石原明の「知的経営の切り口」 | 経営者会報 (社長ブログ)
企業を発展させるための経営のヒントについて、独自の切り口で紹介します。
2008年12月19日(金)更新
DVD付きニッポンみやげ!? 自社のスキルの活かし方
同社では、寿司や酒、日本茶などを題材に、文化的なうんちくや楽しみ方をドキュメンタリー番組のようなタッチで制作し、これに実際に使える道具や食材一式とセットにしたのです。
上の写真は「SUSHI(寿司)セット」なんですが、そのセット内容は…寿司の基礎知識、プロが教える寿司のつくり方、マナーなどがわかるDVD(英語と日本語二ヶ国語)・寿司桶・しゃもじ・まきす・箸・海苔・わさび・醤油・寿司酢粉末・インスタント米・粉末緑茶…おまけにこれらを風呂敷で包むという親切ぶりです。
これなら外国人でも、DVDを見ながら実際に「お寿司」を作れそうですよね。こうしたセットは3種類あって、参考価格は4,200~7,000円だそうです。
このシリーズの第一弾として、寿司、折り紙、日本茶、浴衣の4つを企画制作したみたいですが、折り紙と浴衣はDVDのみ(各1,500円)。続く第二弾として、「SAKE(酒)」セット(日本酒ととっくりにおちょこ&DVD)も発売されました。さすがに、どれもいい企画ですよね!(^^)!
もちろんこのDVDは、単なる“おまけ”的なものではなく、ニュース番組制作で蓄積したノウハウを活かし、製造過程などの現場取材も敢行し、さらにプロの手で外国人にもわかるように懇切丁寧に編集されているようです。
放送業界も不況のあおりを受け、番組制作会社を取り巻く環境もなかなか厳しいようですが、そんななかで、自社で著作権を持てるパッケージメディアに進出し、そのうえ「グッズ」とのセットを作って、自ら「メーカー」として販路を拡大していこうと決断したこの経営者は、「エライ!」と思いませんか?
このお土産セットは、自社のノウハウやスキルを活かす“メディア”や“マーケット”自体を創ってしまったのと同じことですよね(*^^)v
今のように景気が悪くなった時、経営者が、既存のお客さんにどう売るか…という狭い発想ばかりしていては、値段を叩かれるのがオチ。おそらくこの制作会社も、番組制作費が年々少なくなっていく状況に、なんとか歯止めをかけたかったのだと思います。
おもしろいことに、もともと外国人観光客を想定した商品だったにもかかわらず、あまりの出来の良さに、日本人が買っていくケースも多いのだそうです。
とくに、英語を学びたい人たちが、外国人とのコミュニケーションツールとして購入し、このDVDを教材に、生きた英語を勉強するなんてケースも増えているみたいです。シリーズ第三弾として、和菓子、しゃぶしゃぶ、焼酎などの制作準備も進んでいるようですよ。
ひとつの商品を、ユーザーが思わぬ使い方をして、そこからまた新たなマーケットが出来ていくのが、高度情報化社会の特徴です。ということは、企業には、常に“新たなチャレンジ”が求められているということです。
経営者が“目先”しか見えていないようでは、それこそお先真っ暗ですよね。ぜひ、発想を広げ、自社の“資産”を活かす道を模索してください(@^^)/~~~
2008年12月12日(金)更新
女ゴコロをわしづかみ!? “デカ目”プリ機が大人気
今年(2008年)7月、「120%デカ目革命」をキャッチコピーに、バンダイナムコゲームスが発売した「ジュエラ・アイ」という、実物よりもキレイにかわいらしく写るプリントシール機なんです。
これまでも、照明の当て方などを工夫するプリ機はありましたが、なんと!同社は、顔認識技術を応用して、実物よりも目だけが約20%目が大きく写るような独自の技術を開発したのだそうです(@_@;)
そのほかアイ・エム・エスが開発した「美’s COLLECTION 」という機種も人気で、今やプリ機には、ニキビが目立たなくなったり、色白に見えたりする美肌機能は当たり前、プチ整形に近い機能までが求められているみたいです。
1995年に世に出て、一世を風靡した「プリント倶楽部(プリクラ)」は、ふつうの写真と違い、左右が逆に写るので、いつも鏡で見ている自分の顔に近い写真が撮れることから人気になったと言われているのですが、どうやら彼女たちのなかには、“かわいく”写った自分を友達にも見せたいという欲求が根強く存在しているようです。
