことです。
うちの会社でこの「スカイプ飲み」の話をしていたら、「そのうち、スカイプを使ったキャバクラが出来たりして……『スカキャバ』なんてどうです?」なんて発言も飛び出し、異様に盛り上がりました(笑)。
それはともかく、IT技術が発展し、こうしたインフラが整うことで、「人々の心理」も大きく変化を遂げていくことだけは確かです。例えば、この「スカイプ飲み」を楽しむ人たちは、「相手と目線を合わさずに話せるのがいい」と感じている人も多いみたいですよ。
良し悪しは別としても、経営者が、こうした「ユーザー心理」を的確に掴んでいない限り、本当の意味で消費者に喜ばれる商品やサービスを開発することは難しいと思います。
物は試し! 経営者の会合でも、一度、この「スカイプ飲み」を採用してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年04月04日(金)更新
なとりの珍味を「お菓子」の棚に並べる戦略とは
少子高齢化のなか、ただ売り場にお菓子を並べているだけでは売り上げの限界もあろうというものです。そんな危機感が『脱・定番売り場』という発想に向かわせたのかもしれません。
「きっと勝つ」のゴロ合わせから、受験生応援バージョンの「キットカット」は、かなり有名な存在でもありますが、その他にも「TOPPO(トッポ)」の文字を「TOPPA(突破)」に変えたバージョンや、「カール」で「ウカール(受かる)」なんて、まるでおやじギャグを思わせるような展開をしている商品もあります。
量販店などでは、年が明けると、売り場の目立つ場所に「がんばれ受験生」コーナーを設け、この手のお菓子を大々的に集めて販売する傾向が目立ちます。菓子業界では、バレンタインと並んだ大きな「シーズン需要」になりつつあるんですね。
そんななか、珍味メーカーの「なとり」が、この「がんばれ受験生」マーケットに参入しました。期間限定商品として『負けるな!!受験生 当たりめ』と書いたボトル入りのスルメを発売したのです(@_@;)
確かに縁起を担いで「スルメ」を「アタリメ」と呼ぶことはありますが、『当たりめ』が「受験生」の応援になるのかどうか…若干微妙です(笑)。しかし、この勇気ある決断によって、なとりの商品が「おつまみ」コーナーから「お菓子」コーナーへ進出できたことだけは間違いありません。
最近では、量販店の「陳列棚」を確保することは、各メーカーにとって至難の業だと聞きます。営業マンが足繁く売り場に通って、「棚」が取れた時代は遠い昔なのかもしれません。今や、商品自体に「売れる」切り口がない限り、新たな「棚」は確保できないとも言えます。
そう考えると、このなとりの戦略はかなり秀逸です(*^^)v
近年、お酒を飲まない若者が増えた上、飲んでもつまみには「珍味」ではなく「スナック菓子」を選ぶ人が多いのだそうです。
「珍味・つまみ市場の縮小は止まらない」と考えた同社では、05年から『ボトルおつまみシリーズ』を発売。粒ガムで採用されたボトル容器を採用し、オフィスや自宅での息抜きや気分転換に「スルメ」を食べてもらおうと考えたのです。
この狙いはズバリ的中! 年間5億円売れれば大ヒットと言われる「つまみ」分野で、約8億円を売り上げるという成果を上げたのです!(^^)!
今回の受験生向けボトルも、この延長線上にあるようです。
いずれにしても、少し角度を変えることで、既存の商品にも全く新しいマーケットが広がる可能性があるということです。この事例を参考に、自社の商品戦略を“遊び心”を持って見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年03月28日(金)更新
「夜カジ族」をターゲットにした商品開発
今やライフスタイルも多様化し、せっかくの休日を家事に費やしたくないと考える人が増えたせいか、夜のうちに掃除や洗濯をする人たちが増えているといいます。
こうした消費者の変化を察知したメーカー各社は、この「夜カジ族」をターゲットにした商品開発にしのぎを削っているというわけです。
東芝コンシューママーケティングが今月発売したサイクロン掃除機「Quie(クワイエ)VC-1000X」は、「静かな」を意味する「Quiet」から名を取っただけあって、業界一の低騒音を売りにしています。
最大450ワットの吸引力を誇る性能を持ちながら、その運転音はたった49デシベル。「静かなオフィス並」の運転音を実現したのです(@_@;)
さらにご丁寧に「マナーモード」まで付いていて、この「マナーモード」を選べば、43デシベルにまで抑えられるようです。ちなみに、「静かな図書館」が40デシベルだそうですから、いかに静かかわかりますよね。
低騒音機能を「マナーモード」と名づけたセンスもかなりイケてます。携帯電話に慣れた私たち消費者には、「マナーモード」と言えばその機能が一瞬で伝わりますから、細かい部分ではありますが、商品開発にはこうしたセンスも大切ですね(*^^)v
シャープが昨年11月に発売した掃除機「パワーサイクロンEC-VX2」も、モーターを樹脂カバーで覆ったり排気経路を長く設けるなどの工夫をして、運転音を51デシベルにまで抑えました。同社製掃除機の売上を、前年比2倍近くに押し上げる原動力になったそうです。
一方、掃除機以上に低騒音への要望が強いのが洗濯機です。花王の調査によると、「午後6時以降に洗濯することがある」との問いに、フルタイムで働く女性の約4割がYesと答え、専業主婦でも18%がYesと答えたそうですから、ここに大きなマーケットがあることは明白です。
この調査を踏まえ、花王は、「夜洗い」と「部屋干し」をキーワードとした洗濯洗剤「スタイルフィット」を開発しました。出足の売上高は初年度目標の50億円を上回るペースで推移しているみたいですよ。
もちろん、家電メーカー各社も、このターゲットに向けて続々と新商品を投入しています。三洋電機が今年1月に発売したドラム式洗濯乾燥機「 AQUA(アクア)」は、回転数を減らした「ナイトコース」を搭載し、脱水時の騒音を35デシベルにまで抑えたことで、人気を呼んでいるようです。その他、冷蔵庫なども「静音対策」は必須となってきています。
ライフスタイルが変化すれば、消費者のニーズも大きく変化するのは当然のこと。このニーズにいち早く対応した商品を開発すれば、それだけで大きなウリになります。またその商品をきっかけに、「夜家事をしてもいいのか…」と気づく消費者が増えれば、さらにそこからマーケットが育っていく可能性もあるわけです。
商品開発の指揮を執る立場にある経営者は、ご自身の「時代感覚」を常に磨き続ける必要がありそうですね(@^^)/~~~
2008年03月21日(金)更新
「Suica」と明治大学の「学生証」が合体?!