あの頃は、分厚い「プリクラ帳」を常に持ち歩き、友達に見せたり、交換したりする女子中高生がたくさんいましたよね。今では技術の進歩につれて、赤外線通信で友達の携帯に飛ばしたり、携帯内に専用ホルダーを作って保存したり、ブログに画像をアップしたり…とカタチは変わったものの、「“かわいい”自分を見せたい」欲求は、彼女たちのなかにずっと変わらずに存在し続けているわけです。
じつは、その“欲求”を上手に刺激することこそ、マーケティングの真髄なんです(*^^)v 現に彼女たちは、メーカーに頼まれたわけでもないのに、毎日出会った友達に自分の画像を見せたり送ったりしながら、せっせと「販促活動」をしてくれているのですから…。
ユーザーを上手に巻き込みながら、売上を上げていくという意味では、われわれも多いに学ぶべき点の多い事例です。経営者たるもの、人間の心理にも精通する必要がありそうですね。
「お願い」して売上が上がる時代はもうとっくに終わっています。この事例を参考に、自社の営業・販促のスタイルをおちゃめに見直してみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年12月05日(金)更新
アスクルに学ぶ“顧客”の周辺需要を掘り起こす法
なんとアスクルでは、ファイルやボールペンを頼むのと同じような感覚で、忘年会用のおつまみを発注することができるのだそうです(@_@;)
同社では、「アスクルお仕事サポート」として、オフィス内で必要になりそうなサービスを提供すべく、いろいろな業界との提携を進めてきましたが、今年3月には、飲食店情報サイト「ホットペッパー.jp 」を運営するリクルート、出前検索サイト「出前館」などを運営する夢の創造委員会の2社と提携しました。
リクルートからは飲食店、夢の創造委員会からは宅配店のデータ提供を受け、独自に編集して自社サイト内に受注ページを新設。ページ閲覧者が店の情報をクリックした場合と、実際に受注につながった場合に、それぞれアスクルに報酬が支払われる仕組みになっているようです。
情報化社会もますます進化を続け、今やネットで買えないものはないような時代になりつつあります。そうなるとユーザーのなかには「使い慣れたサイトから買いたい」という気持ちがしだいに濃くなっていくのです。
たとえば、アマゾンで本を注文することに慣れてしまった人が、サプリメントなどの他の商品をオーダーしたい場合、「アマゾンにはないのかな?」とまず調べます。新しいネットショップに、いちいち個人情報を入力するのは、結構面倒くさいですからね(――;)
それとまったく同じ感覚で、オフィス用品を頼むついでに、残業食や忘年会用のパーティーセットも…と、ついついアスクルからオーダーする人も増えてくるでしょう。現に、アスクルを経由した出前サービスの平均単価は、2008年10月の実績で5,900円強と、一般消費者が中心の出前舘の平均単価より2千円程度高いのだそうです。
アスクルもそのあたりの消費者心理もよくわかっているようで、「商品選択から決済まで短時間で済むのが利用者を増やすカギ」と話しています。たとえば、宴会のお店を探すときも、候補店の比較をしやすいようにするなど、独自の工夫を凝らしています。
そうなると、ホットペッパーや出前館としても、法人需要を取り込めるということで、十分メリットがありますよね(*^^)v 実績が上がれば、今後、アスクルと提携したがる企業も増えてくることでしょう。
こんなふうに、既存のお客さんに「どんなサービスを提供できるかが勝負」という時代に突入しているのです。少し前に私は冗談まじりに「そのうち、アマゾンで車や家を買ってポイントを貯める時代になるかもね」と話していましたが、もう、あながち冗談では終わらない感じもします。
ぜひこの事例を参考に、自社のビジネスを見直し、どんな人を自社の「顧客」にしたいのか、またその顧客に「どんなサービスを提供すればいいのか」をじっくり考えてみてください。
「売ったらおしまい」という薄利多売の時代は、すでに終わっているのです。自社の顧客といかに深くつきあうか…経営者自身のパラダイムシフトが必要な時代といえるかもしれません(@^^)/~~~
2008年11月28日(金)更新
納豆容器に新風!? 「金のつぶ あらっ便利!」が好調
その名も「金のつぶ あらっ便利!」という商品なのですが、パッケージを見直したと言ってもデザインや材質といった外観の話でなく、なんと!納豆の表面を覆っていた薄いフィルムや、タレやからしを入れた小袋をなくしてしまったのです(@_@;)
その代わりに、上記のようなゼリー状のタレが容器の一角に入っていて、食べる時はこのゼリー状のものを納豆に混ぜていただきます。
これまで、納豆の乾燥を防ぐために採用されていた薄いフィルムも、いざ食べるときになると、なんとなくベトベトしてじゃまでしたよね。また、タレやカラシの小袋を開けるときも、「手が汚れてイヤ」という声が多かったみたいです。
こんなふうに、消費者が納豆を食べるときに感じる小さな不満をみごとに解消したことにより、今年(2008年)9月から新パッケージでの販売を始めたところ、発売後2ヶ月で6千万食と、目標を上回る好調ぶりみたいです(*^^)v
時に、消費者の「エコ」意識も相当高まっていますが、タレの小袋とフィルムをなくしたことで、家庭から出るゴミを年間で約45トン削減できるとの試算もあります。
商品自体を変えずとも、パッケージを見直すだけで売り上げが上がるという点では、とてもおもしろい事例だと思いが、単なる思い付きではなく、同社では2006年から「納豆革命プロジェクト」を発足させ、真剣に取り組んできたのだそうです。
こうして、ふたを開けて、はしで混ぜるだけで食べられる納豆の開発が始まったわけですが、最初はタレを容器の底に入れてから納豆を上に重ねる方式を考えたものの、納豆がタレを吸い込んでしまって、なかなかうまくいかなかったのだそうです。
その後、容器の試作を百種類以上作って研究を重ねたそうですが、それがこんなカタチで実を結ぶと、開発担当者も相当うれしいと思います。
ありとあらゆるバリエーションが登場している納豆という成熟市場にさえ、まだまだ起死回生の策があったのです。この事例を参考に、ぜひ自社商品を「パッケージの改良」という視点から、検討しなおしてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~
2008年11月21日(金)更新
自宅に懐かしのジュークボックスを♪ セガトイズの「ホームジュークボックス」
商品サイトも、とても上手に作ってあるので、下記の画像をクリックして、まずはぜひその世界感をお楽しみください♪
少子化傾向にともなって、玩具各社は数年前から、“大人向け”の商品の開発に躍起になっています。以前も、「グランドピアニスト」という商品を取り上げたことがありますが、こうした商品を出すには、「どこまで本気でこだわったものづくりが出来るか」が勝負になってきます。
この「ホームジュークボックス」も、1950年代から1970年代にかけて米国のWURLITZER社が製造・販売した通称「樽型」(WURLITZERタイプ)をモチーフにしたミニチュアモデルになっていて、レコードをターンテーブルに載せるアクションまでをもリアルに再現しているんです!(^^)!
針がレコードに触れたときの“チクチク音”やアームの動作音なども忠実に再現しているのには、ちょっとびっくりしてしまいます。内臓された20曲の楽曲も、ユニバーサルミュージック社厳選のオールディーズで、ルイス・アームストロングの「この素晴らしき世界」やフォー・エイセスの「慕情」など、古き良き時代への郷愁を誘う曲ばかりです。
さらに、本来のジュークボックスのように100円硬貨を入れて聴きたい曲を再生する「コインモード」まで付いていて“本物っぽさ”を盛り上げるうえ、自分の好きな音楽データが入った別売りのSDカードを本体に挿入して再生することもでき、これで価格は29,400円。50代~60代をターゲットに、年間2万台の販売を目指すそうです。
決して、マスマーケットを狙った商品ではありませんが、あくまで「本物っぽさ」にこだわることで、コアなターゲット層には、確実にヒットすることでしょう。ここまでこだわったものづくりをするからこそ、人の心に響くのです。ぜひその「開発レベル」の高さを知ってください。
経済環境が悪化するなか、われわれ中小企業は、「欲求市場」に向かうべきだという話を、私は最近よくしているのですが、マスマーケットを狙い価格競争に巻きこまれていくようなビジネスモデルではなく、規模は小さくとも、「これじゃなきゃダメ!」とお客さんが名指しで飛んでくるような商品やサービスの開発に力を入れるべきだと思うのです(*^^)v
冒頭で見ていただいた商品サイトも、動画を使ってこの商品の持つ世界感を上手に表現していますが、こうしたWEB戦略をとることで、マスメディアに莫大な広告費を払うことなく、商品の価値やストーリーを発信していくことができるわけですから、われわれも大いに参考にすべきでしょう。