もちろん、通常の「Suica」と同じく電子マネー付きICカード乗車券として使える上、定期券として兼用することも可能で、その上、この「Suica」で授業の『出席確認』まで取るそうですから、もう安易な“代返”はできなくなるかもしれませんね(*^_^*)
同社は「Suica」一体型の学生証や社員証の普及を目指していて、2005年には「三菱電機」で社員証として採用された例がありますが、「学生証」としての発行は初めてで、しかも「定期機能付き」も初の試みだと言います。
この新しい学生証には、定期券兼用の場合、顔写真、学部学科、学生番号、生年月日などが表示された裏面に、定期の区間や有効期限などの情報が表示され、通常の「Suica」と同じく2万円を上限に入金できるみたいです。
学生と院生を合わせ、約3万枚の「Suica付き学生証」が発行されることになるようですが、つまりこの学生証で、電車やバスの乗り降りはもちろん、生協や学食での支払い、在学証明書の発行、図書館の入退室管理、そして各教室の入り口にも読み取り機が設置され、講義の出欠確認を行う予定だそうです。
これまで、同大学では、講義に出た学生が、「出席カード」に名前とクラス番号などを書き込み提出していたようですが、受講生が100人を超す授業もあり、回収時間やその後のチェックの手間を考えると、大きな省力化になると考えたようです。
もちろん「自動改札」のようなゲートが付くわけではないので、友人にカードを預ければ「代返」が可能なようにも思えますが、「電子マネーや定期券の機能が付けば大事な持ち物になるので、友人に預けるわけにもいかないはず」と、大学側も「代返防止」に期待を寄せています。
同大での導入がうまくいけば、他の大学や企業にも広がる可能性があるでしょう。事務の効率化と導入コストとの費用対効果が見込めれば、「Suica」ユーザーが一気に増える可能性もあります。
果たして、この戦略は、競争が激化した電子ーマネーのマーケットでの「顧客囲い込み作戦」の切り札となり得るでしょうか。
それにしても、こうした新しい試みを、日本で最初に導入した明治大学は、「新技術」に対してかなり柔軟な発想を持っているのでしょうか。それとも、あまりの「代返」の多さに、学校側が困り果てていたのでしょうか(笑)……真意のほどを確かめたいところです(@^^)/~~~
2008年03月14日(金)更新
子ども用「調理器具」が人気!サイズを変えて新しいマーケットを作る
もちろん、安全性には十分配慮され、使いやすさを考えた設計になっています。今から15年ほど前、業界に先駆けて子ども用調理器具「台所育児」シリーズを発売したのは、岐阜県の刃物メーカーである「川嶋工業」。下記がその写真なんですが、なんだかかわいくて、しかもよく出来てますよねぇ(*^_^*)
一方、京セラでも「親子で料理を楽しむ」をコンセプトに開発した子ども向けキッチン用品「ファイン・ラファミーユ」シリーズを展開しています。
特に、幼稚園児から小学校低学年くらいの子どもの手の形に合わせた包丁「ファインキッチン・ミニ」が人気で、この包丁と軽いまな板、エプロンを組み合わせた「はじめてのクッキング応援セット」は、誕生日や入学祝いとしてのギフト需要も高いようです。
お孫さんにこのセットをプレゼントして、親子3世代で料理を楽しむケースも多く、「家族のコミュニケーションツール」としても注目されているのだとか。京セラとCS放送の子ども番組専門チャンネル「キッズステーション」が百貨店などで開催するイベント『おやこでクッキング教室』も、相当人気があるみたいです!(^^)!
ひと昔前までは「子どもに刃物を持たせるなんて危険だ!」と怒る親もいたようですが、平成17年の「食育基本法」施行をきっかけに、子どもに対し、食材や食文化への関心を高める取り組みが注目され、逆に「早い段階で料理に触れることで、食の大切さを体感できる」という見方が主流になったというわけです。
そんな時流もあって、子ども用調理器具のニーズが高まりつつあるわけですが、おもしろいことに、こんなふうに商品の「サイズを見直す」ことで、新しいマーケットを作れるものなのです(*^^)v
例えば、お菓子のポッキーなども「大きなパッケージ」にすることで、ちょっとしたお土産やギフトとしてのマーケットが広がりましたし、経営者会報ブロガーであり、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の会員でもあるエビスヤさんでは、業務用の「一斗缶」などを小さいサイズで作り、「雑貨缶」という今まで市場になかったカテゴリーの開発に成功しています。
また、「量や単位」を見直すことで、新たなマーケットが開ける場合もあります。以前私のブログでも取り上げている「日本酒」などがそのよい例ですね。
これら事例をヒントに、あなたの会社の商品も「サイズや量」を直すことで、新しいマーケットへ訴求できないか…ぜひアイディアを絞ってみてください(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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