そういえば、「セガトイズ」の前身は、米国からジュークボックスを輸入・販売する会社だったそうですよ。どんな会社にも歴史があるものですが、そのノウハウがどこで役に立つかわかりませんよね。こうしたノウハウも、すべて会社の大事な「資産」です。
来年にかけて、世の中はますます厳しくなりそうな気配ですが、ぜひ冷静に自社の持てる「価値」をみなおし、とるべき戦略を固めてください(@^^)/~~~
2008年11月14日(金)更新
1杯3,000円のラーメン!? 世の中と逆に舵を切る「藤巻激城」とは
ラーメン界は浮き沈みの激しい世界で、毎年の“流行の味”に乗り遅れると、パタリと客足が途絶えてしまうもののようです。なんでも、今年は「とんこつ魚介系」がブームみたいですが、各店がしのぎを削るなか、そんな戦いは“どこ吹く風”とばかりに、全くの“別次元”にいるラーメン店があるのです。
そのラーメン店とは、東京は中目黒にある「藤巻激城」というお店なんですが、住宅街のなかの極めてわかりにくい場所にある、まさにちょっとした“お城”のようなお店みたいです(*^_^*)
昨年(2007年)の11月にオープンしたこの店は、40坪のフロアーにたった8席のカウンターしかなく、メニューは「1杯3,000円」のラーメンが3種類のみ。ただし、4人以上で3日前に予約をすれば、1杯1万円の究極のラーメンも食べられるそうです(――;)
一瞬、「こんな高いラーメン誰が食べるんだ?」などと思ってしまいそうですが、オープン当初からラーメン通の間で話題になり、今年の9月からは「完全予約制」にしたほどです。完全予約制のラーメン屋さんなんて、聞いたことないですよね?
じつは店主の藤巻さんは、16歳で料理の世界に入り、中華畑で腕を磨いてきた人物で、2年前に池尻で始めたラーメン店は、超人気店となりました。世界3大スープのひとつでもあるタイの「トムヤムクン」をベースにしたそのラーメンは、たびたびマスコミにも登場し、店には連日行列が絶えなかったそうです。
ところが、ふつうの店主なら喜ぶだろうその現象を前に、藤巻さんは「客を並ばせたくない」と強く思ってしまったのです。そこからがまたユニークなのですが、店を拡大するのではなく、真逆に舵を切りました。
藤巻さんがとった戦法は「値上げ」。1杯800円だったラーメンを、1,500円にまで値上げしたそうです。その後、いったん池尻の店を閉店し、コンセプトを徹底的に練り直し、味に磨きをかけて「1杯3,000円」のラーメンで再出発したというわけです(*^^)v
誰にでも真似できる業態ではないかもしれませんが、多店舗展開を狙わず、藤巻さん本人がずっと店に立っておいしいラーメンを作っていくなら、経営的にも十分成り立つと思います。
もはや、ラーメン界でさえも、規格品を量産する時代ではないのかもしれませんね。ますます激化する「価格競争」とは無縁のこうした世界があることも、経営者としてぜひ知っておいてください。
自社製品の品質に自信がある会社は、この事例をヒントに、「思いっきり高い商品を限られたお客さんに売る」という戦略も視野に入れるべきかもしれません(@^^)/~~~
2008年11月10日(月)更新
就活動の次は“婚活”!? 言葉がマーケットを創る
今どきの学生たちは、就職活動を略して「就活(シュウカツ)」と言いますが、その結婚バージョンというわけで、つまり、就職するために就職活動が必要なように、結婚するためには「結婚活動」を積極的に行う必要がある、とされているのです。
こんな言葉、いつできたのかと気になって調べてみると、どうやらこれは、家族社会学者の山田昌弘さんと少子化ジャーナリストの白河桃子さんの共著、『「婚活」時代』からブレイクしたもののようです。この本では、結婚と就職がよく似たものであることが説明されています。
そもそも昔の学生たちは、卒業が近づくと、高校の就職指導の先生が世話を焼いてれたり、大学なら研究室やゼミの先輩が紹介してくれたりして、たいした就職活動をしなくても、みなそれなりに就職先が決まっていったものなのです。
結婚にしても、近所には「世話焼きおばちゃん」みたいな存在が必ずいて、お年頃になると、どこからともなくお見合い話が舞い込んだりしたものです。
しかし、今ではすっかり状況も変わり、就職先も結婚相手も「自己責任」で見つけないといけない時代になったということです。
そんななか、「婚活アドバイザー」なる職業まで誕生しているみたいですが、「婚活」という言葉が生まれたことで、そこに確固たるマーケットが出来上がっていくのがおもしろいと思いませんか?
まず、この「婚活マーケット」に飛びついているのが、結婚情報サービス(いわゆる結婚相談所のようなものです)業界です。試しにネットで検索してみてください。上位にはずらーっとスポンサーリンクが並びます。
今後もこの「婚活」という言葉をキーワードにして、さまざまなビジネスが誕生していくのではないかと予想がつきます。こんなふうに、人の心にひっかかる「言葉」には、マーケットを創り出すパワーがあるということです(*^^)v
ということは、われわれ中小企業でも、「言葉」を生み出すことで、マーケットのトップに立てる可能性があるということですから、経営者は、そのあたりを真剣に研究すべきだと思います。
しかしながら、この「婚活」というキーワードに強く反応しているのは、もっぱら女性たちのようです。男性たちは、「いつかはできると思うが必然性を感じない」とか「女性と一緒に過ごすよりも楽しいことがある」などと考える人が多く、なかには、「生きてる女はめんどくさい」などという声まであるみたいです(――;)
満50歳になるまで一度も結婚したとことのない人の割合を示す数字を「生涯未婚率」(この言葉もかなりインパクトがありますね……笑)と言うそうですが、2005年の国勢調査では、女性の生涯未婚率が6.8%なのに対し、男性は15.4%と2倍以上の開きを見せているのです。
どうやら、「婚活」という言葉が、男性たちの心をつかむためには、もうひと工夫必要なようですね。あなたなら、どんなアイディアがありますか(@^^)/~~~
2008年10月31日(金)更新
味覚の秋 意外なところに美味しいレストランが…
ところで、下の写真、なかなか美味しそうですが…じつはこれ、新宿区信濃町の慶応大学病院・新棟11階にある「レストランオアシス」のある日のメニューなんです。
聞くところによると、ここは「パレスホテル」が経営しているそうですが、眼下に神宮の森が広がる眺望はバツグンで、都内でも1・2を争うビューポイントみたいです。
もちろん、病院関係者じゃなくても一般に利用できるので、特に毎年夏に行われている神宮花火大会の日は、知る人ぞ知る「特別観覧席」として予約がいっぱいになるのだそうです。これは、知らなきゃ損って感じですよね!(^^)!
また、品川区旗の台にある昭和大学病院の入院棟最上階にある「タワーレストラン昭和」は、あの帝国ホテルグループが運営していて、ホテルと同様の制服を着た従業員によるサービスが受けられるのだそうです。
帝国ホテルの料理長から、直接指導を受けたシェフによる料理が手軽に味わえるとあって、こちらのレストランも、知る人ぞ知る存在なのだとか。
その他、川崎市にある「総合新川崎病院」8階にあるレストラン「ラグーン」は、大きな窓とテーブルに敷かれた真っ赤なクロスが印象的で、患者さんやお見舞いの家族や友人のための、くつろぎのスペースとして作られたのだそうです。
ここでは、フランス料理がコースで提供されるばかりか、店内にはワインボトルの並ぶバーカウンターまであるそうですよ(@_@;)
このように、いまや「病院のレストラン」もすっかり様変わりしたようです。しかし、病院側がレストランでの営利を追求していないせいか、一般にはその存在があまり知られていないのが少し残念でもあります。病院のホームページなどにも、レストランに関する積極的な告知はありません。
病院といえども「経営」を考えると、内部に人気レストランがあるのなら、それを広く利用してもらうことで、宣伝効果も期待できるはずです。今後は、病院といえどもそのような視点を持つべきかもしれません。
味覚の秋の話題から、思わず病院経営にまで口を挟んでしまいました(笑)。どうやらこの秋も、私は、仕事に熱中することになりそうです(@^^)/~~~
2008年10月24日(金)更新
ジャスト5秒がおもしろい!? 「5秒スタジアム」に学ぶ発想転換術
後は、自分自身の感覚だけを頼りに、「ジャスト5秒」と思うところでボタンを押します。そして、その「誤差」を競う……という単純といえば単純なゲームなのですが、仲間内でやると結構盛り上がるみたいです。
同社ではこれを、「本能に訴える新シリーズ」として、「∞プチプチ」「∞エダマメ」に続く新たなヒットシリーズの展開を狙っているようですが、ニュースリリースにあった猪岡光東北大学名誉教授の言葉には、思わず笑ってしまいました。
氏いわく、「人間が5秒で止めることで覚える快感は、一種の達成感です。目標が5.00秒という確かなものであるからこそ、人間はピッタリ止める努力をしたくなります。目標の難易度が適切であるために、目に見えて技術が進歩し、人間はその進歩が快感になり、また5秒で止めた達成感を味わうために、5秒への挑戦を続けるのだと考えられます。」
なるほどなぁ~という感じですよね(*^_^*) 私も全く同感で、端的に言えば「人は楽しいことしか続けない」と考えています。最近受けた取材でも、「知らなかったことを『知る喜び』を体験すると、学びが楽しくなります」とお話したんですが、勉強も仕事も、本人が楽しく続けられなければ、本当の意味で成果が上がりませんよね。
じつは「経営」も全く同じなんです(*^^)v 最近の株価などを見ると、とても「経営は楽しい」などとは思えないかもしれませんが、経営とは自分のアイディアで世の中と勝負することですから、経営者の発想しだいでは、いくらでも勝っていく道があるはずなのです。
このストップウォッチゲームにしても、ストップウォッチを「ただ正確に時間を計るもの」とだけしか認識していなかったら、それがゲームになるとは思いも寄りませんよね。
経営者は常に、「この商品にひと味違う使い方はないか」「つい習慣になって何度もリピートされるようなしかけはできないか」などと、発想の枠組みを広げていく必要があります。
そういう意味では、世の中を真剣にウォッチングすることは、相当役に立つはずです。
現に、最近のテレビ番組では、「自分の感覚でジャスト30秒カラオケを歌う」などというゲームをやっていたりします。この「5秒スタジアム」の発想をヒントにしているのかもしれません。
どんな時代にも、経営者は常に楽しく、自らのアイディアに磨きをかけ、その成果を世の中に発信し続けていきたいものですね(@^^)/~~~
2008年10月17日(金)更新
一室3万円の映画館!? 「セレブルーム」が経営にもたらすもの
そんな意味も込めて、今週もちょっと「セレブ」な話題を取り上げます。今年(2008年)の7月に、松竹が東京・新宿にオープンした国内最大級のシネマコンプレックスである「新宿ピカデリー」に、なんと(@_@;)「1室3万円」のペアシートがあるのをご存知でしょうか?
このペアシートは「プラチナルーム」といい、利用者のための専用エレベーターが設けられているうえ、上映開始1時間前から「専用ラウンジ」でくつろぎながら、無料で提供されるウェルカムシャンパンやお菓子を楽しみつつ、上映時間までの贅沢な時間を過ごせるのだそうです。
そして上映時、室内では、イタリアの高級家具カッシーナのソファーにゆったりと座り、最大級のスクリーンかつ、高性能の音響機器で、しかも2人っきりで映画を楽しめるというわけです(*^^)v
このタイプのバルコニー席は、2室設けられているそうですが、VIPのお忍びばかりでなく、両親へのプレゼントや、記念日の利用などで、土日は満室になることもあるそうです。
同館には、このほかにも1席5千円の「プラチナシート」を設ける一方で、平日当日券に限り、1千円で鑑賞できる「最前列席」も設けています。
同社では、「歌舞伎や芝居小屋に近い発想。それぞれのニーズに合わせて利用を促したい」としていますが、「なるほどなぁ~」という感じですよね。
ひと昔前のバブル期なら、「全館セレブ対象」という発想しかなかったと思うのですが、いろいろなグレードのサービスをひとつの建物に集めるというのが、なんとも今っぽい発想だと思います。
世の中が不景気ムード一色になると、みんながみんな「格安なサービス」に向かおうとしますが、そんななかでも、富裕層をターゲットにしたサービスを持つことは、自社の将来的な財産になる可能性が高いのです。
まず、時代と逆に舵を切った商品やサービスは「話題」になりやすい、ということがひとつ。さらに、高級なサービスに集まるお客さんを自社の「顧客リスト」にプールすることで、将来的にその人たちを対象にした商品やサービスを開発することも可能です。
そうなれば、景気回復と同時に、自社の経営が一気に変わる可能性もあるわけです。暗いニュースに沈むばかりでなく、経営者は常に発想を大きく広げておきたいものですね(@^^)/~~~
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ボードメンバープロフィール
石原 明(いしはら あきら)氏
僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社
ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。
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